笠縫東まちづくり協議会 健康づくり研修会への講師派遣
笠縫東まちづくり協議会 健康づくり研修会
笠縫東まちづくり協議会(草津市)では、住民の健康維持・体力増進を目的とした健康づくり研修会が年数回開催されています。
今年度も、「認知症予防」をテーマに本学スポーツ健康科学部の教員2名が、12月、1月と講師を担当しました。
「認知症予防のための生活習慣」スポーツ健康科学部 村上晴香 教授
2023年12月22日(金)、草津市コミュニティ防災センターで行われた笠縫東まちづくり協議会 健康づくり研修会では、村上晴香教授が講師を担当しました。
はじめに、認知症の症状、加齢による物忘れとの違いを説明され、認知症になると元の状態に戻ることは難しいので、軽度認知障害(MCI)の段階で早期発見し、認知機能を回復させることが重要だと話されました。口頭で読み上げられる5つの単語を覚えていくつ書けるかというMCIのスクリーニングテストを実際に行う場面では、自身の認知機能が試されるようで、一瞬だけ緊張感が高まりました。
それに続き、認知症予防に有効とされる食事として、様々な食品をバランスよく食べた上で特に魚・シーフードを少なくとも週1回摂取することや、アルコール、コーヒーなどの摂取量についても詳しく紹介されました。
さらに、後半には認知症予防を目的とした「コグニサイズ」という国立長寿医療研究センターが開発した運動を実演。歩きながら計算をしたり、手足を動かしながら数を数えて3の倍数で拍手したりするなど、デュアルタスクに取り組むことで認知機能を活性化させる運動を参加者全員で体験しました。
最後には、「プラス・テン!」と題し、身体活動量・運動量をアップさせる目標として、「スーパーでは、陳列棚の間をジグザグ1周ウォーキングしてから買い物をする」、「洗濯を干すときに軽くスクワットをする」、「ウォーキングをしながらしりとりをする」などと宣言し、それそれの日常生活に持ち帰ることができる体験参加型の研修会となりました。
「整形外科医による認知症予防のための運動」スポーツ健康科学部 篠原靖司 教授
2024年1月19日(金)には、整形外科医でもある篠原教授が講師を担当しました。
世界的にも平均寿命の長い日本ではありますが、元気で過ごせる状態の健康寿命との差が約10年あり、その間医療や介護が必要となっている現状を説明されました。介護になった原因第1位が認知症であること、2023年8月にアルツハイマー型認知症の新薬が承認されたことなども紹介されました。
スポーツドクターでもある篠原教授は、認知症やロコモティブシンドロームを予防するためには運動が有効であり、その理由は脳を含めた全身の血流改善にあると説明。水より重い血を全身に巡らせるために、「ふくらはぎは第2の心臓」という言葉を紹介され、ジグリング(貧乏ゆすり)やカーフレイズ(かかと上げ)などの体操や、足の指をしっかり使えるよう、手で広げるストレッチやタオルを引き寄せる運動なども実演されました。
上半身の体操としては肩回しや胸開き、背中伸ばしなど、特に肩甲骨を動かすよう意識して皆さんと一緒に行いました。
終わりに、運動継続のコツは「1.無理をしない 2.痛みがない程度に行う 3.毎日行える程度の回数、時間で 4.根気強く続ける」ことであり自分にあった運動を見つけて、楽しみながら行いましょうと締めくくりました。
「健康づくり研修会」のような地域一体となって取り組んでおられる健康増進活動に、今後も協力していきたいと思います。