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立命館CLUB 【VOL.42】

立命館CLUB 【VOL.42】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━VOL.42━━
■□ 2014.1.24
□■ 立命館CLUB-立命館の“今”を届けるメールマガジン-
■□ https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/magazine/
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 立命館CLUB会員の皆様、こんにちは。

 1月中旬の週末は、全国各地で「成人式」が行なわれました。
 滋賀県大津市の成人式では、羽田健太郎さん(情報理工学部2年)
 が新成人の代表挨拶に立ち、「大人になる責任」について述べま
 した。

 また、福島県出身の斉藤怜さん(産業社会学部2年は、故郷・
 福島県いわき市の成人式に出席しました。震災後、神戸に自主
 避難し、なかなか帰省することもできなかった斉藤さんは、今
 まで避けてきた放射能の話にも向き合っていかなくてはならな
 いと考え始めているそうです。

 斉藤さんは、1月30日(木)23:00から放送の「『東北発・未来塾』
 エネルギーのチカラ」(NHK Eテレ)に出演予定です。

 いよいよ来月からは立命館大学の入学試験が始まります。新入生
 を迎える日も、もう間近ですね。

 今号も学生や教職員の情報満載でお届けしたいと思います。
 読者プレゼントは、「相撲部・山中未久さんのワールドチャンピ
 オンTシャツ」です。

 応募方法は最後にお知らせします。お見逃しなく。
 それでは最後までお楽しみください。

▼学園ニュース▼

【1】大阪いばらきキャンパス 整備状況のご報告

 大阪いばらきキャンパスの開設まで、450日を切りました。
 昨年11月から建物の骨組みとなる「鉄骨」の組み立てが進んでい
 ます。大型クレーンを用いた高所の取り付け作業も順調に進み、
 見る見るうちに建物が組み上がっています。

 学舎棟の一部はすでに最上階の9階まで鉄骨が組み上がっています。
 屋上から遠くまでよく見渡すことができ、南東方向を臨むと生駒山、
 西方向を臨むと万博記念公園の太陽の塔を見ることができます。

 

 この組み立ては、2月末まで続く予定です。その後は、外壁と内装
 工事へと進むため、シートに包まれてしまいます。ぜひ、それまで
 に大阪いばらきキャンパスの様子をご覧ください。

 2014年は、建設工事や茨木市や大阪での各種企画などがより本格化
 していく1年となります。今後も随時、立命館CLUBでもご紹介します。

 写真つきの詳細はコチラ≫
 https://www.ritsumei.ac.jp/rs/r2020/campus/oic/blog/article.html/?id=35

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【2】立命館大学アート・リサーチセンター特別講座 仕舞と講演
  「日本伝統芸能の国際化~世界文化としての能楽~」を開催


 1月8日(水)、衣笠キャンパスにおいて、「日本の能」の国際化に
 ついて仕舞と講演を通じて考える特別講座「日本伝統芸能の国際
 化~世界文化としての能楽~」(主催:アート・リサーチセンター)
 を開催しました。

 冒頭に、衣笠総合研究機構プロジェクト研究員でイタリア人の
 ペレッキア・ディエゴ(髙谷大悟*)氏は、「日本の能」を成り
 立たせる制度に関する研究成果について講演しました。

 
 
 その後、ペレッキア氏は師匠である金剛流宇髙通成師と対談を行
 ない、日本の能楽がどうあるべきかについて意見交換しました。
 あわせて、ペレッキア氏・宇髙通成氏らによる能楽の実演(仕舞)
 も行われ、国境を超えて広がる能楽の魅力を五感で体験できる機
 会となりました。

 *師匠の宇髙通成氏からいただいたお名前

 当日の様子・詳細はコチラ≫
 http://www.ritsumei.jp/pickup/detail_j/topics/12518/date/1/year/2014

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【3】就職活動の本格化にあわせ、経済学部が就職活動応援企画
  「実践と学び編(メントレ)」を開催


 2013年12月に企業の採用広報がスタートとなり、3回生の就職活
 動が一斉に始まりました。まずは、志望の業界・会社・仕事に出
 会うために、会社説明会や各企業の選考にエントリーしています。

 そんな学生を支援するために、経済学部では学部独自の就職活動
 応援企画「実践と学び編(メントレ)」を1月11日(土)・12日
 (日)に開催しました。

 本企画は、「なぜ学ぶのかを考えることは、自分を考えることで
 あり、それは、なぜ働くのかにつながる」をコンセプトに、経済
 学部同窓会の支援のもと、今年度から開始した取り組みです。

 昨年5月・7月に第1弾として、自己PR文を題材にしてグループ
 ワークを行う「自己分析と学び編」を開催し、10月の第2弾では、
 模擬面接を通じて学生の大学生活を振り返る「面接と学び編」を
 実施してきました。

 第3弾となる今回は、全国から約70名のOB・OGが後輩を支援しよう
 と駆けつけ、「働くことの意味と自己の価値を社会のなかでどの
 ように活かすかについて真剣に考えてもらうこと」を目的に、
 グループワーク・面接・ディスカッションを2日間に渡り行ない
 ました。

 


 当日の様子や詳細はコチラ>>
 http://www.ritsumei.jp/pickup/detail_j/topics/12531/date/1/year/2014

 なお、定期試験が終了する2月以降は、学内企業研究会が開催され
 るなど、各学部とキャリアセンターが連携して学生の就職活動を
 支援します。また、父母教育後援会の支援のもと、全国11会場で、
 地元の有力企業を招聘した説明会・面談会も実施します。

 詳細は、キャリアセンターのホームページをご覧ください。
 https://www.ritsumei.ac.jp/career/

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【4】「国際PBLによるイノベータ育成プログラム」
   キックオフカンファレンスを開催


 1 月18日(土)、「国際PBLによるイノベータ育成プログラム」のキ
 ックオフカンファレンス「国際イノベータが結ぶ東南アジアと日本」
 を開催しました。

 本プログラムは、ASEAN地域が抱える政策課題・社会問題の解決に
 向け、同地域の学生と本学学生が協働し、「思考ミックスの能力」
 (技術思考・ビジネス思考・制度デザイン思考)等を身につける
 ことを目的とする、国際PBL(Problem-Based Learning)を軸と
 した教育プログラムです。

 

 この日は、記念すべきキックオフカンファレンスとして3名のゲス
 トをお迎えし、基調講演・パネル討議を行ない、ASEAN地域の現状・
 ポテンシャル、そして本プログラムの意義について、意見交換しま
 した。

 会場は立ち見がでるほどの超満員、約4時間にわたる企画にも関わ
 らず、大半の方々が最後まで熱心に聴講され、本プログラムへの関
 心の高さがうかがえました。

 第1部 基調講演
 テーマ:「関西からみた東南アジア」 
 登壇者:前原誠司元外務大臣・衆議院議員

 第2部 パネル討議
 テーマ:「国際PBLでつながる日本と東南アジア」
 登壇者:
 ・前原誠司元外務大臣・衆議院議員
 ・プラティクノ博士
 (インドネシア・ガジャマダ大学学長)
 ・ニティナント・ウィサウェースアン博士
 (タイ・タマサート大学副学長)
 ・川口 清史立命館総長
 ・ 文  京洙立命館大学国際関係学部長 
 ・重森 臣広立命館大学政策科学部長

 詳細はコチラ≫
 http://www.ritsumei.jp/pickup/detail_j/topics/12532/date/1/year/2014

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 その他学園ニュースはコチラ≫
(学園HEADLINE NEWS)
 http://www.ritsumei.jp/news/index_j.html?year=2014

(学園PICK UP)
 http://www.ritsumei.jp/pickup/index_j.html?date=1&year=2014

▼EVENT(公開講座)▼

掲載しているイベントや公開講座は、天候や諸事情により、延期
 または中止になる場合があります。問い合わせ先やイベントホー
 ムページをご確認ください。

※[要事前申込]の場合は、各問い合わせ先にご連絡ください。
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【1】[@東京][無料][要事前申込]
  「京あるきin東京2014 京都の大学による特別講座」

 世界に誇る「大学のまち」「学生のまち」京都。
 歴史・伝統・文化等、京都について深く学べる3日間、京都の
 11大学・1団体が特別講座を行います。1講座からご参加いた
 だけます。

 本学からは、本郷真紹・総長特別補佐(文学部教授)が「桓武
 天皇と平安京」と題した講座を開きます。本郷先生の講座は
 いつも大変好評です。参加をご希望の方はお早めにお申込み
 ください。

 [日 時]2月14日(金)~16日(日)
  ※本郷先生の講座は2月14日(金)12:30~14:00です。

 [場 所]京都造形芸術大学・東北芸術工科大学外苑キャンパス
      (東京都港区北青山1-7-15)
 [受講料]無料
 [定 員]各講座先着160名

 申込方法や詳細はコチラ≫
 http://www.ritsumei.jp/topics_pdf/admin_bd8bfc1419dd177c6c7ba0118232649f_1389917156_.pdf

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【2】[@京都][有料][要事前申込]
 京都漢字探検隊「第37回 数と漢字」


 「数のカリスマ」と言われる小田敏弘先生(数理能力評価機構
 主任研究員)をゲスト講師として招き、「数字・計算と仲良く
 なる方法」をご案内していただきます。

 「四」は元々、横棒四本だった?「木・林・森」のルールとは?
 数に関する漢字を学んでみませんか?

[日 時]2月16日(日)
     第1部 10:00~11:30 
     第2部 13:00~14:30 
     第3部 15:00~16:30

[場 所]立命館朱雀キャンパス1階 多目的室
[受講料]500円(小学生以上 資料代)
[定 員]各回先着50名

 申込方法や詳細はコチラ≫
 https://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/sio/img/pdf/kyo37tirasi.pdf

 ※3月9日(日)には、「第38回 むかしの漢字を書いてみよう」が
  開催されます。ぜひご参加ください。

 詳細はコチラ≫
 https://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/sio/img/pdf/kyo38tirasi.pdf

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【3】[@京都][無料][申込不要]
 立命館大学映像学部・映像研究科「2013年度立命館映像展」 


  映像学部・映像研究科は、2013年度卒業生・修了生による卒業
 制作・修士制作合同展示・上映会を開催します。
 期間中は、映画・ドキュメンタリー・民族誌映画・CGアニメー
 ションなどの上映、およびゲーム・デジタルアーカイブ・メディア
 アート作品など体験型映像作品の展示など計73作品を上映・展示
 します。

 映像学部・研究科の学生・院生の作品をぜひ体感してください。
 上映・展示時間やプログラムなど詳細については、下記URLを
 ご確認ください。映像学部HPにも掲載されています。

[日 時]2月19日(水)~2月21日(金)

[場 所]T・ジョイ京都 上映/シアター6 
             展示/studio LiVLa(シアター5)
[入場料]無料
[お問い合わせ]
 立命館大学映像学部事務室 TEL:075-465-1990
 HP: https://www.ritsumei.ac.jp/eizo/index.htm
    (情報の更新やその他イベント情報を掲載しています)

 詳細はコチラ≫
 https://www.ritsumei.ac.jp/eizo/event/140121_eizouten.pdf

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 その他の公開講座はコチラ≫
 https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/event/
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▼EVENT(スポーツ/学芸)▼

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【1】[@京都][無料][申込不要]
 交響楽団 フェアウェルコンサート2013


 立命館大学交響楽団が今年度の活動の締めくくりとして開催する
 フェアウェルコンサート。卒業を目前に控えた4回生は学生生活
 の集大成としてこのステージに挑みます。

 [日 時]2月8日(土)開演 19:00  (開場 18:00)
 [場 所]京都コンサートホール 小ホール
      (アンサンブルホールムラタ)
 [料 金]無料/申込不要 
     *誠に勝手ながら未就学児の入場はご遠慮頂いています
 [指 揮]高倉 寛人 (学生)
 [曲 目]ドヴォルザーク/スラブ舞曲より第7番・第8番
      スメタナ/連作交響詩「わが祖国」よりモルダウ
      ブラームス/交響曲第1番ハ短調

 詳細はコチラ≫
 http://ruso.s297.xrea.com/img/farewell2013.jpg

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【2】[@香川][無料][申込不要]
 女子陸上競技部「香川丸亀国際ハーフマラソン」


 今年は阪田愛子さん(経済学部2年)が出場します。阪田さんは
 「2013まつえレディースハーフマラソン」で入賞、招待選手として
 の出場です。

 起伏が少なく、好記録が出やすい「超高速コース」といわれて
 いる大会です。

 [日 時]2月2日(日)10:35スタート ※雨天決行
 [場 所]香川県立丸亀競技場付属ハーフマラソンコース
 [入場料]無料

 詳細はコチラ≫
 http://www.km-half.com/

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【3】[@千葉][無料][申込不要]
  女子陸上競技部「第49回千葉国際クロスカントリー大会」
 

 陸上競技のクロスカントリー国内2大大会の1つで、国内外のトップ
 ランナーが多数参加します。本学からは渡辺真央さん(経済学部2年)
 が出場します。

 また、本大会は「第19回世界学生クロスカントリー選手権大会」
 の日本代表選手選考会を兼ねています。

 [日 時]2月9日(日)一般女子は14:00スタート
 [場 所]千葉市「昭和の森」
 [入場料]無料

 詳細はコチラ≫
 http://www.city.chiba.jp/shimin/seikatsubunka/sports/kokusai-xctop.html#kurokan-top

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【4】[@大阪][有料][申込不要]
  バトントワリング部
 「第39回全日本バトントワーリング選手権関西大会」


 3月に名古屋で行われる全日本選手権の関西大会です。バトン
 トワリング部はOB・OGを含めた「立命館バトンチーム」として
 過去数々の賞に輝いてきました。昨年は夏の国際大会や9月・
 12月の全国大会を制しました。本学が誇るバトントワラー達の
 華麗な演技をご覧ください!

[日 時]2月8日(土)15:00~
      2月9日(日) 9:00~

[場 所] 舞洲スポーツアイランド内 舞洲アリーナ
[入場料]一般1000円(2日通し券)
     8日は14:00~、9日は9:00~会場で販売しています。

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 その他のスポーツ・スケジュールはコチラ≫
 https://www.ritsumei.ac.jp/event-sports/sports/schedule.html/

 その他のイベント・スケジュールはコチラ≫
 https://www.ritsumei.ac.jp/event-sports/event/schedule.html/
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▼輝く学生インタビュー▼

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 第29回 輝く学生インタビュー
   「被災地の子ども達を笑顔にしたい
     -学部での学びを活かした社会貢献のカタチ-」
               被災地スポーツ教育支援チーム
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 このコーナーでは、立命館でいまを精一杯頑張り、輝いている
 学生や団体を紹介していきます。

 今回は、「被災地スポーツ教育支援チーム」のみなさんにイン
 タビューしてきました。このチームはスポーツ健康科学部の院
 生・学部生で構成されており、一昨年、運動不足に悩む被災地
 の中学生の体力測定やスポーツ指導に取り組みました。

 プロジェクトの概要や普段の学びを活かして、どのように被災
 地で支援してきたのかなどを伺ってきました。インタビューに
 答えてくれたのは、以下の4名の方です。

 みなさん、スポーツ健康科学部の4回生です。

 五十嵐 瞭 (いがらし りょう・滋賀県出身)
 勝馬田 彩香(かつまた さえか・岩手県出身)
 藤江  隼平(ふじえ  しゅんぺい・愛知県出身)
 正村  優也(まさむら ゆうや・大阪府出身)


 
   写真左から五十嵐さん・藤江さん・正村さん・勝馬田さん

Q:活動について教えてください。

 一言で表すと被災地の中学生に対して体力測定とトレーニング指導
 を行う活動です。
 いま被災地の子ども達が抱える課題の一つに、運動機会と運動場所
 の減少による「慢性的な運動不足」があります。

 今回の活動場所となった大船渡市立第一中学校では、震災の影響で
 グランドに仮設住宅が立ち並び、体育の授業や部活動が満足に行え
 ていない状況でした。大船渡市と立命館大学が「災害復興に向けた
 連携協力に関する協定」を結んでいることもあり、そういった現状
 を知り、「改善に向けて何か行動を起こそう」という思いで一致し
 た院生2名・学部生4名の計6名が集まり、プロジェクトがスタート
 しました。この取り組みには、スポーツ健康科学部の家光素行准教
 (※)をはじめ4名の先生方がサポートしてくださいました。

(※)家光准教授は、生活習慣病予防に役立つ運動・食事(サプリメ
   ント摂取)方法の開発などを主に研究されている先生です。


Q:プロジェクトは、どのように進めていたのでしょうか。

 まずは、生徒の体力が低下しているか現状を認識することにしました。
 2012年2月に現地を訪問し、中学生244名を対象に体力測定を行い、
 そのデータを解析しました。

 次に全国の中学生と比較して、どれだけ体力低下が起きているのか
 を図示しました。このデータをもとに現在の運動環境を考慮した
 「限られた場所でも行える運動プログラム」を考案し、トレーニング
 指導を行いました。

 
   柔軟性の測定風景

 その後、6月に再度訪問し、トレーニング効果を測定しました。
 最後に、一連の測定データをもとに個人別のフィードバックシートを
 作成しました。3つの指標が平均と比べてどのような状況なのかを
 まとめるとともに、生徒それぞれに合ったトレーニング方法を提案
 しました。

Q:初めて被災地を訪れた時の印象はいかがでしたか。

(藤江くん)
 テレビで放送される映像を見てある程度想像はしていましたが、
 それを上回る強烈な印象でした。特に印象に残ったのは、道に残され
 た歩道橋でした。その歩道橋は、両端の階段が骨組み部分しか残って
 いませんでした。それを目の当たりにした時、「津波がきて街を全て
 流していったのだ」と実感が湧き、衝撃が走りました。

(五十嵐くん)
 街の状況に比べて、生徒のみなさんの元気な様子に驚きました。現地
 に行く前は「落ち込んでいたらどうしようとか、どのように声をかけ
 ようか」などとメンバー同士で相談していましたが、実際に測定を始
 めると体育館を縦横無尽に動き回って騒いでいたので驚きました。
 もちろん、表情に出さないだけで、色々複雑な思いもあったと思い
 ますが、笑顔で楽しんでくれて安心しました。

Q:どういう項目でデータを分析されたのですか。

 持久力と筋力と柔軟性の3項目です。体力の構成要素といわれるこの
 3項目は、文部科学省の新体力テストにも含まれています。日常生活
 においても大事な指標となりますし、測定・評価がしやすいことも
 特徴です。

 
   長座体前屈により柔軟性を測ります

 筋力は「20秒間腕立て伏せ」、柔軟性は「長座体前屈」、持久力は
 「シャトルラン」という方法で測定しました。「長座体前屈」という
 のは、前屈した時のつま先から手の先までの距離を測ります。「シャ
 トルラン」というのは、音楽に合わせて20mを何度も往復していく
 ものです。音楽のスピードを徐々に速めていき、何往復できるか
 持久力を測定する方法です。

Q:測定の結果、全国中学生平均と比べるとどのような特徴が
  出ていたのでしょうか。


 やはり大船渡市の中学生は、全ての項目について平均値よりも低い
 結果が出ました。柔軟性については、統計的にみると誤差の範囲に
 収まりましたが、持久力・筋力については明らかな差が生じています。

Q:何か原因があるのでしょうか。

 ひとつは、運動場所がグランドから体育館に変わったことです。周
 回距離も短いですし、全校生徒の体育を1つの体育館で行うことは
 困難です。その結果、クラブ活動の練習を校外で行い、練習メニュ
 ーを変更するなどの必要が生じました。また、昼休みや放課後に運
 動していた子が運動しなくなるなど運動習慣も減ってしまったそう
 です。

 2回目の訪問時には、活動量計による調査も行いました。活動量計
 とは、その人が一日にどのくらいカロリーを消費する活動をしている
 のかを測定するものです。この解析結果でも、平均的な中学生の
 身体活動量よりも低い結果が出ました。遊ぶことのできる場所も限
 られているせいで、カロリー消費そのものが少なくなったのだと思
 います。

Q:どのようなトレーニングメニューを提案されたのですか。

 メニューの提案にあたっては、体育や理学療法士の先生など、専門
 家の方々にもご協力をいただきました。スポーツ健康科学部の田畑
 泉学部長が考案したTABATAプロトコール(※)を応用して、柔軟
 性で8パターン、筋力で7パターン、持久性で6パターンと1パターン
 20分程度で終わるプログラムを考えました。このトレーニングパタ
 ーンを、生徒が鍛えたい目的にあわせて組み合わせ、合計60分間の
 オリジナルトレーニングメニューを考え、4ヶ月間、実践してもらい
 ました。

(※)TABATAプロトコールとは、短時間で極めて高い運動効果が
 得られるトレーニング方法です。高強度(続けて行えば50秒程度で
 疲労困憊に至るような強度)の運動20秒-休息10秒を1セット
 として合計8セット(計4分間)行う、科学的にメカニズムを証明
 されたインターバルトレーニングの一種。

 基本的には①狭い場所でも②短時間で③楽しくできる(みんなでで
 きる)という3点をポイントに考えました。また、ペアで行うこと、
 専門器具が必要ないことも重視しました。ペアで行うことは、生徒
 同士の触れ合う機会を増やし、一人で行うよりも会話も生まれて断
 然楽しいですし、運動習慣の継続につながるという発想からです。

 
   ペアになってのトレーニング指導

 例えば、ペアになって、一人が寝転がり、もう一人が足首の辺りに
 跨って立ちます。立っている人がジャンプした瞬間に、下に寝てい
 る人が足を開きます。その足の間にジャンプしている人は着地しま
 す。これを交互に繰り返し行います。

 他にも、ペットボトルを振り続けて筋力をつけるなど、場所を選ば
 ず、身の回りにあるものを利用したトレーニングを紹介しました。

Q:トレーニングの結果、どんな変化が表れたのでしょうか。

 トレーニング前と後では、断然に結果が良くなり、全ての項目が全
 国平均にほぼ並びました。私達の提案に、学校の先生方が運動を継
 続できるようなフォローをしてくださったからこその成果だと思っ
 ています。

Q:中学生や現地の方々の反応はいかがでしたか。

 やはり子ども達にとってスポーツは重要なのだと実感しました。
 子ども達が一番笑顔を見せてくれたのは、スポーツをしている瞬間
 でした。シャトルランの時の生徒同士が必死に競いあう姿は、微笑
 ましかったです。「スポーツを通して、子ども達が笑顔になれる
 瞬間を増やしていきたい」と思いました。

 また、この取り組みに対する岩手県内での関心は高く、テレビ岩手
 でも放映され話題をよびました。10月には大船渡市から委託され、
 大船渡市立猪川小学校の保護者の方を対象に、セラバンドを活用し
 たトレーニング指導を行いました。運動習慣が減ってしまったのは、
 生徒だけでなく、保護者の方も同じです。授業で習ったことを生か
 して、1時間弱で実践できるプログラムを考案しました。この時は、
 短い時間で、トレーニングの大切さや体を動かすことの楽しさを
 どのように伝えるのか非常に苦労しました。

Q:今回の活動資金はどのようにしていたのでしょうか。

 この点は、かなり苦労しました。自分達でやりたいこと・やるべき
 ことは決まっていましたが、現地に行くための交通費が1つの壁に
 なっていました。

 1回目の訪問時の交通費は、先生方から資金を頂戴して賄いました。
 その後、正課で学んだことを発展させていく活動を支援する「学び
 のコミュニティ集団形成助成金」に採用され、この奨学金により、
 無事に2度目の現地訪問も実現でき、活動をやり遂げることができ
 ました。

Q:今回の活動を通じで学んだことや自分自身の変化について
  教えてください。



 

(勝馬田さん)
 私は、もともと子どもと接することに慣れておらず、少し苦手意識
 がありました。どう接すれば良いのか、常に自問自答しながら、行
 動していました。あまり表情が豊かな方ではないので、子ども達に
 「ぶっきらぼう」に思われないかと不安でしたが、何度もやり取り
 を繰り返していくうちに、徐々に気持ちが通じることも増えてきて、
 少し自信を持てるようになりました。

(正村さん)
 個人的な話になりますが、先生や院生の方々など自分よりも知識が
 豊富な上の世代の方々と一緒に仕事をした経験が少なく、かなり気
 を遣いました。最終的には、理学療法士の方や外部の協力者を含め
 20名程のプロジェクトになりました。指示されたことを行うだけで
 はなく、自分達が考えたことを伝えるというプロセスに苦労しました。

(五十嵐さん)
 僕は保護者対象のプログラムを担当しました。実際には保護者に限
 らず、小さいお子さんから年配の方まで幅広い年齢層が集まりまし
 た。そのため一律にトレーニングを行うことができず、運動プログ
 ラムの負担が大きい方には、少しテンポを落とすことをアナウンス
 したり、子ども達に飽きさせない工夫をするなど、臨機応変に対応
 する練習になりました。

(藤江さん)
 非常に充実した施設と環境で学ばせていただいたのですが、それを
 実践に生かす機会が少なかったため、今回がとても良いアウトプッ
 トの場となりました。これまでの学びを生かすこともできましたし、
 どのようにトレーニング指導すればよいのか、少し理解できた気が
 します。

 中学生に、「何で?」と素朴に色々と聞かれることが多く、自分が
 どの程度理解が出来ているのかリアルに把握でき、自分の勉強不足な
 ところにも気づき、今後もさらに勉強していきたいという気持ちが
 強くなりました。

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 いかがでしたでしょうか。

 4名ともにスポーツ経験者で、スポーツを通じて人々の健康を促進
 することやスポーツトレーニングの指導を体系的に学びたいと入学
 を決意されたそうです。まさに4年間の学びの集大成ともいえるプ
 ロジェクトを実現させました。

 スポーツ健康科学部の第1期卒業生として、4月からそれぞれの
 道に歩みだします。「卒業後もスポーツを通じて社会に貢献したい」
 と語る彼らのこれからが楽しみです。

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▼編集後記▼


 今回は、競技かるた永世クイーンの楠木早紀さん(2012年産業
 社会学部卒・大分県出身)をご紹介します。
     
 立命館大学校友会の会報「りつめい」に掲載された楠木永世クイーン

 楠木さんは2005年、史上最年少の15歳で「競技かるたクイーン」
 に輝いて以来、立命館大学在学中もクイーンの座を守り続けてき
 ました。

 そして、10連覇がかかった「小倉百人一首競技かるた第58期ク
 イーン位決定戦」が今月11日、大津市の近江神宮で開催されま
 した。
 
 クイーン位決定戦は全3戦のうち2勝した方が優勝です。1回戦
 を勝った楠木さんは2回戦も順調に札を取っていきました。い
 よいよ「あと1枚取れば勝ち」という場面、読まれた句は坂上
 是則(31番)の「朝ぼらけ 有明の月と みるまでに 吉野の
 里に ふれる白雪」でした。上の句が読まれた瞬間、両者ほぼ
 同時に手が伸びたと思われましたが、楠木さんがわずかに早く、
 見事10連覇を成し遂げました。

 試合後のインタビューでは11連覇への挑戦について明言を避け
 ましたが、「10連覇できたんだという達成感でいっぱいです」
 と笑顔で話していました。
 
 立命館大学卒業後、福岡県の大学院に進学した楠木さんは、4月
 から小学校の先生になると聞いています。「老若男女を問わず
 一緒にできる競技かるたの魅力を教え子たちに伝えていきたい」
 と話しています。

 過去に、楠木さんが所属していた立命館大学かるた会のインタ
 ビュー記事を掲載しています。ぜひご覧ください。

 かるた会のインタビュー記事はコチラ≫
 https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/magazine/article.html/?id=45&No=40#article05

(立命館CLUB事務局 向山)

▼第42号読者プレゼント▼


 今回は、「相撲部・山中未久さんのワールドチャンピオンTシャツ」
 を2名様にプレゼントします。昨年10月にロシアで開催された世界
 大会での優勝を記念して製作されたオリジナルグッズです。

 

 プレゼントをご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
 なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします。

 <応募締切:2/10(月)>
 https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-oekcs-56c4828b83b7298508e5197dc24b61ce

 ※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記の
  うえ、立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。

 応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp)
 応募必要事項
 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: 
 (3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想:
 (5)プレゼント発表時の氏名公開:可  否
  (否の場合はイニシャルで表記いたします。
   ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)
 (6)ご希望のサイズ(M・L)

▼第41号読プレ当選発表▼

 多数のご応募ありがとうございました。
 第41号の読者プレゼント当選者の発表です。 
 プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。

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 ★・本&トートバック        ★
 ★  ちゅんなんさん  (千葉県)  ★
 ★・京扇子            ★
 ★  maromam  さん(岡山県)  ★
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 次回のご応募もお待ちしています。

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次回配信予定は2月14日(金)です。お楽しみに。
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