2024年6月22日(土)、「京料理 はり清」にて立命館中学校・高等学校 卒業生父母の会主催による講演会として、立命館土曜講座ナレッジ・デリバリーが開催されました。

本講演会では、立命館大学文学部 川崎佐知子教授による「『源氏物語』の「雲隠」について」と題した講演が行われました。

源氏物語は古くから人気があり、鎌倉時代から数多くの注釈書も記されてきました。中でも、江戸時代初めに成立した『岷江入楚』とは、多くの注釈を集成したもので、源氏物語の注釈書の決定版として有名なものです。川崎先生に『岷江入楚』をご紹介頂きながら、『源氏物語』を読むと同時に、「どのような形で受け継がれてきたのか」について語られました。
「『源氏物語』の「雲隠」とは、全五十四帖の中に含まれる一巻ですが、巻の題のみで本文は存在しない、というミステリアスな巻です。光源氏の一代記ながら、『源氏物語』には、光源氏の最期が記されていません。『岷江入楚』にある注釈を読み解きつつ、「雲隠」という巻名だけで、作者の紫式部は、主人公の死を暗示したのだとされている。」とお話しされました。

36名の参加者は、『源氏物語』に親しみ、想像を巡らせ、室町時代から江戸時代にかけて盛んだった「源氏学」という学問の世界を学びました。

講座を終えた参加者からは、
「源氏物語を知らない人はいないと思いますが、雲隠の詳細について知っている人は少ないと思います。大河ドラマのタイミングもあり、大変興味深く聞かせて頂きました。」
「たいへんわかりやすく、また源氏物語の話が臨場感と伴に感じられる御講演でした。」など、多くの反響が寄せられました。

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