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立命館CLUB 【VOL.167】

立命館CLUB【VOL.167】

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■□■ 2019.7.26 立命館CLUB-立命館の“今”を届けるメールマガジン-
■□■ https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/magazine/
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立命館CLUB会員の皆様、こんにちは。

今年で1150年を迎える祇園祭。「コンチキチン」という祇園囃子の音色とともに、山鉾の駒形提灯がともり、京の都はお祭りムードに包まれました。また、7月17日(水)に前祭の山鉾巡行、7月24日(水)には後祭の山鉾巡行が行なわれ、観衆を魅了しました。
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さて、韓国・光州にて、「第18回世界水泳選手権大会」が開催され、乾友紀子さん(経営学部・2013年卒)が好成績をおさめました。7月13日(土)、アーティスティックスイミング ソロテクニカルルーティン(TR)では、92.3084点で銅メダルを獲得。さらに、7月17日(水)には、ソロフリールーティン(FR)にも出場、93.2000点をマークし、銅メダルに輝きました。世界選手権では2007年からTR・FRに分かれて実施、ソロFRでは日本勢初のメダル獲得となりました。

前号に続き、小池祐貴選手(立命館慶祥高校卒)が大活躍です。7月20日(土)・21日(日)、ロンドンにて開催された「2019 IAAF ダイヤモンドリーグ」において、男子100m決勝で9秒98(追い風)の日本人3人目となる9秒台をマーク、日本人歴代2位タイの記録です。また、同大会、男子400mリレーでは銀メダルに輝きました。

以下の番組に、校友が出演します。是非ご覧ください。
◆テレビ朝日「朝まで生テレビ!」
[日 時]7月26日(金)深夜1:40〜4:30
[出演者]
株式会社Shiftall代表取締役CEO・岩佐琢磨さん(理工学研究科2003年修了)
株式会社ミライロ代表取締役社長・垣内俊哉さん(経営学部2012年卒)
[テーマ]激論!若手起業家大集合! ド~する?!ニッポン


今号も学生や教職員の情報満載でお届けします。

読者プレゼントは、「新深草うちわ『大文字の送り火』(立命館の判入り)」です。

応募方法は最後にお知らせします。それではお楽しみください。

▼学園ニュース▼

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【1】「Ys salon『香港のアンダーグラウンド経済から考えるテクノロジーとともにある未来』」を開催

7月10日(水)、衣笠キャンパスにて、「Ys salon『香港のアンダーグラウンド経済から考えるテクノロジーとともにある未来』」を開催しました。Ys salonは、「未来の人類社会のあり方」をテーマに、仲谷善雄・学校法人立命館総長や松原洋子・学校法人立命館副総長、学内の専門家が学生・院生・教職員との対話を通じて思考を深める場として行なわれ、約60名が参加しました。
第一回目となる今回は、小川さやか・立命館大学大学院先端総合学術研究科教授をゲストに迎え、文化人類学的視点からタンザニアや香港のアンダーグラウンド経済について解説いただくとともに、香港のタンザニア人が形成している「シェアリング経済」を事例に参加者と考えを深めました。
Ys salonの詳しい様子は、特集ページにて後日掲載予定です。第2回目をお楽しみに!
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【2】情報理工学部プロジェクト団体Ri-oneが世界大会2連覇を達成

7月2日(火)~8日(月)、オーストラリア・シドニーにて、ロボットと人工知能の世界大会「RoboCup2019世界大会」が開催されました。
RoboCupは、「西暦2050年までに、サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律移動のヒューマノイドロボットのチームを作る」という夢に向かい、人工知能やロボット工学の研究を推進し、様々な分野の基礎技術として波及させることを目的としたランドマーク・プロジェクトです。
立命館大学からは、情報理工学部プロジェクト団体Ri-one(リオン)が、災害現場で効率的な救助活動を行なう方法をシミュレーションする競技「レスキューシミュレーションリーグ」を含む3部門に出場しました。約1週間におよぶ競技会や学術発表を経て、「レスキューシミュレーションリーグ テクニカルチャレンジ部門」において、見事、大会2連覇を果たしました。
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【3】ヨット部「チャレンジヨット」を開催
7月13日(土)~14日(日)、滋賀県立柳が崎ヨットハーバー沖にて、体育会ヨット部が「チャレンジヨット」を開催しました。「チャレンジヨット」は、部員の地域貢献活動として、障害のある方々にも自然を相手にしたヨットスポーツを経験してもらうことで、楽しみながら新しい世界を味わってもらうことを目的として開催、今年で27回目です。毎年、京都府や滋賀県内の養護学校・支援学校から多数参加いただいています。
当日は、エレベーターやトイレ・浴室がバリアフリー対応となった新艇庫で、障害のある方々も安心してチャレンジヨットをより一層楽しんでいただくことができました。部員たちにとっても、競技とは違った視点でヨットをとらえ、企画・運営などの全てを主体となって行なうことから、大きな責任感と日頃の活動とは一味違った達成感を得る貴重な体験となりました。
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【4】石堂陽奈さん(立命館慶祥高校2年生)が「第103回日本陸上競技選手権大会」8位入賞、「日本グランプリシリーズ札幌大会 第32回南部忠平記念陸上競技大会」で優勝

6月27日(木)~30日(日)、福岡市・博多の森陸上競技場にて開催された「第103回日本陸上競技選手権大会」女子100mに、石堂陽奈さん(立命館慶祥高校2年生)が出場、11秒89で8位入賞を果たしました。
さらに、7月7日(日)、札幌市・厚別公園競技場で開催された「日本グランプリシリーズ札幌大会 第32回南部忠平記念陸上競技大会」女子100mで優勝しました。日本選手権で2位の選手に競り勝ち、13年ぶりの高校生チャンピオンという快挙も達成しました。
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▼EVENT(公開講座など)▼

掲載しているイベントや公開講座は、天候や諸事情により、延期または中止になる場合があります。問い合わせ先やイベントホームページをご確認ください。
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【1】[@京都][有料][要事前申込]
京都歴史回廊協議会「都うちわ仕立て体験」

うちわの表面に仁和寺の御詠歌、裏面には切り絵などを飾りつけ、自分だけの「都うちわ」を仕立てましょう。
飾っていただくための団扇スタンド(国産杉)つきです。

[日 時]8月24日(土)14:00~
[場 所]仁和寺 御室会館(京都市右京区御室大内33)
[受講料]4,500円
[定 員]30名 ※先着順につき、お早めにお申し込みください。

詳細はコチラ≫

お申込はコチラ≫

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【2】[@全国][無料][要事前申込]
JMOOC講座 「教養としての言語論-言語は私たちをまやかし生きにくくさせる-」

株式会社ドコモgacco(ガッコ)が運営する⼤規模公開オンライン講座「gacco」にて、本学が提供する講座を開講します。IT環境があれば誰でも無料で受講できます。今回は、言語哲学的な考察から、ビジネス・英語教育に至るまで、様々なトピックを取り上げます。 ※2019年2月~4月実施分の再開講です。

[日 時]8月29日(木)開講
[講 師]山中司・立命館大学生命科学部教授
[学習期間]4週間程度(週2~3 時間程度)
[受講料]無料

詳細・お申込はコチラ≫

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▼EVENT(スポーツ/学芸)▼

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【1】[@岐阜][無料][申込不要]
硬式庭球部「2019年度全日本学生テニス選手権大会」
 
立命館大学からは、伊藤沙弥さん(経営学部3回生)と古賀麻尋さん(経済学部1回生)が、女子シングルスに出場します。
 
[日 時]<予選>8月8日(木)~10日(土) <本戦>8月12日(月・祝)~18日(日)
[場 所]岐阜メモリアルセンター(岐阜市長良福光大野2675-28)
[入場料]無料


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【2】[@愛知][無料][申込不要]
ハンドボール部(男子)「第58回 令和元年度西日本学生ハンドボール選手権大会」

[日 時]
8月14日(水)13:30~ 朝日大学戦
8月15日(木)10:00~ 名桜大学戦
8月16日(金)10:00~ 関西福祉科学大学戦

[場 所]スカイホール豊田(愛知県豊田市八幡町1-20)
[入場料]無料

詳細はコチラ≫

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【3】[@大阪][有料][要事前申込]
交響楽団「Summer Concert 2019」

[日 時]8月25日(日)13:30開場 14:30開演
[場 所]立命館いばらきフューチャープラザ 2階グランドホール
[入場料]前売700円 当日1,000円

詳細はコチラ≫
 
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▼輝く学生インタビュー▼

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  第137回 輝く学生インタビュー
        客席からの「オレ!」が最高のエネルギー
              フラメンコサークル Sonsonete(ソンソネーテ)
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このコーナーでは、立命館でいまを精一杯頑張り、輝いている学生や団体を紹介します。今回ご紹介するのは、フラメンコサークルSonsonete・綾田至人さん(文学部4回生・京都府出身)です。フラメンコの魅力について伺いました。
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Q.フラメンコサークルSonsonete(以下、ソンソネーテ)について教えてください。
現在、約10名の部員で活動しています。フラメンコは「踊り手」と「楽器演奏」に分かれています。私はフラメンコギターの担当です。現在、踊り手は女性の部員のみで構成されています。「ソンソネーテ」とは、フラメンコのリズム・響きなど、フラメンコ独特の「音」のことを表します。実は、入学当時、このサークルは休部状態、2回生の頃に復活させました。新たなサークル名を考えましたが、「ソンソネーテ」以上によいサークル名が思いつかず、名前は引き続き使うことになりました。

Q. フラメンコを始めたきっかけから、ソンソネーテを復活させるまでについて教えてください。
中学3年生の頃、初めてフラメンコのステージを見ました。踊り以上にギター演奏に釘付けになりました。緩急をつけ、踊りを引き立たせる演奏に「かっこいい!」と鳥肌が立ったことを今でもはっきりと覚えています。それをきっかけに、趣味でフラメンコギターを弾き始めました。高校生の頃から立命館大学にフラメンコサークルがあることは知っていて、「立命館大学入学後は、絶対にソンソネーテに入部する」と決めていました。しかし、私が入学する前にソンソネーテは休部状態になっていました。部員数の減少が原因だったようですが、とてもショックでしたね。それでも、フラメンコギターを続けたいという思いから、京都産業大学や京都外国語大学など、他大学のフラメンコサークルにギタリストとして参加させてもらい、少しずつ演奏できる曲を増やしていきました。本格的にフラメンコギターを習うにつれて、「立命館大学にもフラメンコサークルを復活させたい」と思い、2回生の頃に仲間3名とソンソネーテを再始動させました。
現在は、毎週水曜日に全体練習を行ない、昼休みや授業の合間などに自主練習を積み、技術を磨いています。フラメンコ経験者の踊り手が3名いますので、踊り手の姿勢や踊り方などを教えてもらいながら、みんなで楽しく活動しています。
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Q.フラメンコの特徴について教えてください。
情熱が溢れ出る感じやリズムを大切にしています。フラメンコには「コンパス」という、基本のリズムにいくつかのリズムパターンが組み合わさってできているフラメンコ特有のリズムがあります。このコンパスに合わせて、いかに即興で、よい踊りができるかが重要になってきます。スペイン発祥ですので、闘牛士のような振りがあったり、農作業でブドウを摘むような振りがあったりと、生活に根ざした振り付けが踊りでも表されています。なかには、サッカーのような動きをすることもあります。
また、フラメンコの演奏中、客席から「¡Ole(オレ)!」という声がかけられます。これは、「いいぞ!」という意味で、男女関係なく素晴らしいと思ったときに使います。また、女性に対しては「Guapa(グアパ)!=いい女、美人!」という掛け声もあります。日本の歌舞伎で「よっ、待ってました!」と言うように、踊り手を盛り上げるための掛け声です。客席からの「¡Ole(オレ)!」を聞くと嬉しく、踊り手はさらに情熱的に踊ります。
フラメンコ衣装に決まりごとはなく、団体ごとにアレンジを加えていることが多いですね。ソンソネーテでは、明るめの曲調では赤と黄色などの原色を使い、マイナー調の曲では真っ黒の衣装などと決めています。演奏者の衣装は黒で統一し、踊り手をより引き立たせます。

Q.どのくらいの期間で踊れるようになりますか?
新入生は「セビジャーナス」という踊りから始めます。スペイン三大祭りの1つ「春祭り」で踊られていて、ステップが決まっているため、初心者でも踊りやすい曲です。新入生は、この曲のステップなどを約2カ月で覚え、毎年7月にある「関西合同フラメンコ大会」で初舞台を踏みます。

Q.綾田さんの初舞台はいつでしたか?
大学1回生のときに、京都産業大学フラメンコサークルの伴奏者として、東京で初舞台を踏みました。京都産業大学の方に、「ギターの伴奏を勉強させてください」と連絡を取り、練習に参加した初日に、「ギタリストが足りていないので、この演奏会に弾きに来て」と、無茶振りをされたことがきっかけです(笑)。今まで趣味程度でしか弾いたことがなく、正直「無理だよ…」と思いました。しかし、当日は、プロの奏者の方が隣にいてくださり、見よう見まねでどうにか弾いていたと思います。安心感はありましたが、それはそれは緊張しましたね。一人だったら逃げ出していたかもしれません(笑)。そのステージを見ていた他大学の方からもお声をかけていただき、武者修行のように他大学の練習に参加させていただくようになりました。可愛らしい曲を選曲する大学、渋めの選曲をする大学など、各大学の特徴が出ています。それらをソンソネーテでも「こんなステージだったよ」と共有し、次のステージ作りの参考にしています。
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Q.得意な演目はありますか?
ソンソネーテがよく披露する曲に、「ガロティン」という曲があります。これは口説き歌の一つで、リズミカルで陽気な曲です。コルドベスという帽子を使って踊ることが特徴的です。初心者でも踊りやすい曲のため、発表会などで毎回取り入れています。
私自身の得意曲は、「ブレリア」です。フラメンコのなかでも華のある舞台でプログラムの最後に踊られることが多い演目です。リズムがとても速いため、それに合わせて弾くことが楽しみでもありますし、弾き終ったときの達成感はうまく言葉で表せないほどです。
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かぶっている帽子がコルドベス

Q.フラメンコの歌はスペイン語ですが、どのように習得しているのですか?
歌の担当者の多くは、大学の第二外国語でスペイン語を履修しています。最初は発音が難しいため、音を聞いてカタカナ文字に起こすことから始めます。そして、少しずつスペイン語を覚えていくのですが、フラメンコで歌われるスペイン語はアンダルシア地方の方言のため、訛りがあり、授業で習うスペイン語よりも何倍も大変なようです(笑)。スペイン語を話せる部員に「ここはどう発音するの?」と聞いている光景をよく見ます。

Q.フラメンコギターの特徴について教えてください。
クラシックギターとフラメンコギターでは、本体部分の厚さと木の質が大きく違います。フラメンコギターのほうが薄く、乾いた尖った音(音の立ち上がりが早く減衰も早い)が特徴的です。これは、踊り手の動きに対して即興で応えていかなければならないためです。歯切れのよいジャキジャキした感じの音が求められるため、軽い材質の木材が使われています。また、フラメンコギター自体を叩いてリズムを作り出すこともあり、ギターのボディを保護するためにアクリル板のような素材を張っています。

Q.フラメンコギターの楽しさはどういったところにありますか。
即興で弾いて楽しめることですね。リズムを取りながら踊り手と歌い手、手拍子の一体感で一つのステージを作り上げていくことが魅力だと感じています。哀愁漂う音は、日本の演歌にも通じるものがあると思います。子どもの頃、祖母の影響で演歌も聞いていたので、「なじみがある音だな」と感じることもありますし、スペイン発祥ではありますが、意外と日本人の耳に合う音ではないかと思います。
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Q.先ほど「即興で演奏する」とおっしゃいましたが、具体的にはどのような感じでしょうか。
踊り手は、「ここから盛り上げていくぞ」というときにお客さんには分からないような合図を出したり、足踏みでテンポをどんどん上げていきます。それに合わせてギターもかき鳴らし、最後に「ジャカジャン」とピタリと決まったときは、とても気持ちがいいですね。4拍子系や6拍子系、12拍子系と、ある程度決まったリズムがありますので、それさえ覚えておくと、言葉が通じなくても初めて会った人ともペアを組むことができます。つい先日、僕が働いているバーにプロの踊り手さんとギタリストが来店しました。ギターが置いてあるのを見つけると、初対面なのに即興の舞台が始まりました。「¡Ole(オレ)!」というタイミングやギタリストと歌い手の呼吸など、お手本のように息がぴったりで、とても楽しい時間でした。

Q.実際にフラメンコの本場・スペインへ行かれたこともあるのでしょうか。
はい、あります。「本場でギターを学びたい」と思い、昨年行きました。また、大学では文学部日本史研究学域日本史学専攻に在籍し、「慶長遣欧使節団」についての卒業論文を書きたいとも考えていました。この使節団は、スペインのアンダルシア州セビリア近辺に長期滞在したと言われていて、子孫の方々もこの町で生活しているということを知り、卒業研究にも繋げられると思ったからです。
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フラメンコ学校のクリスマスパーティーでの演奏

Q.スペインで、印象的だったことを教えてください。
実は、スペインへ出発する2日前にバイクで事故に遭い、救急車で運ばれました。幸い骨折はせず、足を7針縫う怪我でしたが、渡航は1週間延期となりました。飛行機のキャンセル料や通院費など、3年間アルバイトを掛け持ちして必死に貯めたお金がすぐに底をつく状態でした。行ったばかりで頼る人もおらず、橋の下で一晩寝たこともありました。「もう日本に帰ろうかな…」と思いましたが、「ここで腐ったらあかん!」と奮起し、日本食レストランの仕事を見つけ、まずは生活費を貯めることから始めました。フラメンコ教室のレッスンにも通えず、フラメンコを学びに来ているのに食べるのが精一杯という大変な時期でした。
ある日、川辺でギターの練習をしていると地元のおじさんが、「ハポネス?(日本人?)」と声をかけてきました。最初はいきなり話しかけてきたので怪しんでいたのですが、実は、プロのフラメンコギタリストの方で、日本の知り合いも多く、仕事で何度も日本に行ったことがある方でした。偶然、ギターを弾いているところを見かけて、話しかけてくれたそうです。これまでの経緯を話すと、「俺が教えてあげるよ」と言ってくださり、何度か川辺でレッスンもしてくれました。あのとき出会ったおじさんは、僕にとって神様でした。「神様は、本当にいるんだ!」と思いますね(笑)。
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川辺で出会ったプロのギタリスト

本場のフラメンコの舞台を何度も観て観客の熱気を感じ、まだまだ成長できると感じました。何度かステージにも立たせてもらい、「ここで『¡Ole(オレ)!』って言ってほしい」と思うところで、客席から掛け声が飛んでくる、この阿吽の呼吸は一生忘れることがないと思えるほど、嬉しかったですね。
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スペインで買ったギター

Q.将来の夢を教えてください。
来春からは観光関係の会社で働く予定です。私自身、英語・スペイン語・日本語が話せることを活かし、海外から日本に旅行に来る観光客の方々に携わる仕事をしたいと考えています。特に京都で生まれ育ったので、京都の魅力をもっと伝えていきたいと思います。また、フラメンコギターはずっと弾き続けていきたいですね。即興でステージを作り上げていくフラメンコだからこそ、仕事をリタイアした後でも「なんかちょっと弾いてよ」と言われて、サッと弾けるギタリストを目指したいですね。
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いかがでしたでしょうか。
「本場スペインに負けないくらいの『¡Ole(オレ)!』がもらえるようなステージを目指します」。スペインで語りつくせないほど多くの経験をされたという綾田さん、フラメンコギターにかける熱い情熱がひしひしと伝わってきました。フラメンコギターの音色で人々を魅了するギタリストになられる日が楽しみです。

▼編集後記▼

今回は、「合同会社しんとみ」の代表社員・中村桂介さん(産業社会学部2011年卒・大阪府出身)をご紹介します。中村さんは、宮崎県の中央部に位置する新富町から、地域資源を活用した地域おこしのチャレンジを続けています。その取り組みについて伺いました。

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立命館大学卒業後は、東京都のインターネット広告代理店に就職しました。仕事自体は楽しく、充実していましたが、自分の家庭環境の影響もあり、「地方で稼げる環境を創りたい」と思い、地方の仕事にかかわる環境を求めて転職を決断しました。その中で「一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(通称:こゆ財団)」が目に留まり、こゆ財団のある宮崎県児湯郡新富町に移住しました。
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こゆ財団は、2017年4月に「スピードまちづくり経営」を目的に設立され、行政では成し得なかったスピード感で「特産品販売」・「起業家育成」を行ないながら地域経済の創出に取り組んでいます。
私は今年の5月から特産品の開発、販売に特化するために、こゆ財団の出資を受けて設立した合同会社しんとみの代表として活動しています。
その活動のなかで「宮崎そばフロランタン」というお菓子の生産~販売に取り組んでいます。「宮崎そばフロランタン」は、もともと、日本三大秘境の一つでもある宮崎県椎葉村にある蕎麦屋さんが製造・販売を行なっていました。売り上げは順調に伸びていたものの、一人で製造できる数には限界があるため、我々も一緒に製造・販売を担うことで、地域資源の価値や生産者らの声をより多くの消費者に届け、農産物の消費拡大などを実現できると考え、プロジェクトをスタートさせました。6月1日(土)~2日(日)の二日間、羽田空港第1ターミナルマーケットプレイスで「羽田空港×宮崎新富町 ワクワク地域体験プロジェクト」と題し、試食会も開催しました。「食べ応えがある」、「蕎麦の風味、蕎麦の実の食感がいいですね!」など、大変好評をいただきました。
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この「宮崎そばフロランタン」には、栽培期間中農薬不使用の新富町の小麦粉を使用し、蕎麦粉は世界農業遺産にも認定された宮崎県高千穂町・椎葉村・新富町の蕎麦粉をブレンド、沖縄県波照間島の黒糖など、各地から良質な食材を集めて製造しています。洋菓子ではあるものの蕎麦の風味を存分に楽しめるお菓子となっています。
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まだ始めたばかりではありますが、地元での雇用を作り、蕎麦生産者の方にも還元していくような仕組みを作ることが目標です。
生産者の皆さんの地域資源にかける熱い思いや本物を届けたいという姿勢に感銘を受けることが多くありますが、多くの地域資源が埋もれてしまっており、後継者不足などで消滅の危機に瀕しています。そうした埋もれてしまっている地域資源を発見し、磨き、発信し続けることにこれからもチャレンジしていきたいと考えています。
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「これまで東京で生活していたので、新富町での生活は、正直不便を感じることも多くあります。しかし、やりたいことへ挑戦できる環境に、今でもワクワクし続けています」と話す中村さん。試食販売の成果や素晴らしい食材との出会いから、「塩キャラメル味」・「抹茶味」の製造を実現するため、クラウドファンディングにも挑戦。「地域で愛されているお菓子を全国に届けることで、宮崎県から日本中を元気にしたい」と中村さんの挑戦は続きます。

宮崎そばフロランタンのホームページはコチラ≫

(立命館CLUB事務局 坂東)

▼第167号読者プレゼント▼

今回は、「新深草うちわ『大文字の送り火』(立命館の判入り)」3名様にプレゼントします。
このうちわの絵は、幕末頃に「三本木丸太町」あたりから送り火を見物している客の視点で描かれています。
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プレゼントをご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします。

 <応募締切:8/5(月)>

【パソコンの方はコチラ】

【携帯電話の方はコチラ】

※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記のうえ、立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。

 応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp)
 応募必要事項
 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: 
 (3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想:
 (5)プレゼント発表時の氏名公開:可  否
  (否の場合はイニシャルで表記いたします。
   ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)

▼166号読プレ当選発表▼

多数のご応募ありがとうございました。166号の読者プレゼント当選者の発表です。
プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。

・ぱんだままさん(愛知県)・りつおのママさん(神奈川県)・カタコさん(新潟県)

次回のご応募もお待ちしています。

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次回配信予定は8月9日(金)です。お楽しみに。
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