ChatGPTと音声認識を組み合わせた多言語に対応する会話促進ツールを開発、学内で実証実験を開始
2024年1月18日(木)、大阪いばらきキャンパス(OIC)で、OpenAI社の人工知能チャットボット「ChatGPT」と音声認識の仕組みを組み合わせた翻訳ツール「BloomTalk※」の実証実験を開始しました。
BloomTalkは、言語の壁をAIの力を借りて乗り越え、会話を自由に楽しむことを目的に開発。日本語、英語のみならず、それぞれの母国語(想定50ヵ国以上)で話した内容をChatGPTの言語変換機能を利用し、日本語と英語に同時変換できる機能を有しています。この機能により、日本語、英語等の習熟度等に関わらず、お互いが円滑なコミュニケーションができ、言語で伝えづらい細かな内容も各人の母国語で伝えられるため、「言葉の壁を越えてよりよく、より深く会話を楽しめる」ことを想定しています。
OICは2024年度春より情報理工学部・情報理工学研究科、映像学部・映像学研究科が移転し、本学でもっとも留学生が在籍するキャンパスになるため、留学生と教職員、企業や自治体等とのコミュニケーション機会の増加が想定されます。
実証実験の場は、留学生も学修で利用しているOICライブラリーのサービスカウンター。図書資料の検索などに関する相談に訪れた留学生とカウンタースタッフの円滑なコミュニケーションを創出することで、より多くの学生に図書館資源を利活用してもらえる学術研究環境の構築を目指します。
今後は他キャンパスの図書館、留学生と接点を持つ各部署をはじめ、自治体の外国籍対応窓口など学外にも実証実験の場を広げていく予定です。言葉の壁を越えてお互いの意見や考えを伝えあえる社会への寄与を進めていきます。
※BloomTalkは、立命館教職員による現場での自発的で草の根(グラスルーツ)的な取組みを支援する「グラスルーツ実践支援制度」にて採択されたプロジェクト「日英二言語・多言語対応の更なる発展に向けた生成AI 利活用の取組み-留学生、そして世界をより身近に-」(プロジェクト代表:OIC新展開企画課 垰口広和さん)の一環で開発されました。立命館大学グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)第4期拠点形成型 R-GIRO研究プログラムのリサーチアシスタントの杉山滉平さん(立命館大学大学院理工学研究科博士課程)が開発し、AI技術の教育活用の研究者である山中司教授(生命科学部)が監修を務めています。
開発に携わった杉山滉平さん(立命館大学大学院理工学研究科博士課程)
このサービスの最大の特徴は、50言語以上に対応可能な音声機能にあります。音声対応の実装は大きな挑戦でしたが、その効果は非常に大きいと感じています。現在は試験的に導入しており、さらなる改善の可能性を見出していますが、BloomTalkを取り入れることで、図書館員の方々には、言語の壁を気にせず、誰に対しても同じようなサービスを提供されたり、複雑なレファレンスサービス等に注力いただければと思っています。
監修を手掛けた山中司教授(生命科学部)
この度、図書館のカウンターに導入したBloomTalkは、英語教育でのTransable導入経験を基に開発されました。このツールは、窓口業務をはじめとする多岐にわたる分野での応用が見込まれます。生成系AIを効果的に活用するには挑戦が必要ですが、業務プロセスの分析と最適化を通じて、非常に価値の高いリソースになると確信しています。