実社会の課題を解決する「知の循環」を生み出す要となりICTやAI技術が生きる未来社会のデザインに貢献する

概要

未来社会のデザイン

ICTやAI(人工知能)技術は、今、次世代の先進技術として開発が進む段階を過ぎ、急速に社会に組み込まれて人やモノの流れを変え、さらには人々の生活や社会を大きく変えようとしています。そうした未曽有の変化を前に、従来の社会システムや制度、社会基盤、環境、サービスなどの構造を抜本的に見直し、再設計することが喫緊の課題となっています。そうした問題意識のもと、情報技術や人工知能技術の先端を追求するだけでなく、これらの技術が組み込まれた社会のあり様を予測し、持続可能な社会デザインを創り上げていくことを目指し、2020年、知能化社会デザイン研究センターを設立しました。

本センターの特長は、新しい技術の開発に留まらず、ICTやAI技術が組み込まれた社会のあるべき姿を描き、機能をデザインし、その実現のための方法を倫理的・社会的側面を含めて多角的に模索するところにあります。そのために「産・官・公」と連携し、実社会の課題を吸い上げるとともに、情報技術や建築・土木工学、経営学、政策科学など多様な分野の研究者が集まり、学際的・分野横断的に研究開発と社会実装に取り組みます。それによって、実効性が高く、持続可能な解決方策を社会に提示できると考えています。

研究においては、国土を形成する「インフラストラクチャー」、人々の日々の営為の場である「都市空間」、都市の基盤的機能である「モビリティ」、そして社会を支える「サービス展開」を主な対象に定め、「知能化インフラマネジメント」「知能化技術と都市」「知能化モビリティ」「知的サービス連携」「知能化社会の規範」の5つのプロジェクトを展開しています。各プロジェクトでは、ICTやAI技術が組み込まれた未来の社会で求められる知能化技術、モビリティ、知的サービス、さらには社会規範や制度、法令を検討します。

人々の日々の営為の場

とりわけ重視するのは、地域社会や産業界などとの対話やデータ収集を通じて具体的な課題を見出し、センターの専門性を生かして解決に導くことです。こうした取り組みに若手研究者が参画することで、実社会で力を発揮できる次代の研究者の育成にもつなげます。

産・官・学・公が抱える課題を持ち寄り、共に解決策を導き出す「知の循環」を生み出す「要」として機能する研究センターに発展させることが目標です。日々の活動を支える新たなサービスと基盤システム、それらを展開する都市空間や社会インフラまでに及ぶ幅広い研究を通じて、ICT・AI時代の新しい社会をデザインすることに貢献します。

事業内容

知能化インフラマネジメント

知能化インフラマネジメント
BKCの3次元点群データの計測

ICT、AI、IoT技術の進展を想定した社会基盤マネジメント技術の開発を行い、インフラの施工・維持・管理の知能化・超高度化を実現する。

知能化モビリティ

知能化モビリティ
滋賀県草津市南草津駅周辺~琵琶湖湖岸域のマルチエージェント交通シミュレーション

人流や物流の知能化・予測、それに対応した交通環境・制度の整備、およびその相互作用を考慮したモビリティ社会を提案する。

知能化技術と都市

知能化技術と都市
【左図】地下街での屋内現在位置測位【右図】次世代消防のための「スマートマスク」

都市の知能化を推進する技術や、それを前提とした都市環境・機能設計の研究開発を行い、CPSとしての新たな都市のあり方を追求する。

知的サービス連携

知的サービス連携
複数のディジタル化された美術館・博物館の情報に対する同作者の関連情報へのリンクの自動生成

社会が求める知的サービスや多種多様なサービスの合成方式等、人の活動を知的に補完するサービス知能化技術を開発する。

研究内容

  • AIを用いたインフラ劣化予測・診断の自動化技術の開発
  • 事業規模に応じた情報化施工・自動化施工技術の社会実装
  • 都市の屋内外におけるセンシングと応用システム開発
  • 安心・安全・にぎわいを創出する都市空間デザイン
  • 人流・物流の大規模マルチエージェントシミュレーション
  • 次世代公共交通システムの検討と設計・検証
  • 自動運転社会における交通制御理論の構築と社会実装
  • 言語サービス連携による多言語対応アプリの基盤開発
  • PSSによる知のモデリングに基づく支援ツールの開発
  • ICT、AI技術に関する規範・倫理・制度と設計プロトコル

お問い合わせ

立命館大学 研究部 BKCリサーチオフィス
知能化社会デザイン研究センター事務局
TEL:077-561-2802
FAX:077-561-2811
MAIL:sussoc@st.ritsumei.ac.jp

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