理工学部 山末英嗣教授が、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期において、「豊かな食が提供される持続可能なフードチェーンの構築」の課題で採択されました。テーマ名は「多様なタンパク質を選択できる食生活の改善に向けた手法開発(スマートな食選択のためのナッジ支援システム開発:持続可能な食行動デザインにむけて)」です。

 山末教授のグループ(理工学部 山末 英嗣 教授、総合科学技術研究機構 秋津 裕 准教授、立命館グローバル・イノベーション研究機構 光斎 翔貴 准教授、理工学部 柏倉俊介 講師)が研究代表機関となり、名古屋大学(環境学研究科谷川寛樹研究室)、東北大学(環境科学研究科松八重一代研究室)、東京大学(情報基盤センター山肩洋子研究室)、京都大学(学術情報メディアセンター森信介研究室)と「スマートな食支援コンソーシアム」を構築して5年間研究に取り組みます。

研究概要

 質の高い食生活の実現のためには、消費者に経済的なインセンティブや行動の強制をせず、自ら行動変容を促す事が重要です。本研究では、食に関する種々の情報を提供するためのAIアプリを開発することで「知のギャップ」を解消し、消費者のスマートな食行動をナッジ誘導することを目指して研究を進めます。
 本研究は5大学が協働して取り組みます。ここでは、「地理情報システムによる食生活の可視化」「食行動に関わるインベントリデータと環境情報・栄養価情報の接続」「料理の画像データから環境情報を提示できるAIアプリ開発」「自然言語処理を用いたテキスト解析によりレシピから環境情報を提示できるAIアプリ開発」「消費者が持続可能な食行動デザインを選択できるナッジ支援システムの構築」を通じて、食習慣改善に貢献する手法の開発を目指します。

山末英嗣 教授のコメント

 SIP第3期に採択され大変光栄に感じています。本研究課題は、産業エコロジー工学、環境システム工学、情報科学、経済学等、種々の学際的知見を総動員して取り組まなくてはならない重要なものです。我々のグループは研究統括だけでなく、インベントリデータの整備、ライフサイクル分析、そして新しい試みとして「ゲーミフィケーションを活用した消費者の行動変容」に取り組みます。本研究では、人の行動変容を促す仕掛けがどのようなものであるかを知るために、情報収集をおこない分析します。ゲーミフィケーションの研究はまだ日が浅いですが、教育や職場においても効果が期待される手法として注目されています。この研究を通じて、研究成果の社会実装だけでなく、新たな学術領域を開拓できるよう尽力します。

山末英嗣 教授
山末英嗣 教授
微細加工した銅表面
秋津裕 研究教員(准教授)
光斎翔貴 研究教員(准教授)
光斎翔貴 研究教員(准教授)
柏倉俊介 研究教員(講師)
柏倉俊介 研究教員(講師)

SIP第3期について

 戦略的イノベーション創造プログラム(以下「SIP」)は、基礎研究から社会実装までを見据えて研究開発を一気通貫で推進し、府省連携による分野横断的な研究開発、及びその成果の社会実装に産学官連携で取り組むことを推進しており、令和5年度からSIP第3期が開始されました。 今回、課題の一つである「豊かな食が提供される持続可能なフードチェーンの構築」が公募となり、山末教授のグループが採択されました。

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