展示を熱心に見るアメリカン大学学生

 原爆投下から71年目、オバマ大統領がアメリカの現職大統領として初めて広島を訪問した今年、22回目の国際平和交流セミナー〈広島・長崎プログラム〉を8月1日から8月10日にかけて実施しています。

 このセミナーは原爆投下から50年を迎えた1995年からスタート。22年目の今年は立命館大学及び立命館アジア太平洋大学から25名、アメリカン大学から17名の学生が参加し、京都、長崎、広島の3都市を巡ります。異なる歴史的背景を持つ学生がそれぞれ相手の立場から学び合うことが本プログラムの目的です。対話を重視し、参加者同士、被爆者、過去との対話などを通じて、「戦争で平和が創れるのか」、「核の時代の戦争は何をもたらすのか」について考察を深めます。

 広島・長崎訪問に先立って、京都でのプログラムでは、立命館大学国際平和ミュージアムの見学や、アメリカ史に関するドキュメンタリー映画の鑑賞、ピーター・カズニック・アメリカン大学教授や君島東彦・国際関係学部長の講義、被爆者である近藤紘子さんによる講演などが行われました。
 長年被爆者としての体験を次の世代に語り継ぐ活動をされている近藤さんの「人を憎むべきではなく、戦争を起こす人間の心の中の『悪』を憎むべきである」という言葉には国籍を問わず、多くの学生が感銘を受け、共感していました。

近藤紘子さん
近藤紘子さん
近藤さんの話に熱心に聞き入る学生たち
近藤さんの話に熱心に聞き入る学生たち

 8月4日に広島に移動し、学生たちは原爆ドームや爆心地となった島病院(現在は島外科)を訪れたのち、平和記念資料館を見学しました。その後のセミナーでは、5月の原爆の子の像で有名な故・佐々木禎子さんの兄である佐々木雅弘氏の証言や平岡敬前広島市長による講演に聞き入っていました。8月5日には、沢田昭二・名古屋大学名誉教授による講演「オバマ大統領の広島訪問と核兵器・原発廃絶の展望」が行われ、オバマ大統領の広島訪問について考える貴重な機会となりました。明日8月6日には、学生たちは宗派を超えた原爆供養塔慰霊式典や、広島市主催の平和記念式典に参加予定で、平和を守ること、核兵器廃絶について考えます。

 8月7日からの長崎プログラムでは、被爆者の体験談を聞き、近年各国が直面している課題であるグローバル・テロについても考える講義が行われ、8月9日には長崎市主催の慰霊平和祈念式典に参加する予定です。

原爆ドームの説明を受ける
原爆ドームの説明を受ける
佐々木さんの講演に聞き入る学生たち
佐々木さんの講演に聞き入る学生たち

2015 国際平和交流セミナー

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