スポーツの授業のサポートから指導力、実践力を培う ACP(アドバンスト・コーチング実習プログラム)
立命館大学には、正課(授業での学習)・課外(授業以外での活動)に関わらず学生同士が学び合う「ピア・ラーニング」「ピア・サポート」という伝統的な取り組みがあります。上回生と低回生、大学院生と学部生という先輩・後輩の関係で学びあうのものから、日本人学生が留学生をサポートするものまで多種多様です。今回は2012年度よりスポーツ健康科学部で開設されているACP(アドバンスト・コーチング実習プログラム)を紹介します。
実習生も成長し、受講生も理解力が高まる
ACPでは自身の指導力を高めたい学生が、教養科目「スポーツ方法実習」の授業に実習生として参加し、授業運営のサポートを行います。教員から1対1で指導法について学び、学部や回生の異なる多くの学生に対して指導を行うことで、実習生の指導力が飛躍的に向上します。また、将来教員を目指す学生は教育実習前の実践の場としても活用しています。“机上の学びを現場での実践へ”、ACPはまさに、スポーツ健康科学部が目指す「理論と実践」の学びを体現したプログラムです。
一方、サポートを受ける受講生にとっても、実習生の仲介的な役割のおかげで教員との距離を近くに感じることができ、授業内のコミュニケーションが円滑になるという効果が上がっています。
現在は、松浦拓哉さん(スポーツ健康科学部4回生)、松本秀光さん(スポーツ健康科学部3回生)の2人がACP実習生として活躍しています。実習生は担当教員から事前指導を受け活動を開始し、指導案の作成から授業での実践まで行います。当初は受講生への指導もスムーズにいかなかったものの、今では授業前に授業内容をホワイトボードにまとめ円滑な授業運営に結びつけるなど、実習生の2人は毎回の授業での指導に苦労しながらも着実に指導力を身につけ成長しています。このプログラムは1月のACP成果報告会がゴールとなりますが、2人の成長はこの実習での経験を機に、実習後も続いていきます。
立命館大学では、今回紹介したスポーツ健康科学部での取り組みに限らず、学生同士が学びあうなかで、①実践力の強化を図る、②学びの過程を振り返ることで学習効果を高める、③コミュニケーション能力を高める、といった機会を数多く提供しています。