衣笠総合研究機構 特別招聘研究教員の垂 秀夫教授(前駐中華人民共和国 日本国特命全権大使)が第86回文藝春秋読者賞/尾崎行雄記念財団が実施する咢堂ブックオブザイヤー2024 外交部門大賞を受賞
立命館大学衣笠総合研究機構 特別招聘研究教員の垂 秀夫教授(前駐中華人民共和国 日本国特命全権大使)が、文藝春秋における短期集中連載「駐中国大使、かく戦えり」が評価され、第86回文藝春秋読者賞を受賞しました。また、垂教授の書籍『「言の葉」にのせたメッセージ(日本僑報社)』が咢堂ブックオブザイヤー2024 外交部門大賞を受賞しました。
垂教授は、2023年度末に外務省を退官し、2024年度より本学に着任しました。およそ40年にわたる外交官生活の中で、特に中華圏での勤務経験が豊富であり、その経験をもとに各種講演活動や著書・論文活動を行っています。特に、歴史的観点からの日中関係の考察や、日中関係への警鐘を鳴らすなど、“中国問題”に特化した研究活動に力を入れております。
第86回文藝春秋読者賞
垂教授の最新の回顧録は、対中国外交の内幕を明かした内容であり、読者および審査員から高い評価を受けました。この回顧録は、長年の経験と洞察に基づいており、日中関係の複雑さや課題を深く掘り下げています。その結果、今回の受賞につながりました。垂教授の研究は、現代の国際関係における重要な視点にたち、特に日本と中国の関係において、歴史的背景や現状の分析を通じて、将来の方向性を示唆するものとなっています。授賞式は2月27日(木)に文藝春秋本社で執り行われる予定です。
咢堂ブックオブザイヤー2024 外交部門大賞
尾崎行雄記念財団が実施する憲政および国政・地方自治や選挙などに関するすぐれた書籍を顕彰する「ブックオブザイヤー」の外交部門において、中国への理解のみならず、日本の主張を明らかにした著書が選者の評価を得ました。
衣笠総合研究機構 特別招聘研究教員の垂 秀夫教授のコメント
若い頃から司馬遼太郎氏の歴史小説を通じて、激動の時代を精一杯生きる、戦国武将や幕末の志士に憧れ、自らも歴史に関わりたいと強く思っておりました。 大学卒業後、中学生の頃からの夢だった外交官になりました。現実の世界はそう甘くはありませんでしたが、それでも、一回きりの人生、どっぷり中国問題に関わることにこだわりました。責任ある立場に就くにつれ、たくさんのドラマと挑戦が待っていました。中国との交渉事は時に困難もありましたが、やりがいもありました。さらに、歴史的視点で日中関係を考察し、中国に関する歴史のひとコマを切り開いていると実感できるようにもなりました。個人としての理想の生き方にこだわりつつ、外交のリアリズムを綴った回顧録や著書が評価され、心より嬉しく思っております。