「宇宙×人文社会」分野を越境する宇宙ビジネス人材を創造する「宇宙開発・ビジネスを先導する宇宙マネジメントプログラム」を来春開始 ~社会人へのリカレント教育機能を提供~
立命館大学は、文部科学省の令和6年度宇宙航空科学技術推進委託費の『「宇宙×人文社会」分野越境人材創造プログラム』(研究代表者:湊宣明テクノロジー・マネジメント研究科長・教授)に採択されました。将来の宇宙市場拡大と国際化を見据えて、宇宙分野でのビジネス展開に不可欠なマネジメント知識と技能を習得する「宇宙マネジメントプログラム」(以下、「宇宙MP」)を開発・実施します。立命館学園キャンパス(関西・九州・東京)及び理系・文系の教育資源を最大限活用し、宇宙関連企業や海外研究機関等とも連携しつつ、マネジメント能力を持つ宇宙領域の人材を、国際的に活躍できるレベルで育成を目指します。
国主導の宇宙探査・開発から、民間も主要なプレイヤーとなった宇宙開発は、科学的な探査や新技術の知見とともに、活動を担う組織やチームの経営管理、技術開発・管理、人材育成、資金調達、リスク管理などマネジメント能力も必要になります。現在はそのような人材が徹底的に不足しており、また人材育成を担う組織もほとんど存在しません。特に、文理融合の専門性、プロジェクトチームによる業務遂行、国際感覚・英語によるコミュニケーションに課題があると考え、立命館大学は宇宙MPを構想しました。
宇宙MPは、「宇宙マネジメント基礎講座」、「国際プロジェクト管理講座」、「宇宙システム運用講座」の3つの講座で構成され、宇宙に関する理工学の基礎知識、宇宙ビジネス 、宇宙法、プロジェクト管理などから実践的な運用シミュレーションまで、幅広くカバーします。宇宙開発プロジェクト・宇宙ビジネスに従事するために求められる技術的な基礎知識を有し、宇宙領域の研究開発・事業開発・探査ミッション等の進め方を体系的に理解することで、 多国籍・多分野の専門人材と協働してプロジェクトを成功に導くマネジメント能力を持った人材を育成します。企業(有人宇宙システム株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:有賀輝)等)や海外研究機関などと連携し、グローバルな視点で宇宙開発・ビジネスの知識と実践を兼ね備えた講座を提供します。
宇宙MPは、2025年4月より本格的にプログラムを開始し、2年間で延べ200名以上の本学園の学生が受講する予定です。また一般の社会人にもオンデマンド講座を公開し、延べ1,000名の受講を目標に、高等教育機関として、リカレント教育を提供します。将来的には、講座内容を企業向けにアレンジし、研修プログラムを提供することも視野に入れ、宇宙産業の新たな人材供給源としての役割を果たして参ります。
湊宣明教授のコメント
日本の宇宙開発は、卓越した技術力を有しながらも、これまで世界市場での競争に勝てない状況が続いてきました。その要因の一つとして、宇宙技術の特性を深く理解し、国際ビジネスの舞台で欧米企業と互角に渡り合えるプロフェッショナル人材の不足が挙げられます。立命館学園の総合力を結集し、宇宙分野における人材育成に全力で取り組んでいきたいと考えています。