2024年度春季立命館大学大学院博士学位授与式を挙行
3月23日(日)、朱雀キャンパス大講義室において、2024年度の博士学位取得者に対する春季学位授与式を挙行しました。今年度は課程博士(甲号)89名、論文博士(乙号)4名の計93名に学位が授与されました。式には、仲谷善雄・立命館大学長をはじめ、学園役職者、指導教員、ご家族の皆様が出席し、学位取得者の門出を盛大に祝福しました。
式では、仲谷学長より学位取得者一人ひとりに学位記が授与されました。その後の学長式辞では、学問の連続性と社会的使命に触れながら次のように述べました。
「研究とは、決して一人で完結するものではありません。先行研究を批判的に捉え、そこに新たな問いを投げかけることで、皆さんは学問の流れの中に正当に位置づけられました。皆さんの探究は世界の学術水準を高め、これからの世代に引き継がれていくでしょう。ぜひ今後は、後進の育成・指導にも力を注いでください。」
さらに、立命館の建学の精神である「自由と清新」、教学理念「平和と民主主義」の意義に言及し、「人類共通の課題に対して、分野や地域を超えた連携をもって、持続可能な社会の実現に貢献することが、次世代研究大学を目指す私たちの使命です」と語りました。
式の後半では、課程博士学位取得者を代表して、博士(工学)を取得した山本大誠さん(生命科学研究科生命科学専攻修了)、論文博士学位取得者を代表して、博士(心理学)を取得した原幸一さんが、それぞれ挨拶を行いました。
山本さんは、附属高校から12年間立命館で学んだ道のりと、研究を通じて得た「深く考える意識」の変化について述べました。
「がむしゃらだった自分を変えてくださった多くの方々に感謝しています。研究はもちろん、日々の暮らしの中でも、物事の本質に迫ろうとする姿勢を忘れずに生きていきたい。社会の一員として貢献できるよう、1つ1つの仕事に真剣に向き合ってまいります。」
また、フェローシップ制度による支援や指導教員・関係者・家族への深い謝意も述べ、「この経験を胸に、新たな道でも力を尽くす」と決意を語りました。
続いて、原さんは自身の博士号取得の経緯と、障害を基軸とした心理学研究の蓄積を振り返りながら、次のように語りました。
「およそ30年にわたり蓄積してきた論文と評論をまとめ、博士論文として構成しました。標準データではない対象と向き合い続けたことで、心理学の枠を越えた視点を得ることができました。査読や公聴会、さまざまな手続きを経て、ようやくこの日を迎えられたことに深く感謝いたします。」
さらに、「すべてをやりきったわけではないが、研究を通して自身を見つめ直す時間となった」と語り、主査教員をはじめ関係者への感謝の意を丁寧に伝えました。
閉式後には、出席者同士が笑顔で記念写真を撮り合う光景が広がり、厳粛かつ温かな雰囲気の中で式は幕を閉じました。