「べんがら」の色と食をテーマにイベントを開催
11月18・19日、経済学部の寺脇拓教授のゼミに所属する有志の学生団体が、滋賀県近江八幡市にて、その町とゆかりの深い「べんがら」という色をフィーチャーした食イベント「近江の彩り べんがら色彩スイーツ&ミール2DAYS」を開催しました。彼らは昨年度から近江八幡市をフィールドに自主的な研究活動を行っており、今年は近江八幡の特産品「赤こんにゃく」からヒントを得て、観光振興における「色」のチカラを明らかにするプロジェクトを立ち上げました。SNSの利用者が拡大する中で、「色」が重要な観光資源となることを示そうとする、独創的かつ意欲的な取り組みです。
イベントでは、八幡堀近くの町家「旧吉田邸」にて、学生らが考案し、冊子にまとめた「べんがら色彩スイーツ&ミールレシピ集」を配布するとともに、その中で紹介されている、地元食材をふんだんに使った「赤こんにゃくと近江牛と朝恋トマトのべんがらトルティーヤ巻」を一つ250円で販売しました。イベント期間中は、八幡堀周辺の飲食店でも、店舗オリジナルのべんがら(赤)色のメニューを販売され、いくつかの店舗では、それらの商品をSNSに投稿すれば割引を受けるなどの取り組みも行われました。トルティーヤの販売においても、べんがら格子などの写真の提示によってその商品を割引するサービスも行い、イベントを通して八幡地区を回っていただけるような仕組みも取り入れました。旧吉田邸では、八幡商業高校、八日市南高校の販売実習も同時に開催され、互いに訪問客を呼び込むことで、大きな相乗効果を生み出しました。また、本活動の資金は FAAVO滋賀を通したクラウドファンディングで集めています。リターン品には、学生が手作りで作成した「赤こんにゃくストラップ」「赤こんにゃく田楽マグネット」も含まれています。
18日は天候が悪く、51食の販売にとどまりましたが、翌19日の日曜日は天候にも恵まれ、また学生らの熱心な呼び込みによって、2日間で合計173食を売り上げました。今後はトルティーヤを購入いただいた方々を対象に行ったアンケート調査のデータを分析し、トラベルコスト法によって今回のイベントがもたらす観光便益を計測します。学生らは一定の効果が示されれば、フードツーリズムならぬ、カラーツーリズムという言葉を提案できるのではないかと考えています。