2021年度 研究倫理ハンドブックの発行にあたって

立命館大学長 研究倫理委員会委員長 仲谷善雄先生より

  大学における研究は、教育と両輪をなす基本的な活動です。高度な研究があってこそ、高度な教育が成り立つと言えます。しかしどのように優れた研究成果が出されたとしても、その研究が倫理的に問題を含んでいた場合、その価値のみならず、大学や研究者に対する信頼は失墜します。社会的責任を持つ大学として、守るべき研究倫理や責任を踏まえた研究の遂行が求められます。
  また、2014年8月には文部科学省より「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」が公表されました。同ガイドラインでは、研究活動における不正行為への対応は、研究者自身の規律や科学コミュニティの自律を基本としながらも、研究機関が責任を持って不正行為の防止に関わることにより、対応の強化を図ることとされており、各研究機関において研究活動の不正行為防止に向けた体制整備が求められています。

  本大学では、2006年の日本学術会議「科学者の行動規範」の策定や、科学技術・学術審議会「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の策定等を受け、研究の理念や研究活動の基本的姿勢、研究活動に携わる者が等しく認識すべき倫理や基本的責務などを明確化した「立命館大学研究倫理指針」を制定しました(2007年3月15日常任理事会)。それ以降、本大学は、この「研究倫理指針」および「学外交流倫理基準」などにもとづき研究活動を推進してきました。

  研究倫理の範疇は、研究遂行そのものに関する倫理以外にも、研究費の適正執行、利益相反、科学におけるミスコンダクト(捏造、改ざん、盗用を中心とした、科学研究の遂行上における非倫理的行為)の問題等を含め広範囲に広がっています。文部科学省をはじめとする関係諸機関とも連携をとり、他の研究機関等における状況等も踏まえながら、本大学に相応しい体制、ルールを整備し、対応しています。これらの広範囲にわたる課題に対して、2020年4月に「研究倫理室」を設置し、一層の公正適正な研究活動の推進と研究基盤の強化を図っています。

  今日、研究や教育における本大学の学外交流は国内外の多岐に渡って展開しています。今後も学外交流を積極的に推進するにあたり、あらためて「研究倫理指針」および「学外交流倫理基準」を確認・遵守することが大切です。
  本ハンドブックは、本大学の教員の方々や研究者はもちろんのこと、これから研究活動に携わる大学院学生や学部学生のみなさんにも、文部科学省や日本学術会議等の諮問機関の方針を踏まえ、本大学の研究倫理に関わる考え方や取組みの概要を理解していただくために作成しました。積極的に活用いただきますようお願い申し上げます。

2021年4月
立命館大学長
研究倫理委員会委員長
仲谷 善雄


立命館大学 副学長(研究担当)研究倫理委員会副委員長 徳田昭雄先生より

  2014年8月に文部科学省より「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」が公表されており、その中で研究者、科学コミュニティ、研究機関の自律に基づく不正行為の事前防止の取組みと不正事案の一覧化公開(※)が定められています。
  本大学では同ガイドラインを受け、2015年3月に「立命館大学研究活動不正行為防止規程」を制定し、研究活動における不正行為の防止のための取組みを進めています。本ハンドブックの作成・配布もその一環のものです。

  大学や研究機関における捏造や改ざん、盗用などの研究不正は大きな社会問題として取り上げられ、2020年度も国立大学や私立大学における研究不正が大きく取りざたされました。残念ながら本大学においても論文における不正が発生し、公表に至った事案が発生しております。研究不正は論文等の共同執筆者はもちろん、不正を調査する委員会に関わる方々にも調査等で負担をかけるなど、不正に直接関与しない研究者にも大きな影響を与えることから、発生しない・させないことが重要です。

  本ハンドブックには本大学の研究倫理に関わる考え方や倫理審査の取組み概要などを記載しておりますので、ご活用いただき、適正な研究活動の推進に努めていただきますようお願い申し上げます。

2021年4月
立命館大学副学長(研究担当)
研究倫理委員会副委員長
徳田 昭雄


(※)文部科学省の予算の配分又は措置により行われる研究活動において不正行為が認定された事案(一覧)https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1360484.htm

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