医薬品・医療機器を対象とした 新たな費用対効果評価制度の公的分析機関に国内で初選定
立命館大学は、保健・医療・福祉に関連する調査・研究機関である国立保健医療科学院より、2019年4月から日本で新たに導入された医薬品・医療機器対象の費用対効果評価制度の公的分析実施機関に聖路加国際大学とともに国内で初めて選定されました。
日本を含めた先進諸国では、科学技術の進歩や高齢化に伴う国民医療費膨張の問題に直面しています。費用対効果の分析などの医療経済評価を通して、医薬品・医療機器の社会的価値を明らかにし、その結果を医療政策上の意思決定に活用する試みが、近年国内外で大きな関心事となっています。
すでに欧州、豪州、アジアの一部の国々では、費用対効果の評価結果が効率的かつ公平な医療の実現のための政策に積極的に活用されています。日本では数年間の試行期間を経て、このたび、新たな制度として費用対効果評価制度が導入されました。
本制度を日本で実施するにあたって、医療技術評価(HTA)、医療経済評価、健康アウトカム評価、医療資源配分に関する政策意思決定を専門としている研究者が在籍している本学生命科学部のこれまでの研究実績が認められ、立命館大学が国内初の公的分析実施機関として選定されました。
今後は、医薬品・医療機器の製造販売業者が提出した費用対効果評価のデータについて国立保健医療科学院保健医療経済評価研究センター(C2H)と協働して、検証・再分析を実施し、その結果を中央社会保険医療協議会(※)の費用対効果評価専門組織に報告します。
本学は、これらの分析実施に留まらず、医薬品・医療機器の真の社会的価値を明らかにできる多角的な視点に基づく総合的な評価法の新たな開発や、本分野の専門人材育成を行うことによって、本分野の日本の研究拠点としての役割を果たし、限りある医療資源のもとでの健康寿命の最大化に貢献して参ります。
(※)中央社会保険医療協議会:
日本の健康保険制度や診療報酬の改定などについて審議する厚生労働省の諮問機関