生命科学部の英語授業に「ChatGPT」と機械翻訳を組み合わせた学習ツールを試験導入

2023.04.27 TOPICS

生命科学部の英語授業に「ChatGPT」と機械翻訳を組み合わせた学習ツールを試験導入

 2023年4月25日、びわこ・くさつキャンパス(BKC)で、OpenAI社の人工知能チャットボット「ChatGPT」と機械翻訳を組み合わせた英語学習ツール「Transable※」を試験導入した授業を実施しました。
 Transableは、機械翻訳で直訳された文章をもとに、ChatGPTが別の適切な文章とその解説を提示してくれる仕組み。AI技術を活用した新しい英語教育サービスとなっています。

 この授業は、実践的な英語を身に付け、グローバルに研究成果を発信できる人材を育成する「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」の一環です。AI技術を取り入れることで、教育効果の向上を図り、最新の英語教育のモデルケースとなることを目指しています。

    ※Transableは、立命館大学グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)第4期拠点形成型 R-GIRO研究プログラム「記号創発システム科学創成:実世界人工知能と次世代共生社会の学術融合研究拠点」のリサーチアシスタントである杉山滉平さん(立命館大学大学院理工学研究科博士課程)がスタディメーター株式会社の支援を受けて開発したものです。AI 技術の教育活用においてはプロジェクトリーダーであるAI 研究者谷口忠大教授(情報理工学部)がアドバイザーを務めています。

 この日の授業は、AI技術の教育活用の研究者である山中司教授(生命科学部)が担当し、生命科学部2回生の21人が受講しました。各々にお題として与えられた直訳が困難な日本語の文を、それぞれ自力英訳、機械翻訳、Transableによる英訳の3種類で回答。その後、ほかの学生に、三つの英文のどれがどの訳し方で作成されたかを予想し、アンケートで答えてもらうという形式で進められました。
 授業の後半では、学生がアンケートの結果と、今回の取り組みに対する感想を発表しました。

 受講した小山華林さん(生命科学部2回生)は「ChatGPTは自分では想像できない英訳を提案してくれたので、自力での英訳が拙く感じました。使いこなすには自分の英語力を高めなければ」と話していました。また、岩﨑陽さん(同2回生)は「ChatGPTが訳した文章は、日本語の細かいニュアンスまでしっかり伝わると感じました」と述べました。

 授業を終えた山中教授も「このような形式の授業は初めてだったけれど、面白かった。学生たちの気付きや洞察も鋭く、頼もしいと感じます」と話しました。山中教授はこれからも「AIと共存する外国語教育とは何か」を探求していきたいとし、「ChatGPTにはリスクもあるが、良しあしだけで見るのではなく、実際に使って体得することで、うまく使いこなせる学生を育てたい」と語りました。

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