第40回京都府文化賞授賞式

 衣笠総合研究機構の土岐憲三特別研究フェローが、「第40回京都府文化賞 特別功労賞」を受賞し、2月1日に行われた表彰式に出席しました。
 「京都府文化賞」は、京都府における文化の振興と発展を図るため、京都文化の向上に寄与された方を顕彰するものです。中でも「特別功労賞」は、文化芸術活動において顕著な業績をあげられ、文化の高揚に多大な功労があった方に授与されます。

 土岐先生は、阪神・淡路大震災を機に、京都の文化遺産を地震や火災等の災害から守る取り組みを開始されました。多くの講演で文化財防災の必要性を訴え続けるとともに、国や行政等へも積極的に提言を行ってこられました。また、2010年には、「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」を設立し、これまで無関係であった「文化遺産」と「防災」の両分野を結び、国内外に広め、文化遺産を守り後世に繋ぐことを目指す学問分野「文化遺産防災学」を創出されました。
 本学では、2003年~2012年の間、立命館大学歴史都市防災研究センター(現:歴史都市防災研究所)センター長を務められ、現在は名誉所長です。ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修や、「文化遺産防災学」研究とともに後進の育成にあたられています。これらの功績が称えられ、今回の受賞となりました。

土岐憲三先生のコメント

 この度は栄えある「第40回京都府文化賞 特別功労賞」を受賞でき光栄に感じております。長年、「地震の後に必ず起こる火災から文化財を守る」活動に取り組んでまいりました。このことは、阪神・淡路大震災の被害を目の当たりにし、同じ規模の地震・火災被害が京都で起こった場合の文化財への被害を考えたところから始まります。これまでの「耐震構造」などに代表される、構造物中心の防災から、地震及び火災を含めた複合的な地震発生後の災害を念頭に置いた「文化財防災」へ方向を変えて研究を行ってきました。今後も教育・研究や社会への提言を通して文化遺産の保全に取り組んでいく所存です。
 また、2010年には「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」を仲間とともに創設しました。この組織の理念は“千年前に想いを馳せ、百年後に思いを巡らせる”です。先人から受け取った文化遺産を棄損することなく、かつ、現在の文化を付加して後世に伝えることに傾注しています。

西脇京都府知事(左)と土岐憲三先生(右)
西脇京都府知事(左)と土岐憲三先生(右)

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