SERIESリベラルアーツ第4弾「その相談、あの本なら、こう言うね。F/哲学の劇場」を開催

2021.03.16 TOPICS

SERIESリベラルアーツ第4弾「その相談、あの本なら、こう言うね。F/哲学の劇場」を開催

 3月7日(日)、オンライン企画「SERIESリベラルアーツ:自由に生きるための知性とはなにか」の第4弾となる「その相談、あの本なら、こう言うね。F/哲学の劇場」を開催しました。テーマにちなんで、文学部棟(衣笠キャンパス清心館)の教室からライブ配信を行いました。

 今回のゲストには、人文系総合情報チャンネル「哲学の劇場」を主宰する、山本貴光先端総合学術研究科講師(ゲーム作家、文筆家)と吉川浩満氏(編集者・文筆家)、そして近現代日本文学専門の瀧本和成文学部教授という3人の読書の達人たちを迎え、卒業記念企画として、事前に届いた学生からの相談に、書籍の紹介を通じて応答するという形式で開催しました。

瀧本教授
瀧本教授
山本講師 
山本講師 
吉川氏
吉川氏

 多くの相談から、人間にとって普遍的なもの、特に、多くの学生や若者にとっての共通の悩みと考えられるものを、事前にゲストが選び、ゲストそれぞれが選書した書籍を通して、相談に回答しました。

  • 就職について
  • 呪いをかけられる女性、弱さを見せられない男性、ジェンダーによる悩みについて
  • いい恋愛をするためには?
  • みんなが集まる場を安心安全にするためには?

 例えば、「自分は自己肯定感が低いが、どうしたらよいか?」という相談に対し、回答として選出された書籍は、武者小路実篤の『人生論』に『マンガでわかる!幼稚園児でもできた!!タスク管理超入門』、そして、短編集『ほとんど記憶のない女』まで実に多様。
 読書の達人たちから共通に示されたのは、「書籍との付き合い方・向き合い方」。膨大な量の情報が、絶え間なくスピード感をもって、流れる現代において、自分で選び取れる書籍をゆっくり読んだり、自分に重ねて読んだり、じっくりと味わう楽しさでした。
最後には、ゲストからこの春に卒業される皆さんへ、コメントを送り、本企画を終了しました。

 参加者からは、時間の延長の声や、本企画第二弾の開催について要望を受けるほど好評を博しました。また終了後に届いた感想からは、今回の企画が書籍にじっくりと向き合う楽しさを知るきっかけになったようでした。
 教養教育センターでは、これからも学生たちのリアルな声に耳を傾けつつ、その期待に応えられるよう、オンライン企画「SERIESリベラルアーツ」を開催していきます。

【参加者の感想】

  • 3人の談話形式ということで、退屈することなくあっという間に時間が過ぎていきました。ご自身の思想を形作ってきた本で相談に答えるという形式で、これからの読書につながる有意義な時間でした。 (文学部学生)
  • 「寄せられた相談に回答する」「本を紹介することを通して回答する」というコンセプトが秀逸であり、かつ瀧本先生・山本先生・吉川先生というキャスティングがコンセプトに最適であると思いました。期待をはるかに上回る内容で、大きな知的刺激に富むものでした。(大学生)
  • 質問にうまく寄りそってくれたのがまずはうれしいです。そして、その上で、自分の意見を押しつけるのではなく、参考になる本を紹介するというスタイルはとても好ましいものに思えました。
  • さすが先生方は物知りで沢山の教養を持っていらっしゃって、私もそんな風になりたいと思いました。様々な本や漫画を紹介していただき、気になるものが沢山あったので読んでみたいと思います。 (総合心理学部学生)
  • 大学生として過ごす時間の中で本を読むことが本当に増えました。様々な本を読んできましたが、今日先生方がお話ししていた本はどれも読んだことがなく興味がわきました。春休み中に読んでみたいと思いました。恋愛に関する質問が出ていて、私も投稿したら良かったー!と思いました。(本学学生)
  • 高校生のころ武者小路実篤の本を何冊も読んで、線を引いて見直していたことを思い出しました。こうした企画により、私たちが読書に基づく率直な対話に回帰できるのではないかと感じます。(本学教員)
  • とても楽しく拝聴しました。山本先生、吉川先生、瀧本先生から発せられる言葉には人間としての温かさがあり、とても勇気づけられました。先生方のように、人生経験、読書経験を重ねたいと思いました。 (総合学術研究科院生)
  • 瀧本先生の啄木の朗読で笑って、鴎外の朗読で泣きました。毎日毎日直面する、怒りややるせなさや絶望に対し、数式を解くように答えは出ないけれど、こうして沢山の考え方や感じ方、道を見つけて行くことができる。やっぱり本は良いなと改めて思いました。
  • 本物に触れる、流されずじっくり取り組むなど共感することが多く、また、男女の視点からのジェンダーや恋愛に関する書籍を紹介いただき、楽しい時間となりました。 (本学教員)

 この動画は、後日YouTube「Ritsumeikan Channel」にアップします。公開日などは、教養教育センターTwitterやHPでご案内いたします。Twitterアカウントお持ちの方はぜひ教養教育センターTwitterをフォローしてください。


◆登壇者関連情報
哲学の劇場 YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=4qQnymH3Cq4
山本 貴光 講師 プロフィール
吉川 浩満氏  プロフィール
瀧本 和成 教授 文学部教員コラム 研究者データベース

◆教養教育センターTwitterアカウント
https://twitter.com/ritsumeikan_lac

◆立命館創始150年・学園創立120周年記念シンポジウム
「自由に生きるための知性とはなにか?」記念冊子が完成!!詳細はこちらからご覧ください。 https://www.ritsumei.ac.jp/liberalarts/news/article.html/?id=22

◆これまでのSERIESリベラルアーツ(録画公開中)
[Session 01] 差別ってなんだろう?~#BlackLivesMatter を通して考える~(2020.7.21開催)
https://www.youtube.com/watch?v=TUnY1wjcFsY&feature=youtu.be
[Session 02] なぜ人はあいまいさを嫌うのか〜コントロールしたい欲望を解き放つ〜(2020.10.18開催)
https://www.youtube.com/watch?v=t2KA8IjVT9U&feature=youtu.be
[Session 03] わたしの“モヤモヤ”⼤解剖―わがまま論・つながり論を切り⼝に―(2021.1.28 開催)
https://www.youtube.com/watch?v=GTaAW7pHRII

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