2024.06.13 NEWS

企業のデザイン力を測定するシステム「DAM(Design Attitude Measurement)」が「デザイン白書2024」で紹介

 立命館大学デザイン科学研究所・DMLチーフプロデューサーの八重樫文教授(経営学部)らが開発した企業のデザイン力を測定するシステム「DAM(Design Attitude Measurement)」が、「デザイン白書2024(WHITE PAPER ON DESIGN 2024)」で紹介されました。

企業の「デザイン力」測定ツール開発の背景

 現在の企業を取り巻く経営環境は、VUCAに代表される不確定性の高い状況であるとされています。企業が今度も継続的に価値を生み出していくためには、既存の選択肢の検討ではなく、新しい枠組みや意味を問う活動が必要となります。そのためには、「デザイン態度(design attitude)」と呼ばれる資質を持つ個人を見つけ・活用し、企業のデザイン力を高めていく必要があります。

DAM個人用アプリの回答後の測定結果の画面

DAMの概要

 個人のデザイン的資質を測定するテストとして、DMLでは「DAM(Design Attitude Measurement)」を2022年に開発しました。DAMでは15個の質問を用いることで、以下の5つの問題解決に対する態度を測定します。
1.「実験主義(Experimentalism)」:失敗に対して恐れずに取り組む態度
2.「楽観主義(Optimism)」:状況に左右されない楽観的な姿勢を持つ
3.「可視化への信頼(Visualization)」:視覚化に対して強い信頼を持っている
4.「協調(Collaboration)」:ものごとを他者と協調して解決していこうとする姿勢を持つ
5.「共感(Empathy)」:他者の目線に立って物事を考えられる

DAMの活用方法

 個人のデザイン的資質を評価し集計することで、部署やグループ、組織全体のデザイン力を測定することができます。DAMでは部署や職能ごとの平均値を出したり、それぞれの比較分析を行うことができます。 例えば、デザイン的資質の高い人材の特定とアサイン、 個人・組織のデザイン力とその他のパフォーマンス項目との相関の分析などの活用が考えられます。DAMは個人の資質に関する基礎的な調査ツールですが、分析や比較の単位は変更可能であり、その他の指標と組み合わせることで様々な分析に応用することが可能です。

DAM管理用アプリの全体分析画面

 レポート本文は、日本デザイン振興会のWebサイトからご覧いただけます。

デザイン白書2024(WHITE PAPER ON DESIGN 2024)

 株式会社三菱総合研究所DESIGN×CREATIVE TEAM、株式会社アクシス、一般社団法人デザインシップ、その他200名を超える有識者の協力のもと、公益財団法人日本デザイン振興会が発行。各都道府県や企業、行政などのデザインに関する多様な取り組みを網羅的に取りまとめたレポート。

立命館大学は、2026年4月にデザイン・アート学部、大学院デザイン・アート学研究科(仮称)の開設を目指しています。デザイン学を一つのディシプリンとして捉え、歴史・文化都市「京都」に位置する衣笠キャンパスにおいて、未来志向の新たなデザイン学の追求とアートの技術・感性を基盤に自然科学と人文・社会科学領域を横断した教育・研究の展開を構想しています。開設に向けて、地域文化特性に応じた「創造的思考力」にも着目した教育研究活動や多彩な産官学プロジェクトの企画推進に、国内外の教育研究機関や企業とともに取り組んでまいります。

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