Where Are We Headed,War or Peace?

2017.11.06 TOPICS

Where Are We Headed,War or Peace? 国際シンポジウムに六者協議の米国元代表 クリストファー・ヒル氏が登壇

国際シンポジウム「北朝鮮の核開発をめぐる国際関係と政策的オルタナティブ~6カ国協議の経験から~」を開催

吉田美喜夫学長
吉田美喜夫学長

 立命館大学は、10月30日、国際シンポジウム「北朝鮮の核開発をめぐる国際関係と政策的オルタナティブ~6カ国協議の経験から~」を開催しました。
 会には、六者協議で米国代表だったクリストファー・ヒル元大使、日本代表の薮中三十二元外務事務次官(本学国際関係学部特別招聘教授)、文在寅政権の現役大統領補佐官である文正仁氏、韓国外国語大学、本学国際関係学部の教員などが報告を行いました。会場には、報道陣をはじめ、関係者、学生などが詰め掛け、報告者の話に耳を傾けました。
 開会に先立ち吉田美喜夫立命館大学長が、「先の大戦後、立命館大学は、日本の戦後の平和主義を主導し、長期平和の構築に貢献してまいりました。しかし立命館大学は、決してあの悲劇的な事実を忘れることはありません。大戦時、多くの若い学生たちを戦地に送らざるをえませんでした。戦後、その歴史を深く深く反省し、大学を再建。平和と民主主義を教学理念に、今日まで、まい進してまいりました。しかし、暗雲が再び近づいてきています。当事者である政府だけの努力に頼ることはできません。民間人として基幹大学として、その能力を駆使し、迫りくる危機に対抗していかねばなりません。そうしたなか今回のシンポジウムが、地域の平和を維持するための努力の要となるものと考えております。傑出したパネリストの方々と聴衆の皆様の対話により、多くの知恵と健全なる洞察が生まれることが祈願しております」と挨拶。Richey Mason (韓国外国語大学・准教授)の祝辞に続き、文氏から北朝鮮における危機についての基調講演が行われました。

影響を懸念。周辺諸国の連携強化が必要

文正仁氏
文正仁氏

 文氏は、「韓国政府は、北朝鮮の核兵器保有を許さない、外交的平和的な形で北朝鮮の核問題を解決することを原則として、恒久的な平和を目指し取り組んでいます。我々は戦争ではなく平和を求めています。過去の経験を振り返り、反省を生かし前に進めることが必要だと考えます」と聴衆に訴えました。

クリストファー・ヒル氏
クリストファー・ヒル氏
薮中三十二教授、崔鎮旭・国際地域研究所客員研究員(元韓国統一研究院長)
薮中三十二教授、崔鎮旭・国際地域研究所客員研究員(元韓国統一研究院長)

 続いてヒル元大使、薮中教授が過去の交渉について解説。ヒル氏は、「北朝鮮が核兵器をこれ以上追求しないよう交渉し、核のない朝鮮半島になることを望んでいます。6カ国だけでなく、より多くの国が参加し、交渉のドアをオープンにする必要があります。」と指摘。薮中教授は、「日本は、自らの立場、立ち位置を内外に向け、しっかりと表明すべきだと考えています。日本が中心となり、緊急で5カ国外相会議を提案し、そこへいずれ北朝鮮が参加できれば、進展を得られます。重要なのは5カ国間で立場を強固にすることです」という考えを示しました。

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