教員紹介

東アジア研究学域

現代韓国の文化を「宗教」の側面から分析
キーワード :
植民地朝鮮の新宗教、現代韓国宗教事情

佐々 充昭教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
宗教学、朝鮮近現代史
韓国・朝鮮の宗教について研究しています。朝鮮時代末期から日本の植民地時代にかけて、東学(天道教)・甑山教・檀君教(大倧教)・円仏教など数多くの新宗教が登場しました。これら朝鮮自生の新宗教とナショナリズムの関係について分析するのが研究テーマです。最近は関心の幅を広げて、韓国における最新の宗教事情についても研究しています。制度化されない個人主義的な「スピリチュアリティ」の観点から、現代韓国におけるキリスト教の超教派的な聖霊運動(ペンテコステ・カリスマ運動)や、大衆消費文化として現れている新種のセラピー団体(丹田呼吸による身心修練団体など)について研究しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

ユダヤ教・キリスト教・イスラム教という一神教の対立が国際社会で大きな問題となっているように、宗教は今や異文化理解において欠かせない重要な要素です。日本では今、韓国ドラマやK―POPのコンテンツが巷に溢れていますが、韓国の人々が普段どんな宗教を信じているか知ることも、隣国を内在的に理解する重要な手段となります。

COLUMN

日常に深く根をおろす信仰心。 宗教が分かると、アジアが見える。

現代東アジア言語・文化専攻

佐々 充昭

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東アジア研究学域

中国演劇から見る伝統と近代、台湾文学とLGBT
キーワード :
伝統劇(戯曲)の近代化、同志(LGBT)文学

三須 祐介教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
近現代中国演劇、台湾文学
20世紀の中国において庶民に寄り添った文化のひとつに伝統劇があります。「伝統」というと古めかしいイメージですが、実は当時最新のメディアである映画や近代劇の影響も受けたポップカルチャーとしての側面も強いのです。このような伝統劇から近代とは何かについて考えています。また性的少数者を描いた戦後台湾文学も研究しています。日本の植民地であった台湾ですが、戦後も厳しい政治的抑圧のなかに置かれていました。社会の周縁におかれた性的少数者が文学のなかでどのように表現されてきたのかを考えています。大きな歴史からこぼれ落ちる庶民の文化や周縁の人々に注目することで広がる世界の景色は、想像以上に美しく豊かなのです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

近いようで遠い中国や台湾のことを学ぶことは、その歴史に放り込まれた日本を知ることにもなります。百聞は一見に如かず!大学での学びはキャンパス内にとどまりません。ぜひ現地へも足を運び、自分の目や耳で確かめてみてください。新たな発見が待っているはずです。

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東アジア研究学域

中国南方に住む人々の行動様式に関する歴史学的考察
キーワード :
中国農村社会、血縁と地縁、伝統と近代、広東・香港

宮内 肇教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
中国近現代史、中国社会史
近代以降の中国は、革命・戦争・社会主義を経験してきましたが、その時々の指導者は、いかに「国民」を創生し、国家を建設するかを考えてきました。そして、それは確かに中国社会を大きく変化させてきました。しかし、基層社会に生きる農民などの「ふつうの人々」の生活規範や行動様式はそう簡単に変わるものなのだろうか、そんな疑問を明らかにすることが私の関心です。具体的には中国南方の華南地域を考察対象に、当時の新聞や雑誌・民間文書などを利用し、近現代の中国を生きた「ふつうの人々」が、政府の政策をどのように受け入れ、あるいは反発したのかについて考えています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

アジアの言語や文化あるいは歴史について、大学で学べることは少なくありません。しかし、日本を飛び出せば、それは無限に広がります。全身でアジアを体感してほしいと思います。

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国際文化学域

ヴィクトリア朝から現代社会の抱える問題を考える。
キーワード :
チャールズ・ディケンズ、イングリッシュネス、サヴォイ・オペラ

金山 亮太教授

所属専攻:
英米文学専攻
専門分野:
19世紀イギリス小説、軽歌劇を含む大衆演劇
英国史上、女王の治世の時期(エリザベス朝、ヴィクトリア朝、現代)には国が栄えると言われますが、輝きの裏には必ず影が存在します。科学技術の暴走や民族間の対立、帝国主義の負の遺産など、現代に生きる私たちが直面している諸問題の多くはヴィクトリア朝にその端緒があります。これらを時間と空間を超えた普遍的な課題として捉えるのが、私の目下の課題です。ディケンズなどの文豪への興味から始まった私の研究歴ですが、最近は19世紀末にイギリスで一世を風靡した「サヴォイ・オペラ」という、大衆向け軽歌劇の中に現れる民族意識の変遷を切り口に研究を進めています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

シャーロック・ホームズや切り裂きジャックなどでお馴染みのヴィクトリア朝英国を舞台にした文学作品を研究しています。数々の作家を輩出したことから「小説の世紀」と言われる時代ですが、そのような「表の顔」だけでなく、当時の人々の価値観や欲望がよりむき出しの形で表れている大衆娯楽やメロドラマなどの「裏の顔」にも関心があります。

COLUMN

小説は表の顔、娯楽作品は裏の顔。 読み解く中で見えてくるイギリスの素顔。

英米文学専攻

金山 亮太

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杉村 篤志准教授

所属専攻:
英米文学専攻
専門分野:
アメリカ文学・文化
19世紀を中心とするアメリカ小説と大衆文化を研究しています。研究テーマについては、自伝的虚構、テクスト生成過程、ユーモア、先住民表象、おてんば・バッドボーイ表象、共感的同一化、可傷性などの問題系や、ポピュラー音楽史、文学テクストの映画翻案、日本における米文学・文化受容史などに関心をもっています。主要な研究対象は、エドガー・アラン・ポー、マーク・トウェイン、ルイザ・メイ・オルコット、セアラ・オーン・ジュエット、ジャック・ケルアック、フラナリー・オコナーなどの作品です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

英米文学専攻では、イギリス、アメリカ、アイルランド、カナダ、その他の英語圏の文学作品・文化について多様な角度から幅広く学べます。英語を通してはるかな時間と距離を超え、さまざまな小説家・詩人・劇作家・ミュージシャンたちの個性的な声や、登場人物たちの色とりどりの人生や複雑な内面生活、異なった文化背景やさまざまな歴史事象などに親しむことができます。ことばへの繊細な感受性、異文化への関心、そして自由な想像力が尊重される、新しい気づきと発見のよろこびに満ちた専攻です。キャンパスでみなさんとお目にかかる日を楽しみにしています。

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国際文化学域

ロマンスのルーツをたどる
キーワード :
シェイクスピア、エリザベス朝、ロマンス

竹村 はるみ教授

所属専攻:
英米文学専攻
専門分野:
イギリス文学、近代初期イギリス文化史
ロマンスと聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。現代ではどこか陳腐な印象を与える言葉ですが、恋と冒険を基本要素とするロマンスのルーツは西洋文学の一大ジャンルを成した騎士道ロマンスにあり、その大衆化路線の萌芽はルネサンス期のイギリスに見出すことができます。カリスマ的な人気を誇った女王エリザベス一世が君臨したこの時期は、印刷出版と商業劇場という二つの新手メディアを得ることで、文学が大きな変革を遂げた時代です。シェイクスピアをはじめとする優れた作家が多数輩出し、近代型のロマンスが誕生しました。宮廷文化と大衆文化の創造的な関係を軸に量産された恋愛文学の全容を明らかにするのが、私の研究の狙いです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

映画など様々なアダプテーション作品を生み出してきた英米文学は、汲めども尽きぬ魅力の宝庫です。英語を学ぶことから、英語で学ぶことに発想を転換する時に、文学は可能性と刺激に満ちています。とはいえ、文学作品を楽しむには、それなりの方法があります。どこが面白いのか、どう読めば面白いのか―それを考えるのが文学批評です。

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国際文化学域

英米小説における女性たちの表象
キーワード :
アメリカ文学、ジェンダー、新しい女性

中川 優子教授

所属専攻:
英米文学専攻
専門分野:
英米文学、ジェンダー
南北戦争後のアメリカは大きな転換期をむかえ、健康で裕福で活発なアメリカ女性が、新しい国アメリカを象徴するものとして雑誌や広告、文学に描かれるようになりました。一見明るい未来を象徴しているようにみえますが、実際そう単純ではありません。またこの頃社会進出を試みる「新しい女性」がイギリス小説にも登場しました。私はこのような女性の表象を英米小説、とくにこの女性たちに共感しながらも、複雑な思いをもって描いたヘンリー・ジェイムズやその周辺の作品にみいだし、研究しています。作品を精読する以外にたくさんの資料も読まないといけませんが、意外な作品間のつながりがみえたりするのが面白いです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

英米小説をぜひ原書(英語)で読んでみてください。最初はむずかしいかもしれませんが、一度翻訳で読んだ作品から読み始めれば、物語を理解しやすいでしょう。物語の世界に引き込まれていけば、英語を読むことに慣れていき、英語の読解力も向上します。それはまた英語で話す力の向上、そしてより広い世界の経験へとつながっていきます。

COLUMN

小説を深く読み込むことで得られる「文学の力」

英米文学専攻

中川 優子

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国際文化学域

アイルランドを通して出会う、ひとの言葉と想像力
キーワード :
アイルランド文学(おもに詩と小説)、文学と場所

中村 仁美准教授

所属専攻:
英米文学専攻
専門分野:
アイルランド文学
わたしはいま、20世紀以降のアイルランドの英語文学を中心に研究しています。アイルランドは神話、民話、伝統音楽、名だたる文士たちによる文化的貢献も広く知られる、緑豊かな西の国です。一方、言語接触(アイルランド語と英語)、歴史上の移民の多さ、北アイルランド問題、欧州連合(EU)内での立ち位置など、文明間の境界や文化の越境性について多くの視座を提示する国でもあるように思います。ユネスコ文学都市にも選ばれた首都ダブリンを有する、この国の文学の息吹に耳を澄ませながら、詩や小説を丁寧に読み、その躍動を伝えていけたらと思っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

自分が心惹かれるもの、そして世界への関心と問題意識を大切に、広い心で大きく学んでもらえたらと思います。絶えず変化する世界も、変わりゆく自分さえも恐れずに、ぜひ大学であなたらしい日々を過ごしてください。

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