[ 2012年09月 ] の記事一覧

2012.09.30

四季の移ろいと「色」

ジョギング、サイクリング、ウォーキングなど屋外の長距離移動を伴うエクササイズに何とも言えない味わいが含まれています。これは、誰しも感じているところではないかと思います。風を切る顔面や首筋の感覚と、後方へ流れ過ぎる視野が、独特に含まれている中身です。通り過ぎる街並みと庭先、目の前に開けた瞬間にその真只中にいる感じの田園風景、低いけれども勾配のある山々と両脇に大きな土手をもつ河川等々、私が現在住んでいる町(京都府亀岡市)はこれらとすぐに出会える地区です。住めば都と言いますが、私は幼少の頃に育ち、また子育ても行った現住の地をいい所だと再認識しています。かつての先輩・同僚(既に退職された)のK先生からは、「君は郷土愛に満ち溢れている」とよく冷やかされたものでした。当時も今も、そう言われてむしろ「すがすがしい気分」になったのをなぜか覚えています。

 

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後期セメスター開始後初めての週末、4つばかりあるウォーキング・コースの内90分コースを選択しました。田園と河川、それに織りなす山々と急流が創り出す保津峡渓谷が望めるコースです。山手の方に進んでいくと、畑や田んぼの畦道に赤い花々が目につきました。写真の中程から右下にみられる「火事花」です。正式には彼岸花(学名:Lycoris radiata)で、曼珠沙華(マンジュシャゲ)とも呼ばれます。広くはユリ科の多年草ですが、3番目の名前が仏教の経典に由来したり、余りに怪しいほど赤いのでよく不吉なことと結び付けられたりしたために、「カジバナ」と呼ばれたのかもしれません。子ども時代、大抵の親は「こんなもの、摘んできてはいけません」と言ったものでした。

 

 さて4つのコースはそれぞれ、四季の移ろいによって様々な「色」を強調してくれます。3月中下旬位からは田園の一面、「蓮華草」の白とピンクが緑の上に散らばっています。少し経てば黄色の「菜の花」が加わってきます。同じ頃、河原の土手や周囲の山に点在する「桜」の白と薄ピンクが目立ちます。4月から5月上旬には、街並みの庭先、ビルの前庭それに山々にみられる「ツツジ」の白、薄ピンク、薄紫、黄色など、花の大きさもちょっと豪華です。

田植え後の幾筋もの「稲苗」の緑色ラインと水田表面の反射光が創り出す画面も見事です。「紫陽花」の白・薄青・薄紫、「向日葵」の黄色はそれぞれ、雨と強い日差しとのセットです。9月になると田んぼの稲穂は緑々と成長し、農家や旧市街の所々には鉢植えや地下植えの「菊」が白や黄色に大輪を咲かせています。

 稲刈りが終わると田園の色は一変します。また、晩秋11月には周囲山々の紅葉で、赤・黄・橙色と地の緑が見事に調和しています。積雪で純白の田園や氷でシルバーに輝く溜め池や河川の表面もまた、四季の移ろいで自然が創り出す色彩風景です。

 

 「ウォーキングやサイクリングなんて、なぜ楽しいのだろうか」と、20歳代や30歳代にはとても不思議な気がしていました。気がつくのが遅かったのかもしれません。四季の移ろいの中での色の変化は、昔からそこに存在したものです。こちらが感じ取り、自分の振るまいとの関わりを深める能力の磨きに私がだいぶ劣っていた結果だ、と今ではおおいに感じています。こうなると、これからまた「歩き、乗り、走る」のが、より一層好きで楽しみになりそうです。

 

【善】

 

 

 

2012.09.29

大学生の研究発表

今日は大学院生の研究に関する話です。

大学院に入学すると普段の授 業もありますが、本格的に研究活動を開始します。実験や調査などを行い、最終的に修士論文を提出して受理されれば、修了となります(もちろん所定の単位を取得することが必要ですが)。大学院では学部と比較して授業数も少なく、時間に余裕がありますので腰を据えて研究に専念することができます。ちなみに、私の 研究室には6名の大学院生がいますが、今日も朝から3Fの実験室では実験を行っています。また、嬉しいことに、大学院生だけでなく、数名の学部生も手伝い として自主的に参加しています。そして、大学院生が学部生に実験の手技などを直接教えていきます。大学院生にとっては、指導を通して自身の研究への理解が深まり、責任感も増すという、いわゆる相乗効果も期待できます。こういった一連の光景を傍から見て「うんうん」とうなづきながら小さな喜びを感じる・・・こういった場面が増えてきています。


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さて、今週の木曜日はスポーツ健康科学研究科の修士課程1回生(博士課程前期課程) が大学院での研究計画をポスター発表しました。大学院生や関連する教員が集まり、専門分野を超えた幅広いディスカッションが展開されました。自分の専門分 野に対する深い知識を得ることはもちろん大事、しかし、関連する領域についてもある程度の専門的知識がないと「スポーツ健康科学のプロフェッショナル」になることはできません。その意味で、様々な分野の研究発表を一緒に行うという今回のような企画は大変意味があると感じています。インテグレーションコア1Fの廊下にポスターが掲示してありますので、興味のある人はぜひチェックをしてみて下さい。

GOTO


2012.09.28

大学に活気が戻り

 これまでの残暑が何処へやら、さわやかな秋空のもと、後期の授業開始と共に大学に活気が戻り、学生在っての大学を実感しています。また、体育会系クラブにおいては、夏休み中の合宿での成果を競う秋期リーグ戦等、様々な大会が目白押しと思います。

この前の日曜日に今期第一戦として対同志社戦があり、関西大学のアイスアリーナに行って来ました。試合で重要なことは勝敗といった結果でなく、「試し合う」と書くように、各自が練習で取得した技術、戦術を、勇気をもって使ってみることが大切であることを試合前のミーティングではいつも言っています。一人一人がこの試合では何を発揮したいのかと。

 スポーツ心理屋の目から見てみますと、試合の面白みはの一つに、「歳寒くして、然る後に松柏の彫むに後るるを知る」(論語)のように、普段は目立たない選手が、ピンチの時に真価を発揮してチームを救ってくれる場面に出会えることをあげることができます。またそれを機会に大化け(急激な進歩)することがあります。このように学生の人間的な成長の場に出会えるのも教師冥利・指導者冥利といえるかも知れません。頑張れ!(必死に頑張っている選手にこの言葉は、時には残酷にも思える場合もありますが・・・・)

(老ブロガー・ハル)

2012.09.27

実は筋肉の中のクレアチンリン酸を増やすことが出来ます!

Hamaです。

先週、クレアチンリン酸の話しをしました。クレアチンリン酸は、短時間(10秒内)の高強度運動の時に使われて、ATPを再合成して、高いパワーを出すことができます。

 

筋肉の中のクレアチンリン酸の濃度は、だいたい2030mM程度ですが、この濃度を増やすことができれば、短距離が速くなりそうですね。。。

 

そうなのです。実は、筋肉の中のクレアチンリン酸を増やす方法があるのです。クレアチンリン酸の前駆物質のクレアチンを多く摂取すればいいのです。

 

これまでの私達の研究(Kurosawaら)により、130g10gでもOK)のクレアチンを2週間程度経口摂取(食べる)すると、筋肉の中のクレアチンリン酸が10%程度は増えることがわかっています。

 

サプリメントはちょっと抵抗があると思う人もいるでしょう。確かに、クレアチンは牛肉などに含まれていますが、これだけのクレアチンを摂るためには、何㎏もの牛肉を生で食べる必要があり、現実的ではないのです。

 

では、サプリメント摂取により増えたクレアチンリン酸は、はたして短時間の運動のパフォーマンスをあげる事ができるのでしょうか??次回にその話を!!

 

≪参考文献≫

Y. Kurosawa, T. Hamaoka, T. Katsumura, M. Kuwamori, M. Kimura, T. Sako, and B. Chance. Creatine supplementation enhances ATP synthesis rate during a single 10 sec. maximal exercise. Mol. Cell. Biochem. 244(1): 105-112, 2003.

 

【今週の1 shot!!

うちのゼミ生がインカレトライアスロン競技個人6位、団体で優勝をしました!

クレアチンを摂ったわけではありませんが・・・。

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Hama










2012.09.26

1回生基礎演習 「キャリアディスカバリー」

こんにちは。ma34です。

後期授業のスタートの日、今日は早速基礎演習第1回目です。
夏休みの間にどんなことを皆が経験したのか
またお話をきかせてくださいね。

今日は盛りだくさんな内容でした。
キャリア企画「キャリアディスカバリー」です。

2部構成で、
第Ⅰ部は、岡本先生、小沢先生のゼミのご出身である4名の卒業生の方と
コーディネーターの山浦先生によるパネルディスカッション
(テーマ)「働くこと」、
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第Ⅱ部は、各クラスで3グループに分かれたグループディスカッション
(テーマ)「社会に求められる 大学でつけておくべき力」
でした。
グループディスカッションでは、各グループで
大学生活での具体的な行動目標を「キャッチコピー」という形にまとめ、
発表するという課題がありました。
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1回生のこの時期から、将来、社会に羽ばたき活躍していく自分の姿を想像することは
もしかしたら難しいのかもしれません。
私自身も、1回生のこの時期に何をしていたのか思い出してみると、
あまり記憶がありません。
とりあえず、単位が取れているかどうか、後期の授業はどうするべきか、、、
そんなことで頭がいっぱいだったかと思います。

けれども、4名のパネリストの方々のお話を聞いて感じていたのは、
それぞれの方がみな共通して、
一つには、
自分なりに「これだけは頑張る!」「これが好き!」という「軸」を見つけて、
それにとことん突き進むことのできる方であるということ、
そしてもう一つ、
仲間を大切に、人との出会いを大切にし、感謝する気持ちを持っていらっしゃるということ
を感じました。

今日のこの機会を通して
まだ将来がおぼろげであることを改めて感じた人も
これから進みたい道、学びたいことを見つけ始めた人も、
もうすでに色々と歩みだしている人も、
それぞれが少しでも将来を考えるきっかけになったのではないかと思います。

私も、このような機会が大学時代にあったなら・・・
違った年の取り方ができたかもしれないと思いながら、
それでも、今日、このような企画から新たに学んだことを生かして、
私も意識して前を見ていきたいと思いました。

ma34.




2012.09.25

教育と学び

さて、今週は、趣向を変えて、
ちょっと本を読みながら思ったこと。

ちなみに、全て私見です。
念のため。

内田樹の『下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち』を読みました。
なかなか面白いものでした。
それを読みながらつらつら思ったこと。

数多くある格差社会に関するものは、働くこと(社会に貢献すること)は良いことだ、
という前提に立っています。
そのため、機会を増やすことによって、社会的に役に立つ人を育てていく、
つまり社会での有用な人材を育てる、と言う立場にたっています。

公的な教育では、学ぶべき内容が学習指導要領、という形で明示され、
日本国で学習を受けるものとして、最低限到達すべき目標が出されます。
その学習目標を達成したかどうか、で教育活動の成果が問われています。

そのため、社会の変化によって、学ぶべき内容や目標、
が少しずつ変わって行きます。




ところで、本を読んで、なるほど、と思ったのは、
学ばないことに努力をする若者、という表現でした。
本の中では、価値交換を基本においているので、
価値を自ら判断し、価値がない、と思われるのであれば、
最大限努力して学ばないことをする、ということでした。

全てを交換の原則である金銭とサービスの価値の差で割り切るのはどうか、
とも思いましたが、90分の授業を聞かない努力をしている、
という学生を見ていると、なるほど、と同感できる部分でもありました。

そしてまた、学習の成果として、目に見えやすいものが重視される、
というところもありました。
つまり、どの大学に入れるのか、やどんな仕事ができるのか、
というあたりです。
実際には、ある教育課程を受けたからと言って、
全ての人が同じ成果を得る、ということはあり得ないので、
その出口は人によって変わって行きます。
このことを解しつつも、成果の求め方として、
就職はどうなのでしょうか、とよく聞かれます。
その度に、学部で就職が決まるわけではなく、
人間性と学びへの姿勢で決まる、
ということを言うようにはしていますが。。。

さて、そうなると、
小学校中退で松下電器(現パナソニック)を松下幸之助は、
例外中の例外、として片付けるべき存在でしょうか。
それとも時代の影響もあったのでしょうか。

学び、についてもう一度考えてもらえたらなぁ、
と思いつつ、長くなったので、このあたりで。

また、次も教育について考えることが続くかも。

ではでは。

PS:感想は、字が小さい、ということだけでした。。。
見えないことに意義がある。。。

2012.09.24

Graduate Assistant (GA)

先週の水曜日からアメリカに出かけていました。日曜日に戻るまで35日の短い期間でしたが、2つの大学(Eastern Kentucky UniversityNorth Dakota State University)を回ってきました。2つともExercise ScienceAthletic Trainingの学科もしくはプログラムを持っており、今後の交流(研究、インターンシップ、学生交流プログラムなど)を考えて訪問してきました。良好な話し合いができました。

                                    

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Eastern Kentucky University
では、教え子の松野君(NATA公認のアスレティックトレーナー、何度か帰国のたびにスポーツ健康科学部の学部生へ話をしてくれています)が、ここの修士課程の2回生にいて、Graduate Assistant (GA)として働いていました。GAとは大学院生が助手として働くことで、奨学金を得る制度です。場合によっては授業料も減免されます。現在は、フットボールのアスレティックトレーナーとしてフィールドに立つとともに、Athletic Training学科の学部生の指導にもあたっています。学部生にしっかりと指示を与えたときに、彼ら/彼女らが、"Yes, sir!"と松野君に返事しているのをみて、教え子が教える立場になって少し貫禄をつけたのを非常に嬉しく感じました。

 

20120924-3.jpgNorth Dakota State Universityでは、GAとして働いている博士課程3回生の岡松君に施設などを案内してもらいました。ノースダコタは、10月には雪が降りはじめ、真冬は零下15度前後まで冷え込むようです。そのせいなのか、フットボールスタジアムはドーム(2万人収容)でした。岡松君もGAとしての実績は長く、現在では授業も担当しています。

 

GAは奨学金がでることに加えて、授業ならびに実習で教えるという教授経験を積めることも大きなメリットです。そのため一定の枠をめぐって競争となります。将来、立命館大学スポーツ健康科学部・大学院スポーツ健康科学研究科をでて、海外でGAとして修行を積み、グローバルな研究者、実践家が出現するのを心待ちにしています。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

日本トレーニング科学会の演題申し込みの締め切り日が、1週間延長されました。今週の金曜日、928日までです。追い込みをかけている院生の皆さん、もう一踏ん張りで出せそうなら頑張ってください。

http://www.ic.fc.ritsumei.ac.jp/trainingscience2012/

【忠】

 

 

 

2012.09.23

大台ケ原行

先週半ば、吉野熊野国立公園"日本百名山"で有名な大台ヶ原へトレッキングに行ってきました。大台ヶ原のある紀伊山地は、200万年前頃から現在にかけての新生代第四紀(人類紀とも言われる)に、1,000m以上隆起したとされています。通常、山地の隆起とともに河川などによる侵食作用も激しくなりますが、大台ヶ原は、隆起が激しくなる前に形成されていたなだらかな地形が、まとまって残されている珍しいところです。

 また、降水量が年間平均で4800mm(最大は大正9年に記録された8214mm)と、日本でも最大の多雨地帯です。大台ヶ原は紀伊半島の南東に位置しており、熊野灘までわずか20km足らずの距離で、標高差1,500mの斜面を形成しています。台風の時期などには太平洋の湿気をたくさん含んだ風が熊野灘からこの斜面を吹き上げられ、急速に冷やされて雲ができ、大雨を降らせるのです。

 たとえ晴れていても冷気を含んだガスが掛かってきて10分もたたないのに晴れていくことはしばしばです。昔に大峰山脈の修験行者達が未開の修行場を求めて東へと流れて行き着いた場所にふさわしい雰囲気をもっていました。

 

 けれども紅葉シーズンの休日などは、様相を一変するようです。昭和36年に有料道路「大台ヶ原ドライブウェイ」が開通し、車で大台ヶ原を訪れることができるようになりました。工事による自然の改変だけでなく、多くの人が来ることによるゴミの投棄や植物の採取・踏み荒らしなどの問題が出ました。現在の当地は東大台と西大台に分けられ、西は基本的に事前の入山申請手続きの必要な「利用調整地区」に指定されています。1日数十名もしくは数グループの立ち入りに制限することによって、自然環境の悪化を食い止めようとしています。東も歩行ルートを制限、歩道表面をある程度整備することによって、大勢の人の立ち入りと自然環境の保護との矛盾を緩和しようとしています。

 

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前日に到着、軽く脚慣らしで翌早朝に日出ヶ岳まで「ご来光」を眺めるべく懐中電灯で出かけました。空は明るく快晴を思わせるのに、遠い眼下の志摩半島は足元にまで巻き上げてくるガスによって真っ白のなかの黒っぽい影模様が消されるような状況でした。前日までの悪天候と週日ということもあって東大台は実に静閑、不整備の登り下りの瓦礫道は通常よりもゴロゴロ道、階段を取り付けてあるところもありましたが結構急こう配のところもあり、5㎞強を4時間ぐらいかけてトレックしました。

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昭和34年の伊勢湾台風によってなぎ倒され、枯れ果てた樹木林が回復するのは容易ではないことを肌で感じました(写真上)。また、大蛇嵓(だいじゃぐら、牛石ヶ原の西端から1kmほど離れた東ノ川の谷底に向けて一気に1,000m高度を下げる岩稜のことで、上空から見ると、出刃包丁の歯を上にして西へ向け立てたような鋭い地形になっています)の上にすわり、恐るおそる下を覗き込んでは、昔の修験者が何を考えていたのか、しばし感慨に耽っていました(写真下)。 

 

 かつて英国シェフィールドに1年間滞在していた頃(19861987年)のことも思い起こされてきました。マンチェスターとの中間ペナイン山脈のなかにあるピーク・ディストリクトや、イングランド北西方面のレイク・ディストリクトに行って初めてトレッキングの面白さに触れました。そのとき同時に、2つの地区が国立公園であるにもかかわらず「ナショナル・トラスト」(ボランティア団体)運動によって、自然保護の活動が主導されてきたことも知りました。活動の目的・意義・内容・資金援助の呼び掛けなどが書かれたパンフとボランティア・ガイドにどこでも多く出会いました。

今回、台地頂上駐車場奥のつつましやかな「ビジター・センター」を真っ先に訪れました。その際に、英国滞在時に行く先々で度々「寄付」したことを思い出し、大台ケ原では1コインずつですが何回か志をあらわしてきました。

京都や奈良、滋賀の歴史旧跡を巡るウォーキングも良いものですが、少し街を外れ自然の厳しさにちょっと触れる、自然観察学習を含んだ山歩きもまた格別だ、と再認識させてくれた今回の大台ケ原行でした。

 

【善】

 

 

2012.09.22

前期成績の返却

昨日は前期成績の返却&後期の履修ガイダンスでした。返却された成績をみて様々な反応があったようです。教員が成績を提出したのは1ヶ月以上前のことですが、自分がつけた成績を受講生がどう感じているのか・・・・これは実は非常に気になっています。私は前期に【スポーツトレーニング論】と【エクササイズプログラミング論】という2つの新しい授業を担当しました。この2つの授業は内容が重複するところもありますが、前者は最新のトレーニング理論を学び、後者は理論をもとに実際のトレーニングメニューを作成するという実践を意識した内容でした。今回この2つの授業をいずれも履修していたスポ健3回生が多かったのですが、その中で数名の学生は両授業で一番良い成績(A+)を収めました。「理論」と「実践」の両面からトレーニング科学を熱心に学習し、優れた結果を残した彼らに続く学生がこれからたくさん現れることを期待しています。


来週からいよいよ後期授業が始まります。久々の授業で授業勘(?)が・・・・と思いきや、私の場合は9月も他大学で授業を担当していましたのでブランクなしでの後期のスタートです。後期も頑張りますよ。

GOTO

2012.09.21

研修会に参加して

 先週は北海道でのアイスホッケー部の合宿に参加し、1日おいて東京ビッグサイト(国際会議場)での研修会と慌ただしい1週間でした。後者への参加は、今年度いっぱいで期限が切れる臨床発達心理士の資格更新の為のポイント稼ぎといった切実な問題があり、丸々2日間冷房の効いた所で受講していたせいか、今週はやや風邪気味となってしまいました(or歳甲斐もなく知恵熱?)。

第1日目は高機能自閉症、アスペルガー障害、特に思春期・青年期における現状と問題が取り上げられ、知的水準の高さ(有名大学卒)に比較して明らかに対人関係に障害を持ち、学校、職場でトラブルを起こし社会参加から挫折したアスペルガー障害の青年の事例報告と、早期からの基本的な対人関係スキルの学習機会の必要性と体勢作りについて話し合われました。

第2日目は発達の考え方についての部会に出ました。「学校が"力(学力)"を身につける場としか機能してなく、"使う"ことの機会が無いことに様々な問題が発生する原因がある。」「実用に供しない世界の広がりをおもしろいと感じる子は少ないのに、そのことだけが成績に還元されてしまい、多くの子にとっては本当に学ぶことの楽しさを見いだせず、辛い状況にある。」「発達は目標でなく結果である。今、自分の持っている"力"を使う中で次の力がついてくる。すなわち"力"使った結果として発達するし、また、その結果が

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自分のためだけでなく、相手が、周りの人が喜んでくれると"うれしい""楽しい"と感じる存在であり、次の"力"に高めてくれる」等々
"学び"の本質に関わると思われる議論がなされました。

本学部での学びの内容は、「自分の今学び持っている"力"を使う。それが次の力につながる」ことを意図したものであると、その方向性の正しさを確信して帰ってきました。まさに筆者の好きな言葉The great end of life is not knowledge but action.(T.H. Huxley)を想い出しつつ。

蛇足かも知れませんが、発達についての中で「今日できることが明日できなくなる(老人=小生?)」「今日できないが明日できるようになる(青少年)」と、非常にショッキングな発言がありました!(老ブロガー・ハル)