教員紹介
海上で他国の船を襲って積み荷を奪う、こう聞くとそれは海賊なのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし16~19世紀のイギリスを含む多くのヨーロッパの国々では、海軍や民間の船が政府の認可を得て戦争中に敵国の船を合法的に略奪することが許されていました。また16世紀のエリザベス女王期の略奪の成功体験を基に、海軍を活用すれば直接的間接的に富が得られるという議論も、当時の英国議会やメディアで盛んに見られました。私の研究では、近世にみられたこのような広義の海軍力行使と利益獲得(の期待)の結びつきがイギリスの政治・外交政策にどのような影響を与えたのか、またそのような略奪を統制する国際ルールは、諸国家や経済的利害集団の間のいかなる関係の中から生まれたのか、ということを探っています。
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アメリカの歴史やポピュラー文化を中心に、ジェンダーの視点から男性の多様性と雑種性についての当事者研究をしています。特に、弱者としての男性について興味があります。従来の歴史が取り上げてきたのは英雄や政治家といった強者の男性たちです。そんな彼らの陰に埋没した弱者の男性たちの歴史的経験を掘り起こすことなくして、男性中心社会の在り方を変えることはできません。強者は力で他者を支配し、その力を奪われることを恐れる単純な存在です。それに対して、弱者は時として死ぬことすらも恐れない屈強な精神と無限の可能性を内に秘めた存在なのです。
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南アフリカの人種主義といえば、アフリカ大陸の南端にありながら20世紀末に至るまで少数の「白人」がアフリカ人を支配し、厳格な隔離体制が維持されていたことで知られています。そんな南アフリカで、アジアから到来した人びとはどのように暮らしてきたのでしょうか。そして彼らの存在は当地の人種的秩序にどのような影響を与えてきたのでしょうか。こうした関心に基づき、人種主義やアフリカ-アジア関係、さらにいわゆる「名誉白人」待遇について社会学的な研究を行ってきました。
グローバル・サウスの文化や社会を探究することは、私たちがこれまで親しんできた世界を新たな角度から捉えなおす営みでもあります。自分のなかの「当たり前」が揺らぐ経験も、この研究の醍醐味です。
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国際コミュニケーション学域
異文化コミュニケーションとテクノロジーをつなげる
- キーワード :
- 動機づけ、異文化間コミュニケーション、SNS
APPLE MATTHEW THOMAS教授
- 所属専攻:
- 国際英語専攻
- 専門分野:
- 第二言語習得、異文化間コミュニケーション
コミュニケーションスキルを向上させるにはどうすればよいですか?通信相手を理解するにはどのような知識が必要ですか?他の人が私に伝えようとしていることを理解できないことがあるのはなぜですか?こんなような質問は、私は学生の時がありましたが、誰もおそらく同様な考えがあるのでしょう。教師として、私は、英語の日本人学生の動機や不安、カナダ社会で相互作用するさまざまな言語グループの文化的および歴史的背景など、異文化コミュニケーションのあらゆる側面についてもっと知りたいと思っています。特に、最近はモントリオールの英語圏とフランス語圏のコミュニティ間の継続的な緊張の複雑な歴史的背景を調査します。
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日本の小学生から大学生までを対象に、第二言語であり外国語である英語がどのように習得されるかというメカニズムを明らかにして、その知見を英語教育に生かすことを目指しています。例えば、学習者は現状でどのような英語力(4技能)や言語知識(語彙や文法などの知識)を持ち合わせているのか、それらにはどのような関連性があり、そして、どのように発達していくのかを調査する研究です。1つの研究プロジェクトで解明できることは、多様な学習者の複雑な習得の仕組みのごくわずかな部分ですが、その知見を踏まえて、学習方法や指導法の違いが習得に与える影響や、学習者の言語能力を評価する最適な方法とは何か、といった問題にも取り組んでいます。
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同じことを言うにもたくさんの形式があります。これを社会言語学では「バリエーション」と呼んでいます。例えば「これはここでしか食べられないものだ」と「これはここでしか食べれないものだ」、皆さんどちらを使いますか?両者は、一般的には「正用」・「誤用」で判断されがちですが、学術的には話者の属性や発話場面といった「社会的」要素を反映する興味深い現象です。こうしたことばのバリエーションを観察し、ことばと社会のダイナミックな関係性を研究しています。また、コーパスを用いてバリエーションを量的に分析し、ことばの変化を予測する研究も行っています。
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世界規模の課題の解決には世界中の連帯が求められます。様々な価値観を柔軟につないでいくバイリンガル教育の視点は、そうしたグローバル化する社会に貢献できると考えています。バイリンガルになること、バイリンガルであることは特殊なことではありません。一般に考えられている以上に日本は多言語社会ですし、多くの人が多様な言語資源を持っています。そうした言語資源を存分に活用して自分の生を豊かにし、社会に貢献していく、それを支えるための教育がバイリンガル教育です。このバイリンガル教育の視点を日本の英語教育にどう取り入れられるのか、実践に近いところで研究をしています。
COLUMN
使い慣れた母語を土台に、外国語を学ぶ。 バイリンガル教育は、言語教育の新たな挑戦。
国際英語専攻
佐野 愛子
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ことばって不思議ですよね。例えば、日本語で「太郎はリンゴを食べた」とは言えますが、同じ意味をもつ文として、「太郎はリンゴが食べた」とは言えませんよね。一方、英語では、Taro ate an appleとなり、日本語の「が」や「を」に相当する格助詞と言われる要素が表面上現れません。私は現在、このような格の文法的役割やそれによってもたらされる意味解釈の差について、先行研究をベースに研究しています。より広い範囲の意味での研究としては、上記のテーマに限らず、私たちが「無意識にもっている知識」の諸側面を対象とし、それに対し理論的な説明を与えるという、理論言語学の考え方に基づくアプローチをしています。
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社会問題