教員紹介

日本文学研究学域

日本文学研究学域

アニメを「読む」
キーワード :
アニメ、メディアミックス、表象文化、聖地巡礼

禧美 智章准教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
アニメーション、日本近現代文学
文学研究と映像研究の手法を用いて、アニメーション作品の研究を行っています。例えば、映像にも文章と同じく文法があります。ただなんとなく撮影しただけの動画は、決して「映画」にはなりません。悲しい場面には悲しみを表現する工夫(演出)が必要です。約2時間という限られた上映時間のなかで、観客を作品に引き込むストーリー展開の工夫も必要です。また、「ミュージックビデオのように音楽と映像をシンクロさせるのが得意な監督」のように、監督の文体といったものも存在します。 そんなアニメーションの面白さの秘訣を探る。つまり、作品に使われている文法や文体を分析し、監督が作品を通して観客や社会に伝えたかった想い(思想)をあぶり出す。そんな研究を行っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

みなさんは文学と聞いて、どのような作品を思い浮かべるでしょうか? 僕は「文学」を「言葉によって心を動かすもの」と広く定義づけて研究を行っています。したがって、アニメやマンガ、映画といった国語の教科書に載っていないメディア文化も「文学」として研究対象となります。一緒に新しい文学研究の扉を開いてみませんか?

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推論過程を表す言語形式の多様性を探る
キーワード :
日本語の構造、多様性、文法教育

有田 節子教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
日本語言語学、日本語教育学
専門は「日本語言語学」、つまり、日本語を国語ではなく一つの言語として研究することです。私が飽きずに続けているテーマは「条件文」です。日本語には英語の if に相当する表現が少なくとも 4つ(「と」、「ば」、「たら」、「なら」) あり、なぜ、4つもあるのか、その分化のメカニズムを探っています。これは外国人に日本語を教える日本語教師を悩ませる文法項目の一つとしても注目されています。最近は、地域差にも関心を持ち、特に、九州方言特有の条件形式を調べています。現地でインタビューするたびに日本語の多様性を実感し、そこが面白くて、やめられません。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

相手をどう呼ぼう?人称代名詞がない日本語ではyouのかわりに名前を使います。学生時代に知り合った友人には自然に愛称を使うけれど、実は、働き始めてから親しくなった人とは、いつまでも「さん」づけになってしまい、なかなか距離が縮まりません。そう、”日本語学的にも”学生時代は貴重な時間です。

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日本語はどのように変化してきたのか
キーワード :
日本語 言語学 文法史

岡崎 友子教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
日本語学、歴史的研究
古代(奈良時代)から現代までの文法(歴史的用法・変化)、特に「これ・それ・あれ」といった指示詞や「さて」などの接続詞を中心に研究をしています。
  さて、普段、何気なく使っている指示詞ですが、「こ・そ・あ」はどのように指し分けているのでしょうか。「そこ」はどこでしょうか。また、古代でも同じように使っていたのでしょうか。このような謎に対し、現代語はフィールドワーク、古代語は歴史コーパスなどを用いて調査し、分析しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

受験の「古文」、特に「古典文法は好きじゃない!」と思っている人が多いのではないでしょうか。古代日本語も日本語であり、現代語と切り離されたものではありません。歴史的な用法や変化を知ることにより、理解することが出来、ずっと「古文」が身近なものになります。一緒に、日本語の歴史を探究しましょう。

COLUMN

「黄昏」は、「誰そ彼(そこにいるのは誰)」だった。 変わり続ける日本語、1000年の長い旅。

日本語情報学専攻

岡﨑 友子

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コーパスで日本語の実態に迫る
キーワード :
コーパス、語彙、表記

小椋 秀樹教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
コーパス日本語学、国語政策
コーパスを使った日本語の表記の研究に取り組んでいます。コーパスとは,実際に使われた言葉を大量に集めて,コンピューターで使えるようにしたデータベースです。コーパスから実例を取り出して分析することで,「ディスプレー」と「ディスプレイ」はどちらが多く使われているか,これらの表記に使い分けがあるのかといった言葉の使われ方に関する問題をより正確に明らかにできます。頭で考えていたのと違う結果や想定していなかった結果が出ることもあります。これがコーパスを使った研究の面白さです。また,このような研究成果は国語辞典の充実や言葉の教育,情報科学などへの貢献につながります。日本語研究は,意外と実用的な研究なのです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

日本語を研究していますが,大学に入学した頃に思い描いていた進路とはかなり離れたところにいます。高校生のときには想像もできない,実に多彩な研究の世界が大学には広がっています。今の考えにとらわれず,いろんな分野に触れてください。思っていたのとは違うけど,楽しく充実した学生生活,そして進路へとつながっていきます。

COLUMN

文学と工学が越境する「日本語コーパス」の学び

日本語情報学専攻

小椋 秀樹

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デジタル情報社会におけるリアルな「場」としての図書館の社会的、教育的意義について考える

久野 和子教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
図書館情報学
デジタル情報社会の中で、一時期は図書館不要論も唱えられましたが、今や公共図書館は地域活性化、まちづくりの中核として活況を呈しています。公共図書館は、静かな読書と勉強の場というイメージを脱却し、出会いと交流の場として、あらゆる人びとの生活と生涯学習を支えています。大学図書館でさえも会話や飲食のできるコモンズやカフェを擁し、学校図書館も生徒の心の居場所、交流の場ともなっています。「場としての図書館」研究は、複層的な機能と空間によって大きく変容する図書館の新たな意義と社会的、教育的価値を学術的に考察する図書館情報学の新しい分野です。なので、私は図書館の新たな可能性を開拓すべく、いつも研究に夢中になっています。

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受験生へのメッセージ

現代社会においては、人々の社会的格差や分断が拡大し、地域や家族のつながりが薄れ、環境破壊や自然災害、戦争などで多くの人々の生命と生活が脅かされています。実は、図書館はそうした課題解決にある程度寄与できる可能性と示唆を持っています。皆さんの身近にある図書館をぜひ広い視野をもって応援していただきたいです。

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人間はいかに音楽を語り、研究してきたのか
キーワード :
サウンド・アート、音楽研究史、領域横断性

小寺 未知留准教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
音楽学
楽曲を創作・演奏し、それを聴取するだけが音楽文化ではありません。多くの人が音楽について語り・考えることで、音楽文化はより豊かなものになってきました。私の研究では、アーティストや研究者が残した著述を検証し、彼ら/彼女らの価値観を明らかにするとともに、音楽文化の拡がりを描き出すことを目的としています。特に、サウンド・アートと音楽の境界線、音楽理論と音楽心理学の学際性など、ある種の「境界領域」に着目して研究を進めています。このような境界領域は、しばしば異なる価値観が出会い、ときに共鳴し、ときに反発し合いながら、新たな価値観を創り出していく現場であり、研究ではその臨場感を追体験することができます。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

大学は、音楽に限らず、「考える」訓練をする場所だと思います。「楽しい」「よくわかった」「〜だと思った」という単なる感想に留まるのではなく、ぜひともその先の一歩を踏み出す力を養ってください。

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