PETボトルの資源循環をより多くの人に広めるため、2021年に設立された立命館大学学生団体「Bottle To Bottle」。中村真悟教授による「資源循環に関して、文献による理論的な学習だけではなく、より現実に沿った実践的な活動を始めてみないか」という提案の下、資源循環・リサイクルに関心を持ち、具体的にアクションしたいと考えた学生たちがスタートさせました。これまでの活動内容や今後の目標について話を聞きました。

――PETボトルに注目したきっかけを教えてください。

 PETボトルの資源循環について着目した理由は2つあります。一つ目は、PETボトルは単一素材で構成されており、「リサイクルの優等生」と言われるほどリサイクルがしやすい素材だからです。二つ目は、家庭ではPETボトルの中身を空にし、ラベルやキャップを外した状態で捨てられる一方、大学・駅などでは飲み残しがある、あるいはラベル・キャップが付いた状態で捨てられることが多いという現状を知ったからです。
 特に、第二の理由で挙げた現状について、大学生が主体となって、よりよい資源循環の体制を構築していきたいと考え、活動をスタートさせました。

――活動の目的と、具体的な活動内容を教えてください。

 Bottle To Bottleは「OIC(大阪いばらきキャンパス)を起点に資源循環の輪を広げる」という理念の下で活動しています。持続可能性が求められる現代において、循環型経済の実現は不可欠です。大学という自由な発想ができる場で、さまざまな学部・回生の学生たちが行動を起こすことは、資源循環へのアプローチになると考えています。

 Bottle To Bottleでは、PETボトルの水平リサイクル(bottle to bottle)に特に重点をおいて活動しています。「bottle to bottle」とは、使用済みPETボトルを再びPETボトルとして利用する方法を指します。水平リサイクルを実施するには、ラベルとキャップがなく、かつ、飲み残しがない状態のPETボトルが必要となります。このことを学生や市民のみなさんに伝え、さらには具体的にアクションしてもらうため、大きく分けて3つの活動を行っています。

 一つ目は、ボトル回収機の認知活動です。純粋な状態(飲み残しやラベル等がない状態)のPETボトルを集めるため、OICのA棟1階にボトル回収機を設置しました。ただ、まだまだ積極的に活用する学生が少ないため、認知を向上させる活動を行っています。二つ目は水平リサイクルに関する啓発活動です。学内にポスターを掲示したり、透明なゴミ箱を設置したりして分別を促しています。三つ目は、学内外イベントへの出展です。私たちの思いやBottle To Bottleの活動を一人でも多くの人に知ってもらうため、いばらき×立命館DAYや茨木市のイベントなどに参加しています。

――今後、実現したいことを教えてください。

 環境に対して関心を持ってもらい、行動に移してもらうことが、私たちが活動を行う意義です。その実現のために、まずは誰もが当たり前にボトル回収機を活用してもらえるようにすることが大きな目標です。ポスター掲示やSNSキャンペーンを通して、ラベルとキャップを外した状態にして、PETボトルを回収機に捨てること、水平リサイクルの大切さを学生や市民のみなさんに親しみやすく伝えていきたいと思います。
 そして、一人一人が自分事として環境に配慮する意識を持ち、日ごろから資源循環に向けたアクションに取り組んでもらうことが大事だと思っています。意識を変えるきっかけを作ると同時に、資源循環の輪をOICだけにとどめることなく、茨木市全体へと広げる架け橋として、その役割を積極的に果たしていきたいです。

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