立命館理事長・総長新年のごあいさつ
みなさま、明けましておめでとうございます。
2025年がみなさまにとって、実り多き素晴らしい年となりますよう、心から祈念申し上げます。
昨年は多くの国や地域でリーダーの顔ぶれが変わり、世界は大きな変化を迎えようとしています。 日本においても新政権が発足し、少子高齢化や経済・財政政策、地方創生の推進、脱炭素社会への移行、そして対外政策の方向性が議論されるなど、未来を見据えた国のグランドデザインを描く重要な局面を迎えています。そして、2025年は、阪神・淡路大震災から30年を迎えます。未曾有の災害から力強い復興の歴史を次世代へと引き継ぎ、安全で持続可能な社会の実現に向けたシステムの構築が求められています。
大学には、こうした社会課題を解決し、世の中の変化をよりよい方向へと導き、加速させる役割が期待されています。高等教育機関としての特色ある強み、特にその源泉である研究力を強化し、より高度な教育への還元、産学官地連携やスタートアップ創出など、社会実装を通じた新たな価値創出や次世代社会をけん引する人材の育成が必要です。
立命館は今年、創始155年、学園創立125周年を迎えます。学祖西園寺公望が私塾立命館を開いて155年、その志を引き継いだ中川小十郎が立命館大学の前身となる私立京都法政学校を創立して125周年、私たちは改めて建学の精神「自由と清新」に立ち返り、新たな時代を切り拓く挑戦に取り組んでまいります。社会が抱える様々な課題と向き合い、前例や固定観念にとらわれず、高度な研究力と探究力により、あるべき未来社会の実現に貢献する「次世代研究大学」「次世代探究学園」を目指します。
昨年、開設30周年を迎えたびわこ・くさつキャンパスでは、今年3月に「先端クロスバースイノベーションコモンズ」(CVIC)と「グラスルーツ・イノベーションセンター」(GIC)の開設を予定しています。両施設をハブとして、これまでBKCを中心に蓄積してきた「健康・長寿・QOL(Quality of life)」分野の研究の深化と産学官地連携を通じた地域イノベーション創出をさらに広げ、Society 5.0に向けたソーシャルインパクトの創出を目指します。
TRY FIELDとして新しく生まれ変わった大阪いばらきキャンパスでは、Ritsumeikan Innovation Network for Co-creation(RINC)での活動を中心に産学官地の叡智の結集をさらに加速させ、正課・正課外を問わず多様な学びの展開を進化させていきます。
衣笠キャンパスでは、2026年度にデザイン・アート学部/デザイン・アート学研究科(仮称) の開設を予定しています。未来志向の新たなデザイン学の追求とアートの技術・感性を基盤に、自然科学と人文・社会科学領域を横断した教育・研究の展開を図ります。
立命館は、これまでも多くのみなさまにご支援をいただき、発展を続けてまいりました。次世代研究大学・次世代探究学園への変革を通じて、これまで以上にグローバルに存在感をもち、高度な研究・教育力により社会に貢献すべく、邁進いたします。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年1月1日
学校法人立命館
理事長 森島朋三
総長 仲谷善雄