11月16日(土)、立命館大学びわこ・くさつキャンパスにて、「生成AIアイデアソン 〜生成AIと教科書を活用した新しい学びを考えよう〜」を開催しました。

 本イベントは、生成AIを活用した新たな教育の在り方について、学校や塾、自宅等での新しい学び方を創出することを目的に、学生の皆さんの柔軟な発想を引き出すワークショップを実施しました。なお、今回は、東京書籍株式会社の協力のもと、同社が開発する「NewE×AI」の新規サービスの提案として実施されました。

 最初に、立命館大学生命科学部 山中司教授から「生成AIの教育利用について、なぜ高校生や大学生の考えが重要なのか」についてレクチャーをいただきました。

ワークショップの趣旨説明
ワークショップの趣旨説明
山中司教授による講義
山中司教授による講義

 講義の後、一般社団法人インパクトラボ 上田隼也氏(立命館大学客員研究員)のファシリテーションのもと、参加者は5つのグループに分かれ、模造紙に印刷された街の図を見ながら、アイデアを付箋に書き出していきました。このワークショップでは、「最初から課題意識にとらわれない」ことを重視し、「これまでの自分の経験で記憶に残っている学び方」を起点としてアイデアを展開しました。この手法は、成功した起業家の思考や行動の共通点を体系化した意思決定理論「エフェクチュエーション」の構成要素の一つである「手中の鳥」の理論を応用したもので、従来のアイデアソンとは異なるアプローチで実施されました。

   
グループに分かれて意見を出す
   
付箋にアイデアを書き出し

 アイデア出しの終了後、東京書籍株式会社が開発を進める「NewE×AI」に関する紹介、そして、実際に活用した中学2年生で学ぶ「比較級と最上級」の英語学習を体験しました。具体的には「文法」や「単語」などの学習や教科書の本文の内容などから、わからない部分の問題作成や単語テストができる機能を体験しました。体験中、参加者からは「もっと問いかけて欲しい」や「こんな先生のキャラも欲しい」と自然と様々なアイデアが出てきていました。

   
NewE全体の概要や活用例等の紹介
   
実際に「NewE×AI」を体験する参加者

 グループでのアイデア出しと「NewE×AI」の体験が終了した後、具体的なソリューション(生成AIの教育利用方法)を創出しました。そこでは、参加者それぞれが考え出したアイデアを組み合わせ、ワークシートにまとめました。その後、ワークシート内容を元にしたショートプレゼンを行いました。

   
発表の様子
   
オーディエンスの様子

 プレゼン終了後、考えた全てのアイデアについて、グループ内での評価を実施しました。その後、講師の方々からフィードバックをいただきました。

 最後に、NewE×AIを開発する東京書籍株式会社教育DX局DX事業創出本部 田中貴裕様、生成AIを授業に積極的に取り入れている立命館守山中学校・高等学校英語教諭 山内優馬先生、立命館大学生命科学部 山中司教授より、優れたアイデアを提案した3名の参加者への表彰が行われ、盛況のうちにイベントは終了しました。

表彰を受けた3名の参加者

立命館大学 生命科学部 山中司教授のコメント

 若い皆さんですから、きっと面白いアイデアをたくさん出してくれるだろうと期待したワークショップでしたが、案の定、そして想定した面白さをはるかに超えた柔軟で魅力的なアイデアの数々に圧倒されました。もちろん、実際の教育現場では様々な事情や変数があり、一足飛びに全てを実現できるわけではありません。しかしながら、できることなら出てきたアイデアの全てを実現させたい、そのように心から思いました。
 また学生や生徒の皆さんの多くが、既に経験として、生成AIを生活や学習にうまく取り入れており、既にAIと共生する社会を教育や学習の分野で実現していたことには改めて驚かされました。AIと教育は、対立するものでもなく、何かを奪い合ったりするものでもありません。うまくAIを教育の中で使いこなすことで、これまでは実現できなかった様々なことができるようになり、私たちの学びの広さと深さにとてつもない良い影響を与えてくれます。柔軟な発想で、若い皆さんと共にこの可能性を大胆に切り開いていきたい、私自身が決意を新たにできました。

関連情報

NEXT

2024.11.26 TOPICS

インカレで相撲部女子が団体準優勝、個人で柴田歩乃佳選手が優勝

ページトップへ