教員紹介

東アジア研究学域

東アジア研究学域

古代兵学思想の源流をさぐる
キーワード :
銀雀山漢墓竹簡、古代兵書、兵陰陽

石井 真美子教授

所属専攻:
中国文学・思想専攻
専門分野:
古代中国思想、出土文献
『孫子』等の古代兵書について研究しています。『孫子』は今から2500年ほど前に書かれたものですが、戦に関する極意がつまっていて、後世の兵書に大きな影響を与えました。「いかに効率よく勝利をおさめるか」に加え、前提として「戦わないことが最善」の重要性が説かれています。戦乱の時代において、従来の大義名分を掲げる立場とは異なり、実際の経験にもとづき「戦とは騙し合いである」「戦には多大な出費と犠牲がともなう」と現実主義の立場で説き、結果としてむしろ反戦の内容になっているのが奥深い点です。最近は古代兵法の一種である、呪術を応用した「兵陰陽」について、実際のどの地理・風習等に源流があるのかを研究しています。

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受験生へのメッセージ

世界は皆さんが思っているよりずっと広く深いものです。私の研究分野である古代中国についても、日々新たな資料の発見があり、学説が変わっています。大学ではぜひ多くのことを貪欲に学び、固定観念や利害等に縛られずに、広い視野を育んでほしいと思います。

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中国近世の歌謡曲の世界

萩原 正樹教授

所属専攻:
中国文学・思想専攻
専門分野:
中国古典文学、日本漢詩
中国の唐から宋の時代にかけて流行した詞という文学について研究しています。詞は言べんに「司」と書き、言べんに寺の詩ではありません。カラオケの画面などによく「作詞:誰々」とありますが、これは言べんに寺の「作詩」とは書きません。つまり詞は歌詞を指しており、唐宋時代の詞も音楽に合わせて歌われていた歌謡でした。歌謡ですから形式も多様で、また内容もラブソングや感傷的なものなどがあって、詩とは違うさまざまな特徴を持っています。漢詩というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、詞はそのようなイメージを180度ひっくり返すような、柔らかくて魅力あふれる文学です。ぜひ皆さんもこの詞の世界を味わってみて下さい。

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受験生へのメッセージ

役に立つか立たないかを尺度として学問の価値を計る人がいますが、それは間違っています。役に立つか立たないかではなく、自分にとって面白いかどうかがなによりも重要なのです。余計な情報に惑わされず、知るのが面白くてどんどん知りたくなるような専門分野を選んで下さい。

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唐代の詩人と漢籍研究
キーワード :
唐詩、漢籍

芳村 弘道教授

所属専攻:
中国文学・思想専攻
専門分野:
中国古典文学、文献学
唐代の詩を研究しています。李白、杜甫、王昌齢、孟浩然、儲光羲などの盛唐詩人や中唐詩人の韋応物と白居易の伝記と文学について考察しています。李白と杜甫については、彼らの作品集を主に研究しています。他の詩人については伝記研究を通し、それぞれの文学的特色を探求しています。また文学研究的視野を備えた漢籍研究も行っています。古籍を骨董趣味的に扱うのではなく、書籍の編著、伝来に古人はいかなる思いを抱いたのか、という考察を加えた文献学を目指しています。特に最近は中国や日本で古く出版された漢籍だけでなく、朝鮮半島の漢籍も視野に入れ、日中韓の漢籍研究を進めています。

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受験生へのメッセージ

中国の古典文学は広がりがすごいです。約紀元前8世紀からの伝統があり、詩・文・小説・戯曲・評論などとジャンルが多様で、それらが時代・社会・思想に密接に結びついており、さらに日本などの周辺国の文化に大きな影響も与えました。中国文学は幅広さと奥深さをもつ学問分野です。学び甲斐のあること間違い無しです。

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文人の日常生活から中国近世という時代の特質に迫る
キーワード :
文人趣味、档案、水資源

井上 充幸教授

所属専攻:
東洋史学専攻
専門分野:
中国近世の文化史・社会史・環境史に関する研究
中国近世、それも明清時代といっても、皆さんにはあまりピンとこないと思います。ですが『西遊記』や『三国志』などの物語をはじめ、私たちが「いかにも中国らしい」と感じる伝統文化や、中国人特有の思考方法・行動様式が生み出されたのは、まさにこの時代だったのです。私は、明清時代に生きた文人たちの日常生活や、彼らを取り巻く社会の様子、さらには当時の文化のさまざまなありようを具体的に明らかにし、それを通じて中国近世という時代そのものの面白さを伝えていきたいと思っています。

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受験生へのメッセージ

歴史を学ぶということは、文献を通じて過去に生きた人々と対話し、それによって彼らの生き方や考え方を理解することである、と私は考えます。その際に重要なのは、予断と偏見を排して謙虚に相手の話を傾聴しつつ、それがどこまで本当なのかを冷静に見極めることです。そしてそれこそが、歴史を学ぶことの難しさであり面白さでもあると思います。

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秦帝国が滅んだ本当の理由
キーワード :
秦漢時代、木簡、長城警備

鷹取 祐司教授

所属専攻:
東洋史学専攻
専門分野:
中国古代史、木簡研究
私は木簡などを使って中国秦漢時代の法律や制度の研究をしています。秦王朝は苛酷な法律で民衆を支配したと言われますが、木簡に見える法律の多くは役人の職務規定です。例えば、《罰金に処せられた者が貧乏で銭で払えない場合は労働させ、一日八銭を罰金分として受け取る。一日八銭以上を受け取ったり、銭で払えるのに払わせないで労働させた場合は、その役人を罷免する》といった細かな規定が目白押しです。法律でがんじがらめにされていたのは民衆ではなくむしろ役人だったのです。このことから、秦帝国がわずか15年で滅びたのは、法律が細かすぎて役人がそれを守らなくなったためだと最近思うようになりました。じゃあ、この国も危ない?

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受験生へのメッセージ

私が研究しているのは今から二千年程前の中国ですが、みなさんは二千年前ってまだまだ文明度の低い原始的な時代だと思っていませんか。ところが、木簡から知られる秦漢時代の法律や制度は、現代にも劣らない精緻なものでした。そんな精緻な法律は、実は、役人や徴発した民衆に業務をサボらせないようにするためのものだったのです。

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中国唐王朝の政治を宮殿の構造・機能を中心に解明
キーワード :
唐王朝、宮城、御前会議

松本 保宣教授

所属専攻:
東洋史学専攻
専門分野:
中国史、隋唐五代史
三国時代から始まる戦乱の世は、軍事・政略に秀でたカリスマ的皇帝の登場とその退場により、国土は統合と分裂を繰り返し、短命な王朝の興亡が相次ぎました。6世紀以降、全土を統一した隋唐王朝も、その余韻が色濃く残り、隋の煬帝・唐の太宗・則天武后など、個性が強すぎる面々が権力闘争の限りを尽くしました。
しかし、唐王朝も半ばごろから、資質の優れた指導者に頼る政治から、制度を固めることによって、安定した国家を維持する方向へ変質していきます。
現在の私の研究は皇帝の御前会議を舞台に、そこで演じられた皇帝・宰相・官僚・宦官達による生々しいやりとりを解明することにあります。

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受験生へのメッセージ

中国は有史以来、膨大な記録と歴史書を編纂してきました。それは少しばかりの訓練で、容易に読解できます。つまり豊穣な歴史の宝庫にアクセスできる環境が、皆さんの前に広がっているのです。一歩踏み出して、現代日本とは異質な文化・文明を体験しましょう。それは、いわば時空を離れた異世界への旅といえます。

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日韓日朝の歴史葛藤問題を解きほぐすための実証研究
キーワード :
韓国・朝鮮、日韓・日朝関係、植民地研究

庵逧 由香教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
朝鮮近現代史、国際関係史
「人が人を支配する」という暴力が最も鮮明に「制度」として表れるのが、近代の植民地支配です。明治維新のあと、日本が近代国家として国際社会に出た陰には、朝鮮や台湾などの植民地支配がありました。しかし、何千万という人を植民地支配することは、それほど簡単なことではありません。どのような制度をつくり、どのような政策を実施したのか。その時、朝鮮の人々はどのように対応したのか。その結果、朝鮮社会はどのように変わっていったのか。当時の史料や証言を分析すると、思わぬ事実や構造が浮かび上がってきます。こうした客観的な分析を通じて、日本と韓国・朝鮮の間で未だに課題となっている植民地支配の問題解決を目指します。

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受験生へのメッセージ

韓国・朝鮮について体系的に学びたい皆さん、東アジア研究学域にぜひいらしてください!韓国の学生たちと一緒に、学びましょう!

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映画の見方は様々 中国社会から読み解くのも面白い
キーワード :
中国映画、中国ドラマ、三国志演義

上野 隆三教授

所属専攻:
現代東アジア言語・文化専攻
専門分野:
中国語映画、中国古典文学
私の専門は中国の古典文学でしたが、今は中国・香港・台湾の映画を中心に据えています。20年ほど前まで中国の有名な映画監督の多くは、中国では収益があがらないため、海外で公開することを前提に作品を作っていました。海外で評判が良い歴史物(『始皇帝暗殺』『HERO』など)が多く作られたのです。しかし中国が世界第二位の経済大国に成長した現在、映画館のチケット代は日本とあまり変わらず、人口は日本の10倍。映画は中国国内だけで十分儲かる状況です。最近は芸術性の高い映画は敬遠され、中国人に人気のコメディが増えました。中国では映画やテレビ番組も経済、外交、社会の影響を受けることが多いのが興味深いところです。

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受験生へのメッセージ

他国の文化を学び、その神髄に触れるためには、言語を学ぶことと現地に行くことが必要です。日本で東アジアを学ぶ利点は、実際に現地に行くのが簡単だということです。極めて安全な国ですし、日本のことが大好きな学生さんも沢山います。文学部には中国や韓国に行くプログラムが多数ありますので、是非参加して下さい。お友達ができますよ!

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