教員紹介
国際文化学域
国際文化学域
ラテンアメリカの近現代の思想形成と文化変容
- キーワード :
- ラテンアメリカ、ポスト植民地主義、先住民族、社会思想
崎山 政毅教授
- 所属専攻:
- 文化芸術専攻
- 専門分野:
- ラテンアメリカ思想史、地域研究
僕の研究は「ラテンアメリカ思想史」を取り扱っています。ときにはチェ・ゲバラのような革命家、ときにはカルロス・フエンテス(メキシコ)やホルヘ・ルイス・ボルヘス(アルゼンチン)のような詩人・作家、ときにはふつうの人びとが生活のなかで感じ取る自由や平等、公正・不公正の感覚、そしてときには先住民族の宇宙観までの広い領域が研究対象です。ですから、理論や本から得られるものに研究は限定されません。人類学や農村社会学のフィールドワークのような調査からわかるものごとを、理論や歴史資料の分析と繋ぎ合わせて受け止め、考察し、できるならば現地に投げ返す。これが僕の研究のもっとも大切な、そしてもっとも面白いところです。
もっと見る閉じる
南太平洋の島々と海の世界を、日本とつなげて考察する比較文学・比較文化研究をしています。比較文学者イ・オリョンの著書『縮み志向の日本人』によると、多くの日本論が「日本にあって西洋世界にないもの=日本独特のもの」と考えています。同じく比較文学者のエドワード・サイードは『オリエンタリズム』で、西洋世界は東洋を「自分で自分を語ることができないよそ者」とみて代弁してきたと述べています。「私たち」「よそ者」のイメージを作る競合は、西洋諸国が世界中を植民地化したことで世界共通のものになり、意外なところでつながっています。その見えない「つながり」を見つけ、意味を考えるのが面白いところです。
もっと見る閉じる
千川 哲生准教授
- 所属専攻:
- 文化芸術専攻
- 専門分野:
- フランス文学、フランス演劇
私の研究対象は、コルネイユ、ラシーヌ、モリエールに代表されるフランス17世紀演劇です。この演劇はルネサンス期に復興したギリシア・ローマの古典に範を仰ぎ、イタリアやスペインの文学を模倣しながら成立しました。この成立過程を調べると、当時の演劇がさまざまな文化や芸術の交点であったという事実が浮かび上がります。分かったつもりだった対象が、研究が進むにつれて、思いがけない姿を現す。そのささやかな発見もさることながら、数百年も前の異国の演劇の実態を曲がりなりにも再構成できるということの不思議な魅力に、今も引きつけられています。
もっと見る閉じる
もともとは南インドやパキスタン西部でヒンドゥー教の巡礼を研究していました。ところが、辺境の聖地にもかかわらず、国外から来た巡礼者に遭遇することが多く、そこからインド洋全域におけるインド系移民の移動=ディアスポラを研究することになりました。おかげで、パキスタン沖合にある孤島の聖地の調査中に、古代からあるダウ船の漁船をチャーターしたところ、エンジン不調で半日ほど漂流し、漁師から「心配するな、たぶんオマーン(アラビア半島)には着くから」と慰められ、インド洋交易の現実を痛感する羽目に。こうして、現在ではインド洋東部域にあるアンダマン諸島の植民地化とその表象をめぐる人類学的研究をおこなっています。
COLUMN
文化人類学は、“石蹴り遊び”。 思いがけない発見が待っている。
文化芸術専攻
中村 忠男
もっと見る閉じる
現代社会を形成する「近代化」は、寛容や平等の精神をとなえた17・18世紀ヨーロッパの啓蒙主義に始まります。しかし、世界の紛争や虐殺は今なおやむことを知りません。とりわけ20世紀ヨーロッパでは、ナショナリズムの台頭に伴い、反ユダヤ主義が強まり、ナチズムのホロコーストにまでいたりました。なぜ啓蒙の精神から、このようなことが起こったのでしょうか。現在の私の研究は、ドイツの近代化過程において失われたものと獲得されたものの社会的・思想的要因を言語芸術と哲学から解明することです。
もっと見る閉じる
仏教美術史および日本・東洋美術史が専門です。仏教美術は、日本の美術のみならず、インド・中央アジア・中国・朝鮮半島・東南アジアなど、アジア各地の文化・芸術を吸収しつつ発展してきた経緯を読み解く面白さがあります。京都の恵まれた環境を活かして、皆さんも是非その面白さを味わって欲しいと思います。また最近では、日本美術史において、マンガやアニメーションも扱われ、「日本」の枠内で、その特異性や面白さについて語られることが多いようですが、欧米を含む様々な地域の文化や芸術との関わりも密接だと思います。文化芸術専攻として、世界各地の芸術を参照しつつ、これからの日本・東洋美術を考えることも、私の重要なテーマです。
もっと見る閉じる
宮本 直美教授
- 所属専攻:
- 文化芸術専攻
- 専門分野:
- 音楽社会学、文化社会学
音楽や舞台はいつの時代にも好んで受容される文化でした。その音楽や舞台作品がなぜ魅力的なのか、どんな技法と内容を包含しているのかという視点は人文学の重要な要素ですが、それだけではなく、それらを人々はどのように受容するのか、そこにどのような側面や意味があるのかという社会学的視点を持ち込むことも、これらの文化の新たな側面を知ることにつながります。「高尚な芸術」と「ポピュラーカルチャー」がどのように分けられているのかを考えることもその一つの視点であり、私の研究ではクラシック音楽とポピュラー音楽の分化過程を考察しています。
もっと見る閉じる
社会問題