7月13日（木）、14日（金）の両日、立命館大学生命科学部 久保幹教授、Tran Quoc Thinh助教らがベトナムを訪問しました。久保教授らはLê Minh Hoan農業農村開発大臣らと面会、SOFIX（Soil Fertility Index：土壌肥沃度指標）技術に関する講演を行いました。また、フエ省でのSOFIX技術を活用した栽培実証や分析事業導入に向けた基本合意書に調印しました。

　SOFIX（＝土壌肥沃度指標）とは、環境微生物学を研究する久保教授が開発した農耕地土壌の診断技術です。土の中の微生物量を計測し、「みえる化」することで生物指標による農耕地土壌の診断を可能にした世界初の技術です。久保教授は、SOFIX技術で農業の新しい価値を提供するため、一般社団法人SOFIX農業推進機構 ならびに株式会社SOFIXを立ち上げています。

　久保教授らは13日にハノイ市を訪問、ベトナム農業農村開発省・大臣が主催する SOFIX 講演会に出席しました。ベトナムにおいても、土壌微生物の包括的な分析手法が十分に確立していないなかで経験や勘に頼った有機農業が行われ、農作物の収穫量が安定しないという課題を抱えています。微生物量による農耕地土壌の診断によって、農薬、化学肥料の使用量削減による生産コストの低減や農作物の品質向上が期待できることから、ベトナムではSOFIX技術が注目されています。講演会には、Lê Minh Hoan大臣やベトナム科学技術省関係者も出席し、SOFIX技術による農業について活発な意見交換が行われました。

　また14日には久保教授らはフエ省庁に招かれ、ベトナムにおけるSOFIX技術導入に向けた基本合意書に調印。今後、フエ省での具体的な栽培実証や、SOFIX分析センター開設に向けた準備が進められることになりました。