川上友聖さん(産業社会学部3回生)が共同代表を務める「双葉まるごと文化祭」が、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2022年度グッドデザイン・ニューホープ賞」情報のデザイン部門で入選を果たしました。

 「グッドデザイン・ニューホープ賞」は、将来のデザイン分野を担う若手の活動を支援するものとして2022年に新設された賞です。応募対象者は、大学や専門学校などに在学中の学生や卒業直後の新卒者で、在学中に手掛けた課題制作や卒業制作、自主研究などのデザインを応募対象としています。応募カテゴリーは、「物のデザイン」、「場のデザイン」、「情報のデザイン」、「仕組みのデザイン」の4つの領域で、本年度は414件の応募がありました。

 入選を果たした「双葉まるごと文化祭」は、双葉町の地域資源を活用する地域文化祭を開催した団体です。双葉町と若者のコラボレーション企画を通して、“かわいそう”ではなく“たのしそう”を起点に被災地を知り、多様な人々の新たな対話と交流の場を生み出す「心の拠り所」としての双葉町の再興を目指し、今年9月に福島県双葉町の相馬妙見初發神社で「双葉まるごと文化祭」プロジェクトを開催しました。本企画は、大学生のプロジェクトチームと一般社団法人双葉郡地域観光研究協会、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)の共同で実施されています。

 文化祭当日は、まちの伝統文化である「標葉せんだん太鼓」の演奏や三字芸能保存会による「神楽」の披露をはじめ、双葉町の関係者、首都圏の10大学および3高校の学生・生徒の共同企画による7つの模擬店企画が出展。会場は温かな雰囲気に包まれ、お祭りはまちの復興の新たな象徴となりました。

 今回受賞した作品は、文化祭開催と並行して行った情報発信をまとめたものです。同情や憐れみを彷彿させる「“かわいそう”な被災地」という認識を問い直し、渋谷スクランブルスクエア(東京都渋谷区)にて多様な手法(VRツアー、動画、インタビュー記事、ポストカード配布)を用いた展示活動で被災地のリアルを捉え直し、多くの方が訪れました。

標葉せんだん太鼓
プロジェクトメンバー(写真左から3人目:川上さん)と一般社団法人双葉郡地域観光研究協会理事(写真左端)

川上友聖さん(産業社会学部3回生)コメント

 この度は、記念すべき第1回の「グッドデザイン・ニューホープ賞」にて賞をいただき、大変光栄に思っております。幼少期から憧れでもあった「グッドデザイン賞」を受賞できたのは、ひとえに本作品制作に関わってくださった双葉町の方々やチームメンバーの協力あっての事です。本当に心から感謝を申し上げます。
 今回の受賞を励みにして、今後も双葉町の方との対話を大切に、自分たちがまちに還元できる価値を「情報」を切り口に模索していければと思います。

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