絶滅寸前種「フジバカマ」の鉢植えを嵐電北野線全駅に展示

 立命館大学衣笠キャンパスの学生・教職員、近隣住民、京福電気鉄道で構成される「嵐電沿線フジバカマプロジェクト」は、京都府の絶滅寸前種に指定されている「フジバカマ(藤袴)」(キク科の多年生植物)の保全活動を進めています。

 立命館大学衣笠キャンパスの東側広場では、フジバカマの約900本を挿し芽から栽培しています。本プロジェクトの一部メンバーは、11月6日(土)・13日(土)・27日(土)、花が咲き終わった後のフジバカマの青葉を収穫し、草木染と匂い袋づくりを行いました。

 草木染めには、布の下処理、薬液作成、染色、水洗い、脱水・干す工程を複数回行います。梅染友禅・梅染師の山本晃氏を講師にお招きし、生物の命の尊さや草木染めの文化への理解を深めました。
 参加メンバーは、大豆を絞った液体に木綿の真っ白の布を煮て下処理を行い、フジバカマの葉の色素を抽出した薬液を作り、布を琥珀色に染めました。

 桜餅に似た芳香を放つフジバカマは、古より匂い袋などに活用されてきました。匂い袋づくりでは、草木染めした布を袋にして、乾燥させたフジバカマの葉を詰め込みました。地元の小学生も集まり、フジバカマを通じて地域交流の場が生まれていました。
 完成した匂い袋は、地域の方、教職員など関係者に配布しました。

匂い袋に詰める乾燥させたフジバカマの葉
匂い袋に詰める乾燥させたフジバカマの葉
完成した匂い袋と参加メンバー
完成した匂い袋と参加メンバー

 今回の取り組みを通して、参加メンバーは草木染め文化への理解を深め、さらには、生物が形を変えて生き続けること、その命の尊さについて学ぶ機会となりました。

 なお、現在、衣笠キャンパスの立命館ブックセンターでは、本プロジェクトで活動する「シチズンシップ・スタディーズ」(担当:共通教育推進機構 山口洋典教授)の学生がつくったフジバカマの入浴剤を、数量限定で無料配布しています。ぜひこの機会にお受け取りください。

 本プロジェクトでは、今後もフジバカマの保全活動の継続およびネットワークの拡大を目指します。

※絶滅寸前種のフジバカマの保全活動は、SDGsの目標15「生物多様性損失の阻止」達成を目指すとともに、地域連携で取り組むことがSDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を目指すものという認識のもと、取り組んでいます。

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