第66次南極地域観測隊員への派遣が決定
宇宙地球探査研究センター(ESEC)の佐伯和人教授(総合科学技術研究機構)と、理工学研究科博士課程前期1回生の谷口亮太さんが、第66次南極地域観測隊に隊員及び同行者として派遣されることが決定しました。
日本の南極地域観測隊は、1957年に1次隊が昭和基地を設立してから現在に至るまでの60年以上にわたり、地球環境の観測を続けています。
佐伯教授らは、「南極観測用ペネトレータの開発と白瀬氷河および周辺域での集中観測」を研究課題として、宇宙科学研究所の田中智教授らの研究チームの66次隊実証試験班として、南極での実験を実施します。研究グループでは、月惑星探査技術として「ペネトレータ」と呼ばれる投下貫入型の観測システムに長年取り組んできました。本研究課題では、本技術を応用し、南極域において、観測したい場所(必要な場所)での観測を実現するための技術として開発を目指しています。
佐伯和人教授のコメント
第66次南極地域観測隊員(夏隊)として、大学院生同行者である本大学理工学研究科の谷口亮太さん、高知工科大学大学院の濵島岳さんとともに12月初めから2025年2月末まで南極に行ってまいります。南極では、かつて月探査装置としてJAXAの田中智先生が開発されたペネトレータという投下型観測装置を南極の氷河に打ち込んで地震波や音波の観測を行います。地球や他の惑星の人跡未踏の地に観測装置を送り込むペネトレータの実証試験を成功させて、人類のフロンティアの拡大に貢献すべく、ワクワクしながら準備を進めております。
谷口亮太さんのコメント
歴史ある南極地域観測隊の同行者として選出していただいたことを大変光栄に思います。
小学生の頃、子ども向けの科学雑誌で南極観測隊員の手記を読み、世界の果てのような場所で自分の仕事を全うする隊員たちに憧れを抱いたのを覚えています。
それから10年以上が経過し、ロボティクスを学ぶことを選んだものの、フィールドワークへの強い思いを持ち続けた結果、極限環境下で活躍するロボットを専門とする加古川篤研究室を選びました。
南極観測隊員の同行者に選出して頂き、自分の選択は間違っていなかったのだと自信を持つことができました。今まで学んできたことを最大限活かし,チームに貢献できるように全力を尽くします。
■谷口さんの研究科での活動について、「大学院生の挑戦」でもご紹介しています。