キャンパスで発生する野菜くずを堆肥化して「ごみ減量」「廃棄物有効活用」に貢献

 立命館大学の学生団体「Uni-Com」は、廃棄物を出さずに資源として循環させるサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指して活動を行っています。今年度から取り組んでいるのが、大学の食堂から出る生ごみなどの有機廃棄物を堆肥化させ、できあがった有機肥料を地域に還元するという、産学・地域連携型のプロジェクトです。

 7月31日(土)、衣笠キャンパスでは国内屈指のコンポスト・アドバイザーである東京都三鷹市の鴨志田農園園主・鴨志田純氏をお招きし、野菜くずを入れて発酵させるための「床材」づくりを「Uni-Com」のメンバーや大学職員、地域の方々が共に学びました。

床材づくりの様子
床材づくりの様子

 もみ殻、米ぬか、落ち葉、壁土を一定の割合で混ぜ合わせ、水分量を適切に管理すると、やがて発酵が進み、床材が完成します。鴨志田氏によると、1リットルの床材で約1キロの生ごみが分解できるそうです。この日に仕込む床材は、約300リットル。完成すれば、約300キロの生ごみを処理することが可能になります。

 作業自体はシンプルながら、材料の配合比率と水分量の管理が重要で、ここが正しくできていなければうまく発酵せず、いい床材はできません。参加者らは、広げたブルーシートの上で「材料の混ざり具合」や「適切な水分量」を目視や手のひらの感覚で把握する難しさに戸惑いながらも、熱心に作業を進めていきました。

 「Uni-Com」代表の隅田雪乃さん(生命科学部4回生)は、「約1年かけて計画してきたプロジェクトが、さまざまな方々に支えてもらいながらようやく動き出せたことに嬉しい気持ちでいっぱいです。床材づくりに協力して下さった農家さんや地域の方々、職員のみなさんなど、堆肥化のベースをつくる作業を共に行い、今日また新たな繋がりが生まれたことを実感しました。地域から集めていただいたもみ殻や野菜くずなど、捨ててしまう予定だったモノたちが、新たな資源に生まれ変わって社会を循環する。その未来が見えてきて、これからがとても楽しみになりました」とワクワクした思いを話しました。

 また、鴨志田純氏の「もみ殻や米ぬかは農家の方、壁土は建設業界の方から分けていただくなど、コンポストづくりにはいろいろな人の協力が必要になってきます。いい意味で“人に頼る”ことが大事。床材や堆肥をつくりながら、人間関係もつくっていくんですね」という言葉が印象的でした。

 衣笠キャンパスの学生食堂では、コロナ禍で営業規模が縮小される中にあっても、昨年9月からの10ヵ月間で約1,300kgの野菜くずが発生しています。衣笠キャンパスではこれまでにもキャンパス内の落ち葉の堆肥化や農園づくりに取り組んできましたが、これらの野菜くずを発酵させ、安全で良質な有機肥料とすることで、ごみ減量や廃棄物の有効活用、ひいては地域の方々との新しい縁を紡いでいきたいと考えています。

 産学・地域連携で取り組む挑戦に、これからもご注目ください!

集合写真
床材づくりの様子
床材の様子

※学生団体「Uni-Com」は、朝日新聞社主催の「大学SDGs ACTION! AWARDS 2021」において、準グランプリを受賞しました(“Uni-Comプロジェクト ~地域単位で食品ロスを資源として循環させよう~”)。

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