出前実験教室の様子

2023.04.28 TOPICS

田口耕造・理工学部教授が立命館守山高校サイテック部へ「微生物燃料電池」の出前実験教室を実施

3月28日(火)、立命館大学理工学部電気電子工学科の田口耕造教授が、立命館守山高校サイテック(Sci-Tech)部のメンバー10名に「微生物燃料電池」をテーマとした出前実験教室を実施しました。サイテック部は、ロボット、生物、環境問題等、幅広く科学技術をテーマに、多数の校外発表など積極的な取り組みを進めているサークルです。

当日は、同部顧問の脇田悟寿教諭の開会あいさつの後、田口教授からの講義、そして実験へと続きました。実験では、3Dプリンターで作成した装置や市販のもみ殻くん炭 (もみがらを炭化させたもの)を用いて、田口教授が開発した長期安定動作が可能な微生物燃料電池を制作しました。この装置は、泥水などの水面に浮遊させることで、水中の有機物に応じて発電することができます。電極材料に廃棄物(今回はもみ殻くん炭)を混ぜることで、アノード電極、カソード電極のコストを下げ、同時に、微生物燃料電池の出力を向上させています。電極部以外は3Dプリンターを使用して作成しています。

参加した生徒は、田口教授のレクチャーを受けながら熱心に発電実験に取り組みました。実験終了後には、研究の内容のみならず、「田口先生の特許は、技術移転活動もを進められているのでしょうか?」とその社会実装にまで言及した質問が出るなど、活発なディスカッションが行われました。
また、実験を振り返った感想では「今まで汚いイメージのあった泥の中の微生物を、身の回りの材料と3Dプリンターを駆使して制御することで発電までできることに驚いた」「農業や水質検査、災害時などに応用できると良いと思った」「今日のエネルギー問題と環境問題を同時に解決できる技術だと感じた」などの声が挙がり、実験や研究への好奇心や探究心を高める時間となりました。

田口教授は、環境発電技術、エネルギーハーベスティングとも言われる、光、風、熱、生物などの僅かなエネルギーを用いた発電技術の研究に積極的に取り組んでおり、中でもこの日のテーマの微生物発電はそのユニークさから、学内外から多くの注目を浴びています。

田口教授のコメント

サイエンス・テクノロジー部の皆さん、微生物燃料電池の電極作成から設置までお疲れ様でした。きっと数日で発電を開始すると思います。良い結果の報告を楽しみにしています。今回は泥水を用いた発電実験でしたが、田口研究室では土壌発電、生活排水や工場排水を用いた発電、センサーを駆動できる微生物燃料電池システムの開発もしています。

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