2020.04.27 TOPICS

水素水が持久運動のエネルギー消費量を有意に低減

 スポーツ健康科学部の後藤一成教授および2018年度スポーツ健康科学研究科 博士課程前期課程修了生の伊藤宏人さんは、株式会社日本トリムとの共同研究において、暑熱環境下で水素を含む水(電解水素水)が持久運動のエネルギー消費量を有意に低減することを明らかにしました。本研究成果は、2020年4月17日(現地時間)、英Taylor & Francis Groupが発行する生物と熱に関する生理学専門誌「Temperature」に掲載されました。

※電解水素水
胃腸症状改善効果が認められた家庭用管理医療機器である整水器から生成されるアルカリ性で且つ水素分子(H2)を含有する飲用の水。

  <論文情報>
論文名:Effects of electrolyzed hydrogen water ingestion during endurance exercise in a heated environment on body fluid balance and exercise performance.
著者:Ito H, Kabayama S, Goto K.
発表雑誌:生理学専門誌Temperature
掲載日:2020年4月17日

 本研究ではトライアスロン選手12名を対象とし、室温32℃、相対湿度50%の暑熱環境下で最大酸素摂取量の65%相当の負荷で60分間のペダリング運動を実施しました。その後、毎分20Wずつの漸増負荷式の運動を行い、疲労困憊に至るまでの時間を評価しました。運動中は、電解水素水(水の電気分解によって生成されるアルカリ性で且つ抗酸化性を持つとされる水素分子(H2)を含む飲用の水)または、浄水を10分毎に体重1kgあたり2.0mlの量を摂取し、血液指標、エネルギー代謝、組織温等の変化を検討しました。

 体重はいずれの水においても運動後に有意に減少しましたが、減少率に両者間で有意差はみられませんでした。血漿量、血液pH、重炭酸イオン濃度の変化、漸増負荷式の運動の継続時間等にも両者間で有意差はみられませんでした。しかし、運動中のエネルギー消費量は、電解水素水摂取時が浄水摂取時に比較して有意に低値を示しました。

 このことは、電解水素水を飲んでいたほうが、同じ負荷の運動をするために必要なエネルギーが少なくて済むということになります。具体的には、電解水素水を飲用していると1分間あたりのエネルギー消費量が平均0.5kcal少なくて済みました。

関連情報

NEXT

2020.04.27 TOPICS

グローバル教養学部 教員対談シリーズ(パート4)

ページトップへ