教員紹介
国際コミュニケーション学域
日本の小学生から大学生までを対象に、第二言語であり外国語である英語がどのように習得されるかというメカニズムを明らかにして、その知見を英語教育に生かすことを目指しています。例えば、学習者は現状でどのような英語力(4技能)や言語知識(語彙や文法などの知識)を持ち合わせているのか、それらにはどのような関連性があり、そして、どのように発達していくのかを調査する研究です。1つの研究プロジェクトで解明できることは、多様な学習者の複雑な習得の仕組みのごくわずかな部分ですが、その知見を踏まえて、学習方法や指導法の違いが習得に与える影響や、学習者の言語能力を評価する最適な方法とは何か、といった問題にも取り組んでいます。
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同じことを言うにもたくさんの形式があります。これを社会言語学では「バリエーション」と呼んでいます。例えば「これはここでしか食べられないものだ」と「これはここでしか食べれないものだ」、皆さんどちらを使いますか?両者は、一般的には「正用」・「誤用」で判断されがちですが、学術的には話者の属性や発話場面といった「社会的」要素を反映する興味深い現象です。こうしたことばのバリエーションを観察し、ことばと社会のダイナミックな関係性を研究しています。また、コーパスを用いてバリエーションを量的に分析し、ことばの変化を予測する研究も行っています。
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世界規模の課題の解決には世界中の連帯が求められます。様々な価値観を柔軟につないでいくバイリンガル教育の視点は、そうしたグローバル化する社会に貢献できると考えています。バイリンガルになること、バイリンガルであることは特殊なことではありません。一般に考えられている以上に日本は多言語社会ですし、多くの人が多様な言語資源を持っています。そうした言語資源を存分に活用して自分の生を豊かにし、社会に貢献していく、それを支えるための教育がバイリンガル教育です。このバイリンガル教育の視点を日本の英語教育にどう取り入れられるのか、実践に近いところで研究をしています。
COLUMN
使い慣れた母語を土台に、外国語を学ぶ。 バイリンガル教育は、言語教育の新たな挑戦。
国際英語専攻
佐野 愛子
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ことばって不思議ですよね。例えば、日本語で「太郎はリンゴを食べた」とは言えますが、同じ意味をもつ文として、「太郎はリンゴが食べた」とは言えませんよね。一方、英語では、Taro ate an appleとなり、日本語の「が」や「を」に相当する格助詞と言われる要素が表面上現れません。私は現在、このような格の文法的役割やそれによってもたらされる意味解釈の差について、先行研究をベースに研究しています。より広い範囲の意味での研究としては、上記のテーマに限らず、私たちが「無意識にもっている知識」の諸側面を対象とし、それに対し理論的な説明を与えるという、理論言語学の考え方に基づくアプローチをしています。
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バイリンガルには多くの利点があると考えられています。しかし、バイリンガルになることやバイリンガルであり続けることは複雑です。人々が言語をどのように認識し、使用するかは、それぞれの言語の習得に直接影響します。また、文字なしに言語を維持することは難しいと考えられています。読み書き能力は、子どもたちが就学する前に発達させることができることから、学校での教育の枠を超えています。これまでのバイリンガル発達の研究では、主に親や教師の行動や学習者の口頭でのコミュニケーションスキルに焦点が当てられてきました。私は、読み書きに基づく言語習得における学習者の自主的な取り組みに関心があります。
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国際コミュニケーション学域
Globalized English
- キーワード :
- Global Englishes、Formulaic Language
DAVIES MICHAEL JAMES教授
- 所属専攻:
- 国際英語専攻
- 専門分野:
- Global Englishes、Vocabulary Acquisition
The globalization of the world and the need for global citizens requires changes in how we teach in schools and universities. I'm interested in researching possible changes; for example, the approach known as CLIL can help in using language as a tool to develop deeper learning of content.
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第二言語習得は学習者の内部で発生する習得メカニズムだけでは説明しきれないほどの複雑さを持ちます。そのため、言語を知識として学ぶだけではなく社会に根付いた活動を通して習得するという考えのもとに、学習の状況性やグローバル化時代の流動的コンテクストを考慮することが必要となります。私は、このような視点から、第二言語習得における社会文化的要因に着目し、異文化適応、リテラシー、アデンティティを研究しています。グローバル化によって多様性を増す異文化接触の再概念化に寄与すべく、言語横断的視座から母語と第二言語の融合性を考察し、リテラシーの発達過程とアイデンティティ変容に関する社会言語学的探究を続けています。
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社会問題