永野聡・産業社会学部准教授のゼミが「IAUD国際デザイン賞」を受賞
産業社会学部の永野聡准教授のゼミでは、高齢者がどのように終末期にどのような生活を送りたいのかを聞き出し、ご家族、医療従事者に伝えるゲーム「60歳からの人生ゲーム」を長年開発しています。このたび、これまでのゲーム開発までの経過やビジョン、今後の展開をまとめた「高齢者が自分らしく人生を創造できるプロジェクト」が、「IAUD国際デザイン賞2023」(部門:未来への提案)銀賞を受賞いたしました。
IAUD国際デザイン賞は、多くの人が快適で暮らしやすいユニヴァーサルデザイン社会の実現に取り組む団体・個人を表彰するデザイン賞です。一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)が実施している取り組みで、今回は13回目の開催となります。審査委員会により書類審査、本審査が行われた中、大学単独の取り組みとしては永野聡ゼミナールのみとなります。
IAUD国際デザイン賞 審査員コメント
重要でありながらもしばしば無視されがちな事前介護計画のための優れたツールです。ただし、日本人の平均寿命が60歳を過ぎてもほぼ25年はあることを考慮すると、終末期プランにとどまらないことを考える機会を逃しています。60代の人々はまだ比較的若いので、慎重に行われなければ、このゲームの焦点が否定的に受け取られるかもしれません。
応募に際しては、デザイン性の向上、内容の更新を実施。高齢者の方が理解しやすいデザイン性を追求し、高齢者の生きがいをしっかりと引き出せる内容に改善。メンバーの一人である伊藤健真さん(産業社会学部3回生)は「IAUDが重視するビジョンや継続性、改善性を意識して私たちのプロダクトをアピールしました。これまでの歴史を可視化した年表や、高齢者の方に受け入れられやすいデザインに改善した点が評価されたのでは」と語り、同じくメンバーの石野晴菜さん(産業社会学部3回生)も「自分たちの取り組みが社会にとって有意義なものであると再確認できた」と振り返りました。
今回のIAUD国際デザイン賞を受賞したことによって一つの国際的な評価が得られた「60歳からの人生ゲーム」。今後は海外大学との共同研究の推進や商品化につながる活動の展開を目指しています。