2012.09.20

クレアチンリン酸って、何??

Hamaです。

 先週、有酸素能を評価するために利用する筋肉内のクレアチンリン酸の

お話をしました。


クレアチンリン酸は、クレアチンという化合物とリン酸が結合した物質です。

 クレアチンは
グリシンとアルギニンのグアニジノ基とS-アディシルメチオニンの

メチル基から生合成されます。
 
 その後、クレアチンキナーゼという酵素の働きによりアデノシン3リン酸(ATP

から、リン酸分子を1つ受け取り、クレアチンリン酸が合成されます。

 このクレアチンリン酸は、筋肉が収縮する時に必要なATPを再合成する時に、

自分の持っているリン酸1つをアデノシン二リン酸(ADP)に与えます。
 また、クレアチンは、運動中に失ったリン酸1つをATPからもらうことにより、

クレアチンリン酸に戻ることが出来るのです。この過程は、有酸素的に

進むのでしたね。

 現在では、筋収縮の直接的エネルギー源はATPだということがわかっていますが、

以前には、クレアチンリン酸が、直接的エネルギー源だと考えられていた時代も

あるほどです。

 

 クレアチンリン酸は、モル質量もATPの半分以下なので、細胞内でも
比較的移動しやすく、ATPの代わりにエネルギー源を運ぶのにも便利なようです。
この機構をクレアチンリン酸シャトルといいます。


【クレアチンの合成】


引用⇒リッピンコット シリーズ イラストレイテッド 生化学 丸善出版

【Hama】