伝統から未来をつなぐシステムとデザイン EdoMirai Food System Design Labの挑戦

2019.02.14 TOPICS

伝統から未来をつなぐシステムとデザイン EdoMirai Food System Design Labの挑戦

 1月17日(木)、LIFULL TABLE(東京)で「未来の食文化の探求 伝統から未来をつなぐシステムとデザイン」と題したイベントに食マネジメント学部の野中朋美准教授がゲストとして登壇。過去と未来をつなぐシステムをデザインし、新しい「食」のアプローチについて、クリエイターらと議論を交わしました。
 テクノロジーの発展により、今までの食に関する既成概念に捉われない新しいシステムやアプローチが実現できる時代となっています。これからの「食」について考えることは、大量生産大量消費の時代とは異なる生産手法や提供方法、地域の自立、人々の健康や働き方、幸せなどサスティナブルな社会の実現へと繋がると考えられます。本イベントでは、野中准教授と鎌谷准教授がタッグを組んで立ち上げた「EdoMirai Food System Design Lab」の取り組みと今後の展望について紹介しました。
 当日は体験会も開催され、江戸レシピ再現料理展示やUMAMI Labからは、サイフォンで抽出した出汁、燻製大豆を使ったきな粉の出汁茶漬けなども振舞われました。

2050年 未来の食と課題

 培養肉、昆虫食、調理の自動化、微細藻類など、未来の「食」の形は今よりも多様に広がりを見せ、従来想像もしないような形の「食」が広がっているかもしれません。FAO(国際連合食糧農業機関)の2012年調査では、2050年までに60%の食料生産を増やす必要があるとされ、食料自給率やフードロスなどによる切迫する食料需給が予測されています。
 また、国連は持続可能な社会の実現を目指し、2015年の「国連持続可能な開発サミット」において、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げ、「食」へのアプローチについても、持続可能性を考慮したシステムデザインが求められています。

EdoMirai Food System Design Labの挑戦

 野中准教授と鎌谷准教授は、2018年に「EdoMirai Food System Design Lab」を立ち上げた。「EdoMirai Food System Design Lab」は、歴史学(鎌谷准教授)とシステム学(野中准教授)の研究者がタッグを組み、Edo(歴史)の歴史から未来をつなぐシステムデザインを研究しています。歴史を紐解きながら、地域に根付いてきた食の歴史や食文化を発掘し、歴史と地域の掛け合わせで新たな食・ガストロノミー・地域・社会の文化を作ることを目指しています。
 例えば、古文書に記載される不完全な当時のレシピ情報から、設計問題としてレシピを捉える「レシピデータベース研究」は、江戸時代中頃に出版された江戸時代の料理本を解読・翻刻し、現代語訳を経てレシピを設計(解釈)し、調理・再現を行っています。地域で根付いてきた食の歴史や食文化を発掘し、歴史学・システム学の見地から価値あるデータに変換・活用することで、未来社会への提言を進めています。

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