スポーツ健康科学研究センターと東京大学スポーツ先端科学研究拠点で合同シンポジウムを開催

 8月6日(木)、本学スポーツ健康科学研究センター、東京大学スポーツ先端科学研究拠点の共催による合同シンポジウム「Withコロナ/Postコロナ時代における健康基盤としてのスポーツ/フィットネスの在り方 ~スポーツに関わる科学が健康を支える基盤的研究として、その価値を如何に顕在化していくか~」をオンラインにて開催しました。
 健康の基盤としてのスポーツやフィットネスについて、コロナ禍での社会におけるあり方や価値を改めて見直しこれからの研究を考えることを目的とした本イベントに、500名を超える申し込みがありました。

 開催に向けて各大学の総長からメッセージが送られており、仲谷善雄・学校法人立命館総長(兼立命館大学長)からは「スポーツ科学の価値を両大学の共創により生み出し、ご参加いただいている企業の皆様・各分野の研究機関の皆様との研究開発・製品開発等を通じて、withコロナ/postコロナ時代の社会への実装が推進されることを祈念します」、五神 真・東京大学総長からは、「今回の立命館大学とのシンポジウムを通してスポーツをテーマとする多くの知が共有され、また活発な議論が巻き起こり、それによって新たな社会を共につくる「未来社会協創」へとつながっていくことを期待したい」といただき、開催あいさつで読み上げられました。

 前半は講演が行われ、吉田 正昭・一般社団法人日本フィットネス産業協会会長に基調講演を、稲見昌彦・東京大学 先端科学技術研究センター教授と家光素行・スポーツ健康科学部教授にご講演をいただきました。吉田会長からは、コロナ禍によりスポーツフィットネス産業は大変厳しい状況にあり、この状況を大学の研究による新しい技術で乗り越えられればと大学の先生方にとても期待している、とお話しいただきました。

 後半はパネルディスカッションが2部構成で行われました。第1部は吉田会長、稲見教授、家光教授に田畑 泉・スポーツ健康科学部教授が加わり、モデレーターを中澤公孝・東京大学大学院 総合文化研究科教授が務め、「withコロナ時代において、スポーツに関連する科学が本当に貢献するには」をテーマに議論がなされました。第2部はメンバーを入れ替え、鳴海拓志・東京大学大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻准教授、塩澤成弘・スポーツ健康科学部教授、佐々木一茂・東京大学大学院総合文化研究科 身体運動科学研究室准教授、水口暢章・総合科学技術研究機構助教、モデレーターは伊坂忠夫・学校法人立命館副総長(兼立命館大学副学長、スポーツ健康科学部教授)が務められ「postコロナ時代におけるスポーツ科学の存在意義」をテーマに議論がなされました。パネルディスカッション中には多数の方から質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。

Outline

開催日
2020年8月6日(木) 16:00~18:50
参加費
無料
配信
Zoom

Program


※アイコンをクリックして各パートをご覧いただけます。
16:00-16:05
総長挨拶 YouTube
仲谷 善雄(学校法人立命館 総長/立命館大学 学長)
五神 真氏(東京大学 総長)
16:05-16:15
開会挨拶 YouTube
中澤 公孝(東京大学大学院 総合文化研究科 教授)
田畑 泉(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授)
16:15-16:45
基調講演「国民の健康を支えるサービスとしてのフィットネス産業の価値」 YouTube
吉田 正昭 様(一般社団法人 日本フィットネス産業協会 会長)
16:45-17:00
講演1「Society5.0における身体性とスポーツ創造~スポーツの持つ本質的な価値を如何に高めるか~」 YouTube
稲見 昌彦(東京大学先端科学技術研究センター 教授)
17:00-17:15
講演2「新しい生活様式と健康づくり ~科学的根拠に基づく運動の提供~」 YouTube
家光 素行(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授)
17:15-18:00
パネルディスカッション1「withコロナ時代において、スポーツに関連する科学が本当に貢献するには」 YouTube
吉田 正昭 様(一般社団法人 日本フィットネス産業協会 会長)
稲見 昌彦(東京大学先端科学技術研究センター 教授)
家光 素行(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授)
田畑 泉(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授)
モデレーター:中澤 公孝(東京大学大学院 総合文化研究科 教授)
18:00-18:45
パネルディスカッション2「postコロナ時代におけるスポーツ科学の存在意義」 YouTube
鳴海 拓志(東京大学大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 准教授)
塩澤 成弘(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授)
佐々木 一茂(東京大学大学院 総合文化研究科 身体運動科学研究室 准教授)
水口 暢章(立命館大学総合科学技術研究機構 助教)
モデレーター:伊坂 忠夫(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授)
18:45-18:50
閉会挨拶 YouTube
伊坂 忠夫(学校法人立命館 副総長、立命館大学 副学長)

Speaker

講演・パネルディスカッション1
吉田 正昭
一般社団法人 日本フィットネス産業協会 会長
吉田 正昭

京都産業大学 経済学部卒業後、株式会社ピープル(現コナミスポーツクラブ)入社。同社人事部長、首都圏事業部長、執行役員専務事業開発本部長などを経て、2004年 株式会社ルネサンスに入社。執行役員営業副本部長兼事業開発部、取締役常務執行役員営業本部長を経て、2011年4月より当社代表取締役社長執行役員に就任。2016年6月 一般社団法人 日本フィットネス産業協会 会長に就任。2020年6月より株式会社ルネサンス顧問に就任。

稲見 昌彦
東京大学先端科学技術研究センター 教授、東京大学 総長補佐
稲見 昌彦

電気通信大学、慶應義塾大学等を経て現職。自在化技術、Augmented Human、エンタテインメント工学に興味を持つ。
米TIME誌Coolest Invention of the Year、文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞。超人スポーツ協会共同代表。
VRコンソーシアム理事。著書に『スーパーヒューマン誕生!人間はSFを超える』(NHK出版新書)。

家光 素行
立命館大学 スポーツ健康科学部 教授、立命館大学スポーツ健康科学研究センター センター研究員
家光 素行

筑波大学大学院医学研究科博士課程修了「博士(医学)」。日本学術振興会特別研究員、筑波大学大学院 人間総合科学研究科助手、立命館大学スポーツ健康科学部准教授を経て、現職。医薬基盤・健康・栄養研究所の客員研究も務める。専門は運動生理・生化学。高齢者における生活習慣病(特に循環器疾患・糖尿病)やサルコペニアの予防・改善のための運動や栄養(サプリメント)に関する基礎から応用的な研究を行っている。

田畑 泉
立命館大学 スポーツ健康科学部 教授、立命館大学スポーツ健康科学研究センター センター長
田畑 泉

東京大学教育学研究科博士課程中途退学、博士(教育学)、国立健康・栄養研究所健康増進部長、鹿屋体育大学体育学部教授。主な研究テーマ「高強度運動トレーニングの代謝特性とそのスポーツ競技力向上および健康増進に対する効果」。

中澤 公孝
東京大学スポーツ先端科学研究拠点 拠点長、東京大学大学院 総合文化研究科 教授
中澤 公孝

国立障害者リハビリテーションセンター研究所で脊髄損傷者の歩行再建を目指すニューロリハビリテーション研究に長く従事した後、東京大学に異動。現在は、ニューロリハビリテーション、神経科学的視点からパラリンピアンの脳やスポーツスキルの神経制御メカニズムを研究している。

パネルディスカッション2
鳴海 拓志
東京大学大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 准教授、JSTさきがけ研究者
鳴海 拓志

バーチャルリアリティ技術と認知科学・心理学の知見を融合し、多様な五感を提示するクロスモーダルインタフェース技術、人間の行動や認知、能力を変化させるゴーストエンジニアリング技術等の研究に取り組む。
日本バーチャルリアリティ学会論文賞、文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞など、受賞多数。

塩澤 成弘
立命館大学 スポーツ健康科学部 教授、立命館大学スポーツ健康科学研究センター センター研究員
塩澤 成弘

2005年立命館大学大学院理工学研究科博士課程後期課程修了、博士(工学)。2005年立命館大学総合理工学研究機構専門研究員。2007年藍野大学医療保健学部特任講師。2009年立命館大学経営学部准教授。2010年立命館大学スポーツ健康科学部准教授。2018年より現職。専門分野:生体医工学、人間工学、特に生体計測。所属学会:日本生体医工学会、計測自動制御学会、体育学会など。

佐々木 一茂
東京大学大学院 総合文化研究科 身体運動科学研究室 准教授、東京大学スポーツ先端科学研究拠点 事務局長
佐々木 一茂

1975年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。筑波大学大学院体育研究科、東京大学大学院総合文化研究科修了。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科助教、日本女子大学家政学部講師・准教授を経て2019年より現職。専門は運動生理学。特にヒト骨格筋特性の非侵襲的評価とその健康・スポーツ科学分野への応用について研究している。

水口 暢章
立命館大学総合科学技術研究機構 助教、立命館大学スポーツ健康科学研究センター センター研究員
水口 暢章

2012年早稲田大学大学院スポーツ科学研究科博士課程修了。情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター研究員、早稲田大学スポーツ科学学術院助手、日本学術振興会特別研究員PD(慶應義塾大学理工学部)、Max Planck Institute for Human Cognitive and Brain Sciences (ドイツ) Guest Researcher、国立長寿医療研究センター流動研究員を経て現職。機能的磁気共鳴画像法など非侵襲的神経科学的手法を用いて、ヒトの運動制御や運動学習の研究に従事。

伊坂 忠夫
学校法人立命館 副総長、立命館大学 副学長、立命館大学 スポーツ健康科学部 教授、立命館大学スポーツ健康科学研究センター 副センター長
伊坂 忠夫

2010年スポーツ健康科学部開設の中心メンバー。「文部科学省 革新的イノベーション創出プログラム」において、運動を「生活カルチャー化」させ、新しいスポーツ健康技術(スマートウェア技術、空間シェアリング技術、運動誘導/継続技術)による、健康・幸福寿命の延伸、寝たきりゼロを目指す「Active for All」(活力ある社会の実現)に取り組んでいる。
また、「一般社団法人 大学スポーツコンソーシアムKANSAI」の設置に関わり、2018年4月 同代表理事に就任。関西地域の大学と連帯して大学スポーツにおける「する」「みる」「ささえる」の好循環を生みだし、新しい大学スポーツの価値創造にも取り組んでいる。

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