6月4日(火)、立命館守山中学校・高等学校にてデジタル保健室の公開体験会を開催しました。

 立命館守山中学校・高等学校では、多くの生徒に保健室を居心地の良い場所に変え、養護教諭等への相談のハードルを下げることを目的に、2024年1月よりメタバースや生成AIを活用した次世代の保健室である「デジタル保健室」の運用を始めました。

 この保健室では、どこからでもメタバース内で生徒同士や養護教諭との間で悩みを共有することができます。今回、新たにメタバース空間内に音声対話型AIを搭載したぬいぐるみ型のアバターを導入し、生徒が気軽に匿名で相談することが可能となりました。音声対話型AIに応対を任すことが可能となり、養護教諭は必要な生徒により深いコミュニケーションを取ることが可能になりました。

保健室とデジタル保健室
保健室とデジタル保健室
生徒の悩みを匿名で相談できる音声対話型AI
生徒の悩みを匿名で相談できる音声対話型AI

 「デジタル保健室」に続き、今回、音声対話型AIを搭載したアバターを開発したのが中井勇希さん(情報理工学部3回生)。
 (メタバース開発で保健室に新たな可能性を~情報理工学部3回生 中井勇希さん~

 体験会では、中井さんより音声対話型AIの仕組みを説明し、参加者は音声対話型AIを搭載したアバターとの対話を体験しました。

多数のマスコミ関係者に囲まれながら、音声対話型AIを説明する中井さん

 中井さんは「体験会を通じて、メタバースが社会をどう変えていくのか考える機会になれば嬉しい」。今後の目標については「今は学校内でしかデジタル保健室を利用できない(運用である)が、生徒がメタバース空間を通して、いつでもどこからでも気軽に相談できるように目指していきたい」と今後の抱負を述べました。

 体験会では立命館守山中学校・高等学校の生徒も運営側として参加し、行政、他校関係者などの体験会参加者にデジタル保健室を紹介、マスコミ関係者からの取材に応対しました。

大勢の参加者にデジタル保健室を紹介する立命館守山中学校・高等学校の生徒達
マスコミ取材に応対する立命館守山中学校・高等学校の生徒達

立命館守山中学校・高等学校 箭内副校長のコメント

 デジタル保健室に音声対話型AIを搭載したアバターが搭載されたことにより、生徒たちは気軽に相談することが可能となった。
 今後は1538名の生徒全員が一斉にアクセスできる環境を構築していきたい。心身の躓きや悩みごとがある生徒だけでなく、例えば学習の躓き、パソコンの操作方法がわからないなど、困りごとがある生徒がここにアクセスさえすれば必要な支援を受けられる、スクールコンシェルジュのようなワンストップサービスの役割も果たしていきたい。

立命館守山中学校・高等学校 山村養護教諭のコメント

 保健室に行きたくても周りの目が気になって行けない生徒がいる。また、生徒が困ったときの行き場の選択肢が保健室しかないことに課題に感じていた。コロナ禍で生徒の来室者は増加し、保健室スタッフの業務が急増する中、養護教諭として生徒に対して何ができるのか考え、保健室の「場所」と「人」をもう一度見直すことにした。保健室は生徒の居場所にしたい、そのような思いで生徒とも何度も話し合った結果、メタバースにたどりついた。メタバースはコミュニケーションのひとつであり通過点であるが、生徒が養護教諭に相談しにくるのではなく自然に足がむく場所にしたい。

参加者からのコメント

 デジタル保健室やメタな居場所が生徒の心を癒す場所として必要であることを公開体験会で認識できた。生徒はゲーム世代なので、アバターの動かし方、空間デザインなど、大人の世代が思う以上に親和性が高いと感じた。立命館守山中学校・高等学校のゲームチェンジに対する教職員の本気度や熱量を肌で感じることができ、このような大人の姿勢が生徒にも広がっていくことを期待したい。

体験会会場の様子
中井さん(左)と山村養護教諭(右)

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