教員紹介
文章表現研究の面白さは、書き手が実に巧みに、時にこっそりと作品に盛り込んだ表現上の「仕掛け」を発見することにあります。たとえばお気に入りの作家や小説があるとします。なぜあなたはその作家が好きなのでしょう。なぜその作品を面白いと感じ、先を読みたくなるのでしょう。主人公が魅力的だからとか予想外の事件が次々と起こるからなど、人物や出来事に惹きつけられるという理由もあるでしょう。しかし文章表現研究では、そのような作品の内容ではなく、内容を盛る<器>に注目します。すなわち、物語の構造やレトリック、語彙や文字の選び方など、文章表現の仕方にも読み手を魅了する秘密があるに違いないと考え、その正体に迫ります。
COLUMN
仲間とともに「書くこと」に真剣に向き合う
コミュニケーション表現専攻
清田 淳子
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私たちは、さまざまな環境や状況下でやりとりやふるまいを通じて何かを達成したり、喜怒哀楽を感じたりしています。私の研究は、日常で営まれる多様な相互行為を録音・録画してデータとし、社会学由来の会話分析という質的研究方法を用いてそれらの成り立ちや構造を明らかにして、私たちに備わる社会成員としての能力の豊かさを示すことです。データを微細に観察すると、刻々と展開していく出来事に対する人間の反応や対処が、いかに秩序立っているのかがよくわかります。また、フィールドワークも取り入れながら、社会的・制度的に十分な評価がされていない対人援助職の専門性を、職員らの諸実践の分析を通して明らかにしようとしています。
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一つの物語やモチーフが、表現のメディア=媒体とともにどのように語り直されるのか。うた・詩・小説・絵解き・漫画・アニメーションなど、多様な表現を研究しています。新しい表現方法を探して、人に会い、本を読み、旅に出ます。
この研究の醍醐味は、心を動かす「ことば」や物語、それを語る人の人生に触れること。「ひとは大人になって、高さを忘れる。 平行になじんで、垂直を忘れる」(長田弘)「人生は一つの病院のようなもの。どの患者も自分のベッドの位置を変えたがっている」(ボードレール)。ゼミで文芸創作を行う学生からプロの詩人、小説家、記者、アナウンサー、アニメーターまで、表現の現場にいる人に出会えるのも魅力です。
この研究の醍醐味は、心を動かす「ことば」や物語、それを語る人の人生に触れること。「ひとは大人になって、高さを忘れる。 平行になじんで、垂直を忘れる」(長田弘)「人生は一つの病院のようなもの。どの患者も自分のベッドの位置を変えたがっている」(ボードレール)。ゼミで文芸創作を行う学生からプロの詩人、小説家、記者、アナウンサー、アニメーターまで、表現の現場にいる人に出会えるのも魅力です。
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最近の漫才で、「ボケを否定しないつっこみ」という形が出てきました。従来型の「なんでやねん!」とボケを否定するパターンを逸らして、「それもありだね」と受け止める変化球型です。一例ですが、典型例に当てはまらない多様性を認めていこうという社会的動きがみえます。同じような変化が、言語教育でも起きています。従来の言語教育では、「日本人は謙遜する」のような典型的な言動の研究や教育が当然とされていました。しかし、多言語・多文化が入り混じる現代社会では、○○人や○○語を越えた柔軟なコミュニケーション能力が鍵となります。このような、翻訳アプリでは代用できない能力や育成方法とは何かについて研究しています。
COLUMN
世界各国の留学生と一緒に学び、
課題解決に取り組む
言語学・日本語教育専攻
北出 慶子
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第二言語語彙能力の鍵は語彙が定着するまで再出会いの数です。大学入学試験は、最低5千英単語が必要です。そして、単語だけでなく定型表現が欠かせません。意図的かつ偶発的な 学習両方が大事です。さらに、暗示的能力は(例:留学や英語媒体教育を通して)どのように発達するのか複雑な過程です。現在、留学生で見られる暗示的能力とそれにおける定型表の評価方法を開発しています。単語の数、短期記憶力の貢献、定型表現の偶発的な学習などの相互作用を調べています。研究で、英語圏で留学する英語非母語話者にて上記の能力を評価するテストを作りました。これから日本語非母語話者のテストも計画したいです。
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身近な言語の気になる側面を言語学的観点から考察する、これが僕の研究方法です。僕がこれまで分析してきた「身近な言語」は、出身大学の隣町で話されている茨城県旧水海道市(現常総市)の方言、前任校の所在地北海道の方言、妻の母語ルーマニア語、旅先で出会った千葉県南房総市の方言です。「気になる側面」は、格や態や活用といった文法に関するものと無声化や有声化といった音韻論に関するものです。
僕が分析対象としてきた言語・方言のいくつかは消滅の危機に瀕しています。消滅危機言語・方言の研究はそれ自体でも価値がありますが、日本語(標準語)や英語といったメジャーな言語を捉え直す上でも貢献が期待できると思います。
僕が分析対象としてきた言語・方言のいくつかは消滅の危機に瀕しています。消滅危機言語・方言の研究はそれ自体でも価値がありますが、日本語(標準語)や英語といったメジャーな言語を捉え直す上でも貢献が期待できると思います。
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私たちは、教わっていないことをたくさん知っています。「まさきは禿げた頭をしている」は自然な日本語でも、「まさきは禿頭(はげあたま)をしている」は変だと思いませんか。「まさきは禿頭(とくとう)をしている」は全然ダメな日本語ですよね。でも「まさきは禿頭(はげあたま)だ」と「まさきは禿頭(とくとう)だ」はどちらもOKですよね。たとえ「禿頭(とくとう)」という語を今初めて聞いたとしても、それがハゲアタマのことだと分かれば、私たちは初めて聞いた文の良し悪しの判断ができるのです。これが、私たちの頭の中にある、ことばの仕組みです。私は、このように教わったり覚えたはずのない、頭の中の「文法」を研究しています。
COLUMN
ルールはシンプルで、人類共通。
「生まれつきの文法」が言葉をつくる。
言語学・日本語教育専攻
佐野 まさき(真樹)
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社会問題