世界最先端の国際関係学を支える立命館大学とアメリカン大学の教職員
立命館大学国際関係学部ジョイント・ディグリー・プログラム(以下、JDP)の学生が8月からアメリカン大学(米国ワシントンD.C.)での学びをスタートしました。
2018年4月に開設されたJDPは、従来の交換留学制度とは全く異なり、国際関係学部とアメリカン大学School of International Service (SIS)が緊密に連携して、西洋型と日本などの非西洋型の双方の視点を備えた「グローバル国際関係学」を学ぶ共同のカリキュラムとして設計されています。
JDPは、立命館大学とアメリカン大学との約30年に及ぶさまざまなレベルでの交流を踏まえて、設置されており、立命館大学から学習を開始する学生(RU Home学生)とアメリカン大学から学習を開始する学生(AU Home 学生)が4年間、互いのキャンパスを2年ずつ行き来しながら共に世界最先端の国際関係学を学びます。
このたび、JDPで授業を担当し、JDP担当の副学部長を務めている国際関係学部のコガ-ブラウズ・スコット准教授、また、立命館大学への交換留学の経験もあり、RU Home学生とAU Home学生を支援するSISのジェシカ・クリング国際プログラム・コーディネーターにJDPについて話を聞きました。
コガ-ブラウズ スコット准教授
RU Home学生1期生のワシントンD.C.での新生活の様子はいかがですか?
RU Home学生は1年半の立命館大学での学習を経て、8月にワシントンD.C.に到着しました。すぐに学生寮のシェア・ルームに入居し、アメリカン大学でのオリエンテーションが終わる頃にはルームメートとも親しくなったようです。ジェシカさんも私も、JDPの学生たちが安全かつ健康なキャンパス・ライフを過ごし、人生を変えるようなエキサイティングな機会をつかんで欲しいと思っています。米国での2年間の学問的な成長、個人的成長に向けて彼らがスタートできるよう、これからも全力で支援したいと思います。
アメリカン大学やSISで学ぶことの意義を教えて下さい。
JDPで最先端の国際関係学を学ぶ学生たちは、2つの性格の異なる都市でキャンパス・ライフを送ります。立命館大学が立地する京都は日本の伝統文化の中心であり、歴史を感じられる静かな街です。これに対してアメリカン大学が立地するワシントンD.C.は国際社会において政治の中心都市です。
また、SISは、外交専門誌「Foreign Policy Magazine」の「The top 25 IR programs for undergraduates, master's, and Ph.D.s.」(2019年4月現在) によると、学部課程で全米9位、大学院修士課程で同8位にそれぞれランクインしている国際関係学の分野では非常にレベルの高い大学です。
学生は、この2つの都市、2つの異なる大学で国際関係学を学ぶことにより、双方の大学の学問的な資源、社会的な資源へとアクセスできます。
本プログラムに関心を持っている高校生や保護者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。
RU Home学生は、アメリカン大学でも交換留学生としてではなく、アメリカン大学の正規学生として4年間在籍することから、双方の大学の学生支援サービスを4年間受けることができます。たとえば、キャリアについての支援では、立命館大学とアメリカン大学、いずれでもキャリアサポートを受けることができますので、卒業後の進路の選択肢が大きく広がる点もJDPの特徴です。
また、それぞれの大学において、学生1人ずつに担当アドバイザーが配置されており、スムーズに両大学2年ずつ学生生活を送ることができるよう、アドバイザー間で緊密な連携や調整を行っています。こうしたサポートにより、JDPの学生たちは学習に集中することができ、満足度の高いキャンパス・フライフを過ごし、世界で活躍できる人材、日米の橋渡しとなる人材として羽ばたくものと思っています。
ジェシカ・クリング国際プログラム・コーディネーター
RU Home学生にとってアメリカン大学で、また、SISで学ぶ意義は何でしょうか。
最も大きなメリットはアメリカン大学が米国の首都ワシントンD.C.にあることです。グローバル国際関係学を学ぶうえでこれ以上の場所は望めないでしょう。ここには、外交、政治、ビジネス、非営利など、学生たちが関心を持つほぼすべての分野の機関が集積しています。私たちは「ワシントンD.C.自体も、あなたがたにとっての学びの場です」と伝えています。
学生にはキャンパスから外へ出て、目の前にある様々な機会を利用するよう勧めています。また、多くの学生はインターンシップに参加することで、貴重な体験を得られることでしょう。
次に、指導教員は多様な経歴を有しており、充実した体制を整えています。元外交官の教員などが、学術的なアドバイスに加えて、実務経歴も踏まえた講義を行います。教科書で外交を学ぶことと、世界を周って活躍した元外交官から直接、話を聞くことは全く異なります。
最後に挙げたいのはアメリカン大学のキャンパスの魅力です。緑豊かな美しいキャンパスには、学習に集中できるスペース、リラックスできるスペースが多くあります。また、大学内には200を超えるクラブ活動もあり、学生同士が交流できる機会が多くあります。
本プログラムに関心を持っている高校生や保護者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。
グローバルな考え方と新たな経験への意欲-これこそが、私たちがJDPを目指す人に求めているものです。
私たちは、かつてない速いペースで変化している世界のなかで生きており、次世代の若者は不確実な未来に適応できるよう備えなければなりません。このような状況で、学生たちは2つの大学で2つの異なる文化にどっぷり浸かり、さまざまな体験を経て、卒業後は適応力が際立った存在として世界で活躍するでしょう。
最後に重要な点として、日米間における唯一のJDPによって、太平洋を超えたユニークな人的ネットワークが生まれることを期待しています。