[ international ] の記事一覧

2017.11.22

マドリッドにて

スペインの首都マドリッド。
周囲の人たちから、美術館が“かなり”充実していると聞いていました。ちょうど時間を見つけられる日があったので、夕方からでしたが出かけてみました。

マドリッドの街中を歩いていて最初に出会ったのは、スリの二人組でした。気配を消すことができるらしく、まったく気づきませんでした。すごい技の持ち主たちです。しかも、海外に出かけて初めてのことでした。
歩いていて私が突然変な動きをしたせいで、彼・彼女の手?が背中に当たって存在に気づきました。リュックは15センチほど既に空けられていました。ただ、リュックの中には薄いメモ帳くらいしか入っていなかったので、そのままスリをして驚くことになったのは、彼・彼女だったかもしれません。安全対策は大切だと改めて感じました。

(入場料が安くなる夜の時間にはなが~い列のプエド美術館)

そんな出会いがあった後、最初に見つけたのが「プエド美術館(Museo Nacional del Prado)」でしたので、そこに立ち寄ることにしました。スペインだけでなく、イタリア、フランス、ドイツなどの絵画、彫刻が飾られていました。思ったよりもはるかに大きく、広く、壮麗でした。芸術に造詣は深くないのですが、ラファエロやルーベンス、レンブラント、エル・グレコ……と、有名どころであることだけは分かりました。

でも、やっぱりここはゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」でしょうか。横並びに展示されていたことも効果的で、私の印象に残りました。ippoのお気に入りは、フラ・アンジェリコの「受胎告知」、ボッスの「七つの大罪」、ムリリョの「無原罪のお宿り」です。もし機会があれば、ぜひ。

プエド美術館のすぐそばにある教会【上の写真】では、ちょうど結婚式が・・・。お幸せに☆ ippoの卒業ゼミ生のおめでたい話、活躍の話…飛び込んできては幸せを願うばかりです。

ippo

2017.11.15

王は魔法を使った

バレンシアから少し南の方に行くと、そこはグラナダです。アルハンブラ宮殿で有名なところです。この国に来て初めて、山脈と平野(ベガ)の組み合わせで自然を眺めたように思います。

街自体は大きくないのですが、ハマると、いつまでもいつまでも留まっていたくなる場所でした。実は、アルハンブラ宮殿のすごさをほとんど知らず(失礼なことに、スペインのこと自体、ほとんど知らずに乗り込んだので仕方のないのですが…)。ただ、何の先入観もなく、何をどう見ればよいかの知識もありませんでしたから、驚きも大きかったように思います。

さて、肝心の宮殿のことです。
その随所に観られるイスラム芸術は、私の語彙が足りず形容できません。とにかく、その細工の精巧さ・可愛らしさは、職人の技、文化そのもの。「王は魔法を使って宮殿を完成させた」と人々を魅了したというのも納得の芸術です。
(アルハンブラ宮殿で)

宮殿から見るアルバイシン地区の薄く赤茶けて見える街並みも素晴らしく、翌日出かけた、アルバイシン地区から眺めたアルハンブラ宮殿もその荘厳さ、難攻不落だった時代を見せつけられるような迫力でした。同時に、森に浮かび上がってきたような幻想的な姿をしてもいますし、この秋の季節だからか哀愁を感じさせる雰囲気もあります。まさに千夜一夜の世界です。
(アルバイシン地区からアルハンブラ宮殿)

そんな芸術・風景を観ながら、戦いの当時、人々はどのような想いだったのでしょうか。勢いのある国、大きな国に挟まれながら、決して大きくない規模の王朝を維持・発展させ、今の世に残すこれほどの文化力を育てたリーダーの処世術、その力量の中に(よくも悪くも)生き抜く生命力を感じます。この土地に同じく立ったみなさんなら、何を感じるのでしょうか。複雑な、魅惑の土地です。

ippo

2017.11.08

自然と芸術と科学の融合

海近くに、青空がとてもよく似合う“都市”があります。芸術科学都市と呼ばれているところです。
海洋博物館、ソフィア王妃芸術劇場、エミスフェリック(プラネタリウム等が鑑賞できるようです)、フェリペ王子科学博物館、そして展望台がひとつの地区に集合しています。すばらしい場所でした。
(まだまだこの青空は健在です)
(青と白のコントラストは美そのもの)

印象的なところだったので、家に戻って調べてみると、世界的に有名な建築家(サンティアゴ・カラトラバ氏)による設計だそうです。氏は、アテネオリンピックのメイン会場、ワールド・トレード・センター駅などをはじめ、世界各国に数多くの建築を手掛けているとのこと。建築家でもあり、画家、彫刻家でもあるという氏にとって、この融合施設の建築は、氏にとって創造を掻き立てられるものだったかもしれません。

一方で、金融危機の煽り、大型施設の建設・維持だけでなく補修の費用、訪問・利用客数の伸び悩みもあるとか、あったとか。今はどうなのでしょうか(先日の話題で聞くところでは、いまだに大問題で、地元の人には…とか)。日本も2020年のオリンピックを控えて、そのほかも含めて、ここに一つ教訓を見つけることができますね…。

この場所で過ごすだけで、ほぼ一日が過ぎました。今度は、「触らないことが禁じられている」という科学館の中で過ごしてみたいと思います。

ippo

2017.11.01

地域を感じる裁判

サマータイムが終わりました。手動で時計の針を1時間ずらすなど、初めての経験でした。
そして、おなかをすかせて食堂に行くと「1時間後にしか開かないよ」と。そう、今日11月1日は諸聖人の日で祝日…。

ここにきてまた、国・土地を感じているところです。そして、その一つ。
バレンシアでは、毎週木曜日の正午、「水の裁判」と呼ばれる路上での公開裁判が行われます。
(時間が近づくと、カテドラルのところで準備が着々と…)

正午の鐘とともに、8人の法衣をまとった男性が椅子に座ります。そして開始の声、訴えの有無が確認されていきます。
スペインの国全体が、そしてここバレンシアも例外ではなく水不足なのです。それは、昔も、そして今年も(1か月ほど前の新聞には、スペイン全体、真っ赤に表示された水不足の注意警報)。
パエリアの発祥地というだけあって、米どころもありますし、トマトやオレンジなどが豊かな農業地域です。その農家どうしで、水を大切に分かち合ってきたのです。もし、お互いが約束事を守らなかったら…。1000年以上に及ぶ地域の歩みのひとつが、この裁判に現れています。

ユネスコの無形文化遺産に登録されていて、しっかりと通常の裁判と同じ効力を有しているそうです。
この日、訴えはなかったようで、「えっ!?終わり?」というくらいあっという間の出来事でした。裁判の関係者に「もう終わったんですか?」とたずねたくらい、5分もかからず終了。

少々違和感を覚えたことの一つは、野外で裁判が行われる点(市民参加型と言えば、そうかもしれませんが)。もう一つは、地域の問題なのに、裁判を取り巻いていたのは(おそらく)観光客がほとんどだった点。
(この状況で公開裁判…)

違和を感じつつも実感したことは、「水」の存在。ふだん何気なく使っている資源で、その重要さも理解はしていますが、そこにルールとそれを守る人たちの協同があるから、生活の平穏があるのだということです。
いつの時代もどこの地域も、限りある資源の中では、競争-協力の問題は永遠のテーマです。

いろいろな社会的な絡みの中で、スペインは、カタルーニャ自治州の独立問題に揺れつつ…。

ippo

2017.10.25

秋の州祝日は恋人色

やっと現地での滞在手続きが終わりました。すでに落ち着いて過ごしていましたが、気分的に少しは違うような気もします。

さて、日にちが経つのは早いものです。この時期、朝8時をすぎても、すっきりと夜が明けてはいません。調子が狂うなぁと思う日々です。
さて実は、10月9日はバレンシア州の祝日でした。1238年、アラゴン国王ハイメ1世が率いるキリスト教徒軍が、500年以上にわたって支配していたイスラム勢力に勝利し、そのハイメ1世王がバレンシアに入城したことを記念し今でもお祝いをしている日です。

この祝日が近づくほど、いろいろなイベントがあり、前々日からは、爆竹や花火ですごい音、煙、匂い、人だかり。祝日当日は午前0:00の花火に始まり、より一層パワーアップしたコンサート、パレード、伝統的な踊りで、街中がそれはそれはお祝い・お祭りムードいっぱいでした。すべてに歴史があり、人々の気持ちが表現されていると感じさせられる時間でした。

(伝統舞踊のこの女性、私に気づき…)。

(17時すぎから始まって3時間ほどに及ぶパレード。2時間見続けて、空腹に勝てず帰りました)。

パン屋さんやケーキ屋さんでは、今までにはなかったお菓子たちがショーウィンドーにお目見えし、スカーフも並びます。この9日は、(この歴史的な出来事にかかわりがあるそうですが)いわゆる”バレンタインのような”日で、男性が、女性のためにマサパン/マジパンという色とりどりのお菓子を、きれいなデザインのスカーフに包んでプレゼントするという日だからです。

マジパンで作られたお菓子たちは一口で入るほどの大きさで、2種類の大きなマジパンとのセットで売られていたりもします(この大きなパンにも歴史が絡み…いま所属している大学・研究所の人たちの説明で驚きの情報も…。味は…甘いっ!私は1切れで十分です)。

(地元では、モカドラーと呼ばれているマサパン:右の方にはスカーフ)

そして、今月12日は「イスパニアデー」。コロンブスの新大陸発見到達にちなみ、スペイン全土での祝日。

週末はいつも、(私が今いるところの)大学・研究所は完全閉鎖です。祝日は、もちろん閉鎖です。私がいつもぼーっと、すっとぼけているせいか、何度となく「大学に来ちゃだめだよ、入れないんだから」と、先生や院生、研究員の人たちに時折、念押しをされました。本当に親切な人たちです。

スペイン・バレンシアでは、時間をつくって楽しまないなんて過ごし方を間違ってるよ、という感覚(実際に言われます:「テレビで日本のことをやっていたから観たよ。どうして日本人は、あんなにストレスを抱えてまだ仕事をしているの?」「どうして海外まで出かけるのに、1週間しか休みを取らないの?」と冗談半分、本気半分で)。
何が正しいのかなどとは、国民性や個人の価値観もありますから言うことはできません。が、同じ時間でもこんな過ごし方があるんだと知ること、それを知った中で自分が一番幸せに過ごせるカタチを見つけた方がよいだろうなとは思います。

ちなみに、スペイン人はゆるりと休んでばかり…というわけではありません。大学人の生産性はかなりのものです。

【写真:祝日前の金曜・夜、いつもここにはない「オルチャータ」というバレンシア名物ドリンクのお店が登場。栄養補給とも聞きますがどうなんでしょうか。小さなカップ1杯、この日は無料。いよいよ私の順番が近づいてきた!ときの写真】

ippo

2017.10.22

Standing Desk

デンマークでは、デスクワークが必須となるオフィスではスタンディングデスクを提供することが法律で定められているそうです。
自転車での通勤・通学を推し進めるなど、デンマークは国民の日常生活での活動量を増やす取り組みが活発です。

僕が研究所で借りている机も見た目は普通のデスクですが、電動式で自由に机の高さを調節することができる優れものです。
我々は日常生活で12時間ほど座位の状態を続けていますので、そこに睡眠時間も加わると24時間のうち、19時間程はじっとしていることになります。

スタンディングデスクはこういった座位の状態を少しでも少なくするために、立位で仕事ができるように開発されたものです。

スタンディングデスクが長期的に健康維持・増進に繋がるかどうかについては様々な研究結果が報告されており、未だ議論が続いているようです。しかし、少なくともじっと座ったままの不活動は健康にマイナスの影響しか与えませんので、個人的にはスタンディングデスクは有用だと思います。

ただ、最も難しいのは、それを実際にどうやって使ってもらうか、でしょうか。
研究所内で観察すると、座っている状態と比較して、立位の状態で仕事をしている人を見かける頻度は圧倒的に少なかったです。

デンマーク人に尋ねても、皆ほとんど使ってないね、というコメントでした。
僕自身もここに来てから使っている頻度は?と聞かれると。。。毎日は使ってない、というのが答えです。かなり意識しないと、座ったままで作業を続けてしまいがちです。


運動は健康に良いことは皆知っていても、実際にそれに取り組む人が少ないのと同じで、立位の状態を促すような何かしらのリマインドが必要だな、と思いました。

スタンディングデスクを使ってみた運動効果への個人的な感想ですが、立位の状態で仕事をするのは意外にエネルギーを消費するようです。
このブログも立ったまま書いてますが、30分くらい経つと体が徐々に火照ってくるのが分かります。ずっと立った状態でデスクワークをするのはつらいですね。

日本にもこういった制度が取り入れられたら面白いな、と思いました。
(スタンディングデスク、日本で購入するとかなり高価ですが。。)

Satoshi

2017.10.18

朝の顔、街の顔

カタルーニャ独立問題の収束に向けて、バレンシアの街中でも「PARLEM(話し合いましょう)」の文字と白いシャツ(アスタラーダではなく)に身をまとった大勢の人たちが集まっていたり、州の祝日で賑わう一方で(あるいは、その日だったからかもしれませんが)、デモの集団を目にする場面もあったり何かと動きがあります。

さて・・・・。そろそろ、ビーチで時間を過ごすことも終わりそうです。大学からもそれほど遠くないところに、とても魅力的なビーチがあります。その白く、長く続くビーチは一見の価値ありの場所です。

いつも朝・晩の食事を一緒にとっている先生は、ビーチ大好き!という先生で、毎日ビーチに行き泳いできては、夕食のときに幸せそうにその話をしてくれます。今では「ビーチはどうでしたか?」とたずねるのが、夜のあいさつ代わりのときがあるほどです。

昼間はかなり暑い日が続いていましたが、先日、ここに来て初めて(?)夕方にまとまった雨が降った後は、朝、急に秋らしくなりました。そのバレンシアの朝には、いろいろな表情があります。
日常の朝カフェの様子。学生が元気すぎる朝、静かさ漂う日、遠足に出かける前に大騒ぎになる週末朝など…落ち着くのを待ってから、いざ!朝食。


大学までの道のりは、秋空でも眺めて自然の中を横切っていきます。片道30分の道のりがあっという間です。


市場では、7時前ころから支度が始まるところもあり、10時前には観光ツアーの人たちなどで混雑し始めます。そして、15時には片付けもほとんど終了です。


週末は、必ずと言ってよいほど各種のイベントが行われています。この日は、消防団員さんたちの会(真面目に参加している様子でしたが、急にポーズをとってくれました【上の写真】)。
少し歩くと、いくつかサッカー場やラグビー場などがあります。バレンシアでラグビーの試合が観られると思っておらず、偶然のことに結構な時間、見はまってしまいました。

小学生たちの課外授業でしょうか、カテドラル近くの広場に来ていました(しばらく近くで過ごしていたら、カメラを向けるたびに顔を隠して遊び始めてくれました)。みんな座ってサンドイッチの時間。朝7~8時頃のdesayunoに始まり、この子たちのご飯はalmuerzoと呼ばれる10時頃のごはん。この後14~15時頃にcomida(いわゆるランチで、この時間過ぎたころから「こんにちは」の挨拶です)…と続きます。食習慣は小学校から、というような風景です。

いろいろな場所に、いろんな朝と表情がありそうです。スポ健にも、皆さんが住んでいる街にも。少しだけ時間をとって、眺めてみるのもいいものです。

ippo

2017.10.11

来年3月に向けて…地域が動く!

スペイン・バレンシアも秋色になりつつあります。
週末は、大学が完全閉鎖になりますので(週末は楽しもうよ~の精神なのでしょう)、あてもなく街中を歩いていると、ときどきおもしろいことに出会います。

この日最初に出会ったのは、ココ。いかにもスペイン!という光景です。

このおじさんと話をしていると、関係者が集まってきて道具を持たせてくれたり、パエジャの中にムール貝を入れる経験や写真撮影をしてくれたりと、親切てんこ盛りでした。

さらに話をしていると、建物の中に入れてくれました。その理由は、第2弾のムール貝を食べてみよ、と。ここバレンシアのムール貝は「クロチーナ(バレンシア語)」と呼ばれています。ちょっとしたブランド力があり、8月ころまでが旬だそうです。でもこのあたりは、近くに中央市場があるからか、秋口に入った時期でも出してくれることがあります。かなり小さめですが、中身の詰まった、味わいのあるクリーミーなムール貝でした。地域に、食材に、とても誇りを持っているようです。

てっきりバル/レストランか何かだと思って、「何時にこの店はオープンするのか?」とたずねたら、ちょっと来い!と。戸惑っていると…第3弾は、建物のさらに中に入れてもらうことができ、そこは、グループ内のFalla(火祭り:ファジャ)歴代女王たちの写真が飾ってある空間でした。つまり、ここはバルではなく、バレンシアで3月に盛大に行われる「火祭り」のためのグループ(街全体には、300以上400近く?のグループがあるそうですが、その一つ)の集会所だったようです。
(エプロンの文字Fallera:民族衣装を着た女性たちのことを言います)

3月の「火祭り」のときに張り子の人形を、各グループで制作し展示すると聞いています。それなどにかかる諸々の資金を集めるために、このような食事会でいろんな人をもてなす等、準備の一環というわけです。グループによって雰囲気はどうも違います。同じ土地でありながら、おもしろいです。

その翌日の日曜日。
街のなかを、それはそれは豪華なドレス・民族衣装を身にまとった女性たちが行進(見るからに高そう…実際かなり高いらしいです)。この行進も3月の火祭りに向けた準備の一環とのこと。それが【表紙の写真】です。きれいな公園に行くと、写真撮影のために来ている彼女たち数人にばったり出会えることもあります。

ラ・ロンハ・ラ・セダという世界遺産の建物もこのすぐ近くにあります。15世紀ころに建てられ、「絹の商品取引所」だったところです。中心街に行くと特に、絹などの手芸用品やドレスのお店もかなり多く立ち並んでいるのですが、これも火祭り、この女性たちの伝統衣装と関係しているのでしょう。地域の各種産業が、互いに密接に関連して成り立っているようです。

1つの出会いから、言葉や歴史・文化、食、産業、年間行事、人の生き方…まで広がっていきます。いつまでもこの土地には慣れること「なく」、見聞きしていきたいものです。

火祭り本番(私の想像をはるかに超えているよ、と言われていますが)の様子は、来年3月にまた、もう少し詳しく、正確に理解してお届けできればと思います。

ippo

2017.10.04

街が息を吹き返す夜

ここスペインも、すっかり秋めいてきました。
【表紙の写真】は、カタルーニャの独立問題です。連日、新聞の表紙はこの内容ですし、一緒に食事をとっている人とも毎朝この話題になりますーデモクラシーとは何か、国家とは何か、平和とは…と。歴史的な背景もあって、私がこの問題を理解しきるには時間がかかりそうですが、そうも言っていられないほど、とてもとても重大な、歴史的な時期にあることだけは確かです。

さて、少し話題を変えて…。私が住んでいるあたりの朝は(8時ころはまだ)、ひ~っそりと静かな旧市街。ところが、時間が経つほど、とくに夜、週末になると「どうした?!」というくらい活気ある街に変わっていきます。細い道が多いのですが、その道にも、ちょっとしたスペースにもバル(の出張所)が登場します。
この写真は、夜の8時ころ(ちなみに9月中旬)です。外がこんなにも明るいせいか、この時間帯でも地図を見ながら観光続行中の人も多く見かけますし、のんびりコーヒーでも、という人も。憩いの場であり、社交の場でもあります。

夜の過ごし方はいろいろあるようで、下の写真は、私の家の近くの映画館も大繁盛の様子。中に入るだけでもワイワイと賑やかです。これでも結構なしゃべり声でしたが、(この後に比べれば)まだ静かな方でした…。

こうした夜の時間にハシゴしながら(?!)食べるもの、スペインとくれば思い浮かぶものの一つかもしれない「タパス」。タパ(スペイン語で、蓋)+ス(複数)。その昔、ワインに埃などが入らないように、パンなどで蓋をしていたのが、今の小皿料理・タパスになったとか(スペイン人は結構きれい好きかも、と思うことがしばしばあります)。
(ガッツリ系タパス)
(品よくちょい系タパス)

写真では、香りも味も、そして大きさも伝わりにくいのですが、上のタパスは大きく、安い!
下のタパスが来たときは、注文を間違ったかと思いました(3種類のタパスを注文したら、この小さめの一皿に盛り込まれて出てきました)。いろいろと " 異なる " スタイルの存在を実感して知ることが、その「土地に住む」ということのようです。

何よりも、ここバレンシアは、気候と食が人をつくっていると実感する街です。少し前には、バレンシア州の市町村の料理、文化を含んだ商業プロモーションとして、街中14か所を拠点に音楽・バンドとともに夜中までイベントが行われました。このようなときには特に、いつの間にか隣の人と会話が生まれることもあり、人と人との繋がりを大切に、しかもいち早く(ときには濃く)繋がっていく街の印象です。それだけに、どこにその繋がりを壊すような地雷があるのか…ちょっとコワくもありますが。それを知らずにいる今は、とにかくやさしい街・人たちとともにいます。

ippo

2017.09.27

スペインでのカンファレンス

現地に到着して数日後、所属のところで2日間にわたってカンファレンスが行われました。組織におけるwell-beingを促進するために、あるいは人的資本の発達に向けて、葛藤解決に至るには、といった様々なテーマが並びました。そこには、スポ健でも毎年行われている院生の研究報告会を兼ねたものでした。

朝9時、学部長・機構長からの挨拶。そのあと、なにか話が続くもののすべてスペイン語なので???の状態で過ごしていたら、いきなり自己紹介が始まりました。30分ほどかけてなごやかな雰囲気になったところで、いよいよ院生の発表へ。

一人の持ち時間30分。発表時間を区切ること(日本でよくある1鈴、2鈴…)はありません。でもほどよい時間で発表を終えると、担当教員(座長という名のもとで)3名からのコメントや質問が投げかけられます。1日目は、これが19時ころまで続きました。調査で各地に出かけている院生も多いようで、スカイプでの発表は当たり前(就職も、自分たちで国を越えて探し、飛び立っていくそうです)。

いいなと思ったのは、このカンファレンスの中で、他大学から関係領域の先生を招待して、1時間ほどの講演をはさんでいたところ。論の組み立てやプレゼンの仕方など、院生が(私も)自分の内容と比べながら聴けたと思います。
(マーストリヒト大学Ute Hülshegers先生の講演:いま話題のマインドフルネスとは、今起きている経験について、内的/外的に注意を向けることで、心の安寧を維持・向上していくこと。その理論と実践についての研究が紹介されました)。

私にとってのただ一つの問題点は、お腹がすきすぎたこと(こちらに来て、よくお腹がすいています)。14時からのランチ(街中では、この時間ころまで料理が出ない、出せないところも珍しくありません。でも15時をすぎた頃にはいったん多くのお店が閉まります)... これでもスペインでは「早め」のランチです。こちらのランチの開始時間はとにかく遅く、そして長い時間をかけます。ちなみに、この日のプログラムでは1時間半ほどとってあり、パエリアの麺バージョンを食べながら先生方と一緒に食べました。

このくらいスペインの人たちは、食事の時間を大切にしていますし、それぞれの人の "こだわり" がみえてくる場面でもあります。忙しい教員はここで食べながら情報交換をしていますが、昼間のこの時間(毎日10時半ころにコーヒーの時間があり、先生を中心に、あるいは院生や研究員の人たちと一緒に数人でカフェに出かけます)は、気分転換をして次の仕事へのエネルギーを蓄えるのに欠かせない大切なものだそうです。「これこそマインドフルネスの効果が得られるよ!」とのこと。

【表紙の写真】家の近くのカテドラル(サンタ・マリア大聖堂)の礼拝堂にあるステンドグラス。「最後の晩餐」で用いられた聖杯の可能性が高いとされているものが、このステンドグラスの下に!
他にも、この聖堂には魅力がたくさんです。すでに3回+α… 行きました。

ippo