滋賀県・長浜市にて、環境省地域再エネ導入促進及び地域中核人材育成研修を実施

2月11日(土)・12日(日)立命館大学グラスルーツ・イノベーションプログラム(GRIP)(担当:生命科学部 山中司教授)の研究チームが中心となり、環境省地域再エネ導入促進及び地域中核人材育成研修として「ひと・地域を元気にするカーボンニュートラルプログラム」を滋賀県長浜市にて実施しました。

本プログラムは、GRIPに採択されたテーマである「カーボンニュートラルを軸とした新たな教育パラダイムの創出・実践・量的評価指標の開発」の一環として、大学生・高校生が地域の中核人材となり、どのようにカーボンニュートラルに貢献することができるのかを考える体験型研修プログラムとして実施しました。実施場所である長浜市は、滋賀県北部に位置しており、豪雪地域であることから、冬季は太陽光によるエネルギー利用が難しい状況になります。そこで、一般的な再生可能エネルギー導入の最適解となる太陽光だけに依存しない、再生可能エネルギーの導入をまち全体で考えることが可能です。

1日目は、長浜市木之本町にある株式会社バイオマスアグリゲーション本社にて、「滋賀県のCO2ネットゼロ社会の実現に向けて」と題して、滋賀県総合企画部CO2ネットゼロ推進課の山元夏帆様による講義、株式会社バイオマスアグリゲーションの久木裕様、前田 壯一郎様による、木質バイオマスの熱利用に関する実態や長浜市でのゼロカーボンシティの実現に向けた方針、地域における再生可能エネルギー導入に関する講義や、バイオマスボイラーやチッパーなどの設備の見学を行いました。さらに、講義後の質疑応答では、終了時刻ギリギリまで参加した大学生から質問が飛び交い、地域におけるカーボンニュートラルの実現に向けて議論を深めることができました。

2日目は、長浜市西浅井町に訪れ、ONESLASHの清水広行様より、西浅井町でお米を活用した地域づくりから、地域で活躍する人に必要なスキルや持続可能なまちを実現するために必要なマインドについて講義を受けました。講義後は、ONESLASHで行っている「ゲリラ炊飯」を参加者全員で体験しました。午後からは株式会社バイオマスレジンマーケティングの山田眞様とMaki(出口牧仁)様より、お米から作られるプラスチック「ライスレジン」の紹介やバイオプラスチックの取り巻く市場環境、事業者・消費者の環境意識の変化に加えて、海外の動向としてネパールの国立公園再開発と地方創生モデルのエコツーリズムに関する講義を受けました。

本プログラムを通じて、地域での再生可能エネルギーの導入から、地域資源の使い方、地域で活躍できる人材のイメージを考え、仲間とともに自らのキャリアを深く考える貴重な機会となりました。また、本プログラムの実施にあたり、大手旅行代理店である株式会社エイチ・アイ・エス様にもご協力いただきました。今後は、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)での再生可能エネルギーの利活用や導入についてプランを提案していく予定です。

本研修は、令和4年度教育機関と連携した地域再エネ導入促進及び地域中核人材育成研修に採択され、実施をしています。

参加者の声

産業社会学部2回生 窪園 真那さん

本研修を通して異なる分野の学生はもちろん、異業種の社会人との交流が魅力的でした。普段大学では関わる機会が少ない方と「カーボンニュートラル」というテーマのもと話し合うことができたことに価値を感じました。それが実現できたのも「カーボンニュートラル」というテーマが様々な地域のステークホルダーを巻き込む力があるからだと思います。久木さんの経歴の話題が講義でもありましたが、かつて福島で久木さんご自身ご経験された様々な分野の若い世代が地理情報システムGISでつながるといった事例が、カーボンニュートラルのテーマにも生かすことができ、さらに、そのつながりをきっかけとして地域の関係人口を増やすことが可能になるのではないかと感じました。また、本研修には、社会課題に積極的な大学生が集まることができたということで充実した研修となったと思います。

スポーツ健康科学部2回生 内田 秀太さん

カーボンニュートラルに関して全く知識がありませんでしたが、楽しく学ぶことができました。難しい社会課題として他人事として捉えていましたが、2日間の体験を通した講義を聞いていくうちに、どの取り組みもひとや地域を元気にするための手段であることがわかりました。また、何よりも今回の講師を担当された方たちが自らの活動を愛していたことが印象に残っています。当初は、自分には一見手の届かない大きな構想に見える分野でしたが、人と人の関わりによって社会変化が現実味を帯びていっている様子が滋賀県長浜市で垣間見えました。短期的な成果が見えづらい分野だとは感じましたが、滋賀県のフィールドを活かした取り組みを長期で考えている大人たちがいることにも大変感銘を受けました。最後に、その土地に住む人のことを具体的に思い浮かべながら今回の講師の皆さんは仕事をしているのだろうなと思い、私もそのような働き方、生き方をしていきたいと心に決めました。

長浜市木之本町での集合写真(1日目)
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しがCO<sub>2</sub>ネットゼロ社会づくりの説明をされる山元さん
しがCO2ネットゼロ社会づくりの説明をされる山元さん
大学生からの質問に丁寧に回答される久木さん
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木質バイオマスチップの説明をする前田さん
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講義を踏まえて大学生でワークショップする様子
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長浜市西浅井町での集合写真(2日目)
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IoTデバイスを活用した農業機器を説明する清水さん
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ライスレジンの可能性について説明する山田さん
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