[ 2014年11月 ] の記事一覧

2014.11.30

アメリカ便り (7): Thanksgiving Day

明日からいよいよ師走ですが、
皆様いかがお過ごしですか。

アメリカでは、今週の27日の木曜日に
Thanksgiving Day (感謝祭) がありました。

感謝祭の起源については、諸説ありますが
一般的には、アメリカに到着した清教徒たちが
ネイティブアメリカンたちから教わった栽培技術を用いて
初めて収穫した作物に感謝するために始まったと言われています。
元々は様々な日に祝っていたと言われていますが、
リンカーン大統領が、11月の第四木曜日に定めました。
(ちなみに、カナダでは、10月の第二月曜日です)

Thanksgiving Day は、祝日になっていて、
学生たちも、自分の地元に帰って家族で集まって、
七面鳥を焼いたりして、お祝いをします。
またその翌日には、Black Friday といって、
日本の初売りのような大きいセールがあります。



写真の七面鳥 は、メリーランド州立大学 College Park 校で
一緒に学んでいる院生さんたちとお祝いしたときのものです。

こちらの大学では、Fall semester もそろそろ終わりで、
Final Exam が近づいてきています。
テストになれば、徹夜徹夜の連続ですので、
その前に鋭気を養うと意味でも、
感謝祭でホッと一息という感じなのでしょうね。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を

<<街でよく見かける英語表現#7>>
日本では、20歳から飲酒可能ですが、
アメリカではほとんどの州が21歳からです。
また飲酒に対して、日本と比べて厳しく
レストランでお酒を頼んだり、スーパーでお酒を買おうとすると
"Your ID, please" と言われ、身分証明書を見せなければ
お酒を楽しむことが出来ません。
私はお酒を全く飲めないので言われませんが、
周りの院生は、必ず言われています。

2014.11.29

京都きっず…未来のオリンピックを担う子どもたち

3年前から京都府では、「京の子どもダイヤモンドプロジェクト」というタレント発掘・育成事業に取り組んでいます。この事業は、将来、我が国を代表するアスリートを発掘・育成し、国際大会でのメダル獲得や、その経験を生かし、確固たる考えと行動力を持ち備えた豊かで明るい社会の発展に貢献できる人材育成に手掛けようとするプログラムです。このタレント発掘・育成事業には、京都府を含め、全国で12地域が取り組んでいます。

京都府では、現在、フェンシングとバドミントンの2種目にプログラムを特化し、行政、競技団体、そして大学がスクラムを組み、日本オリンピック委員会(JOC)や国立スポーツ科学センター(JISS)のバックアップのもと、プログラムを実施しています。オーディションによって1学年、2競技で約8名程度に選抜された「京の子どもダイヤモンドプロジェクト」に参加する小学4~6年生の子どもたちのことを、「京都きっず」と呼び、その子どもたちに対して、技術向上を図る専門プログラムをはじめ、身体能力の開発や知的能力の開発、また国際感覚を身につけ、グローバルに活躍できるような国際経験を積ませるプログラム、さらには、子どもが育つ環境として重要な家庭や保護者に対する食習慣や栄養指導のプログラムが実施されています。

小学校教諭の免許を持ち、産業・組織心理学を専門とするippo先生と私が、知的能力の開発をめざす「インテレクチュアル・プログラム」を担当しています。「未来のオリンピックを担う…」というコンセプトでこのプロジェクトが進められているものの、2人の共通認識として、小学生がその年齢の発育発達段階に相応しい成長を遂げるために、子どもたちの成長を先回りするような早熟を加速させることはやらないという方針でプログラムを実施しています。子どもたちには、自分とスポーツのかかわり方について考える機会を提供し、自分を知ること、相手を知ること、スポーツを知ること、様々な土地やその土地の文化を知り、自分自身の世界観を広げることに意識しながら、自分と競技種目の結びつきを極度に強めすぎないようなスポーツキャリアの形成に資するプログラムを進めています。

今日は、小学4~6年生の1期生から3期生それぞれの子どもたちに対して、今年2回目のプログラムを実施しました。以下の写真は、プログラムの様子です。




4年生からスタートしたプログラムも3年経ち、1期生は6年生になり、もう数ヶ月もすれば、中学校へと進学します。6年生にもなれば、うれしいことばかりではなく、競技成績に差が出たり、ケガをする子どもも出てきたり、試合に負け、劣等感や悔しい思いを経験したりもします。今日は特に、1期生である6年生の表情が非常に暗いことが気になりました。敗北や失敗から学ぶことが多いことは、大人の我々は当然、成長とともに理解してきますが、小学生の子どもたちがスポーツの本質である「プレイ(遊びであり、自発的で、その行為そのものが喜びや楽しさにつながるもの)」の精神以上に、勝ち負け、優劣、順位…といったことによってバドミントンやフェンシングというスポーツの行為そのものから得られる楽しみや喜びが得られなくなっているのではないかと少し心配になりました。

「普通」や「らしさ」という言葉は、個性化社会において、そぐわない言葉なのかも知れませんが、大人の目線やスピードで、子どもたちの成長を早熟化させることは、非常に危険に感じます。それは、子どもたちとスポーツ、特に特定種目との関係性を強めすぎることは、子どもたちの「自分探し」を阻害することにもつながりかねません。我々大人は、子どもたちとスポーツとの「適度な距離」をしっかりと見定めなければならないと思います。

大きな夢、小さな一歩…

Jin

2014.11.28

ラストスパート

朝、4時半に起きて大阪から大学へ向かうのですが、だんだん明るくなってくるのにどんどん寒くなってきます。大阪と草津の温度差を実感します。

さて、GOTO先生も書かれていますが、卒業論文提出まであとわずか。このところひっきりなしに、メールや電話が舞い込みます。

「もう、何書いてるか分からなくなってきました。。。」
「結果が予想と違っていたので、目的変えていいですか?」
「何度メールを送っても届きません。。。」   などなど。

何書いてるか分からないって!?本人が分からないのに私に分からないよ。
ダメだよ、目的があって研究始めたのに結果に合わせて目的変えるなんて!
う~ん、メールが届かない原因は私にも・・・どうしてもダメならフリーメール使っては?

と、あれこれゆっくり何度もゆっくりやり取りをします。全員といっていいほど、みんな焦って半分パニック状態。
結局、最後は、「大丈夫だよ。ちゃんと目的も方法も検討しつくした結果、ゴーサインを出したのだから、足りないのは自信だけ。もう一度、落ち着いて何をしたかったか、何の目的だったのかを考えること。深呼吸と暖かい飲み物を飲んで、1時間後にまだパニックしてたら連絡してね。」と言って終わります。もう一度電話があったことは今まではなし。

ここまできて、ジタバタしても仕方がないので、自信を持って進めてほしいと思います。

平行して3年生のゼミでも、卒業論文に向けた取り組みを本格的に始動させました。前期にミニ論文を作成した延長上のテーマ、全く別のテーマもありますが、ほぼ11人全員のテーマが決まりました。すでにそのための指導を開始した学生、インタビューの承諾を得て来年早々に開始する学生、方法論を検討している学生、様々ですが、ほとんど全員の目標が「9月完成!!!」。ぜひ、実現してほしいと思います。

パソコンは、いつも思うように動いてくれるとは限りません。こまめな保存とバックアップを必ず取るようにしてほしいと思います。

2014.11.27

卒業論文の提出期間が近づいてきました

卒業論文の提出開始(12/8)まで2週間を切りました。4回生はラストスパートに入り、学内の至る所でノートパソコンを開いて作業をしている様子がみられます。学部1回生の頃から数多くのレポートなどを作成してきたスポ健生ですが、「学位論文」の執筆はもちろん初めての経験、論文独特の表現方法や書式に苦労しながらも、パソコン画面と向き合いながら努力を続けています。また、ゼミ生をサポートしてくれる大学院生にとっても、最後の追い込みです。

所属ゼミ生には、「全力で取り組むこと」「あきらめないこと」「妥協しないこと」の3点を徹底しようと既に伝えています。締切が近づくと「これぐらいでもういいか」と弱気な考えが浮かびがちですが、卒業論文は学部4年間の学びの集大成です。残された時間の中で、自らにとって最高の論文に仕上げてくれることを期待しています。

2014.11.26

サービスラーニング事後振り返り

こんにちは。ma34です。

今日は、一回生の基礎演習では、ゼミナール大会の論文締切一週間前ということで、
どのグループも血眼になって頑張っていました。
こちらも、AAさんとともに、よりよい論文になるように一生懸命検討しました。
この時期になって、やっとお尻に火が付いたようで、これからの頑張りを応援したいと思います。

2時間目は、草津東高校、草津市教育委員会とのサービスラーニングに参加した学生と
事後振り返りの時間でした。
体調不良で欠席した学生が多かったので、小規模な振り返りの時間となりましたが、
小規模だからこそ、ざっくばらんに、かつ自分自身の問いを深めることができたように思います。

面白かったのは、
学校現場の先生は、どんなときに「怒る」(しかる)のか?ということ。
子どもたちに怒ることができない、と悩む学生に、ある先生がこうおっしゃったそうです。

その先生のつぎのようなポイントを教えてくれました。
 1.誰かを身体的に傷つけたとき
 2.誰かを精神的に傷つけたとき
 3.集団の和を(故意に)乱したとき

学生にとっては、「逆に言えば、この3つに当てはまらないときは怒らなくてもよい」と考えると、
怒る・叱るポイントが絞れて、メリハリがついてよいと感じたそうです。

また、そうした意見の後には、叱るときには集団のなかで伝えたほうがよいのか、
その子を一人だけ個別に呼んで叱ったらよいのか。。。という問いが話題になりました。

実習の中で出会った先生を思い出して、なぜあの時には集団で?なぜあの時は個別で?と
共有しながら、こういう場合には全体なのでは?こういう子どもだったら個別なのでは?と
具体的に場面を想定しながら語り合えていました。

同時に、今回の実習での大きな学びは、自分はまだまだ成長中であること(できないこともある)を再認識したことのようです。今後、また現場での学びの機会をたくさん持ちたいという言葉と、そこで今回見ていなかった(意識していなかったポイント)を今度はしっかりと見てみたいという思いが聞けました。

彼らが今回のサービスラーニングの実習や振り返りを経て、次の学びをどのように展開させていくのか、楽しみにしたいと思います。

ma34.


2014.11.25

ボストン2

Hassyです。

Izumi学部長のゼミ生の板庇君が見事ボードセーリング(ウインドサーフィン)のインカレ(at 沖縄)で3連覇を達成されました!おめでとう!!
 https://www.ritsumei.ac.jp/shs/news/article.html/?id=105
私も学生時代、同じ競技をしておりましたので、その凄さはわかるのですが、特に全レースで1位というのはとても凄く、いかに彼が秀でた選手であるかを物語っています。
Tabataプロトコルで培われた心肺機能の亢進が加味したのでしょうか?
年度末には団体戦もあり、去年はかつての私の所属部が本学を僅差で下して初優勝しましたが、今年はどうなるか、楽しみです。

さて、そんな熱い沖縄に対し、アメリカでは全土を寒波が襲ったようです。

以前のブログでもお伝えしましたが、今月初めにボストンでの学会に参加した際には降雪しましたので、今は更に寒いでしょう。
そんなボストンでは、MITやハーバードに足を運びました。

同行した東田先生のご友人で、現在MITの高分子工学のビッグラボで研究留学されている山形大の中林先生にMITをご案内頂きました。

その研究室では、ドラフトチャンバーのガラス壁にマジックで化学式が実験ノートの様に書かれてあり、非常に興味深かったです。

また、MITでは、利根川先生の研究施設もあり、今回、中林先生の知人で、Tonegawa labでポスドクをされている奥山先生にご案内いただきました。

ともかく研究員や技官などのスタッフの数、扱っている実験動物などの規模は、「凄い」としか言いようがありません。
世界から優秀な人材が集まり、instituteの至るところでディスカッションが活発に行われ、「あっ、彼は最近Nature誌で◯◯を発表した人」「あっ、彼はCell誌に◯◯の論文を出した人」と紹介されます。

脳科学研究ですので、テラスもあり、ここでも色々と思考を深めていくようです。。。
非常に刺激的な見学でした。
中林先生、奥山先生、ありがとうございました。

ハーバードでは比較動物学博物館に行ってまいりました。
鉱物や植物、民俗学など、その規模は大学所属の博物館とは思えない充実したものでした。

我々のような2足歩行と4足歩行ape、跳躍に長けた動物、動きの違いが大きいですが、そうした筋活動とエネルギー代謝の関係性も分担関与する研究テーマです。
こうした骨格に魅入ってしまいました。

2014.11.24

RIKEJO FES(リケジョフェス)

すっかり寒くなってきました。風邪を引いている人も増えているようです。くれぐれも体調の維持・管理には気をつけてください。受験生のみなさんにとっても大事な時期です。ご用心のほど。

 

今日は、イベントの案内です。

RIKEJO FES(リケジョフェス)

20141214日(日) 11001700

場所     ウインクあいち(愛知県産業労働センター)7

参加費  入場無料

事前申し込みされると記念品がもらえます!(事前申し込みなしでも参加できます)

http://www.rikejofes.net/

 

このイベントは、立命館大学と東京理科大学との共催です。そのため、地理的にも両大学の真ん中の名古屋での開催です。副題に、「科学にする女子中高生の学園祭」とありますが、理系進学を考えている女子中高生、以外にも現役の学生、保護者、教職員、社会人のかたにも来て欲しいイベントです。また、それに相応しい内容です。少し紹介しますと、

◇特別トークセッション:13001430 

  数学者・秋山仁さんと宇宙飛行士・山崎直子さんによるトークセッションを開催します。

◇先輩リケジョトークセッション:1115120014451530

  立命館大学×東京理科大学の先輩リケジョによるトークセッションを開催します。

 常設コーナー(11001700 ◇シゴト紹介コーナー

  会社で働いているリケジョの先輩に会えます。同時に、企業のブースもあり、就職活動を始める学生にとっても好機です。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

・来年のゼミ希望者と面談しています。学生と話をするのはいつも楽しみです。今回は、話をたくさん聞かなければならないのですが、研究テーマなどのディスカッションでついつい熱が入って話しすぎてしまいます。でも、気持ちの良い学生さんとの面談は、喜びであるとともに、この学生をより成長させるために何ができるのか、とその責任の大きさも感じさせられます。卒業時に彼らが望む以上に、力をつけることを学部の教職員が願っています。それを受け止めて、伸び上がってください。

・高倉 健さんがお亡くなられた。前半の任侠映画に馴染みはないのですが、学生のころみた「遙かなる山のよびごえ」「幸せの黄色いハンカチーフ」から、仕事シリーズとでもいうべき、「海峡」「鉄道員(ぽっぽや)」で感動をいただきました。エッセーも上手でよく読ませてもらいました。今のタレントのように私生活をひけらかしたり、ネタにすることは一切無く、映画で勝負する本当の銀幕のスターでした。「かっこいい男」へのあこがれを湧き起こし、「男の姿」をみせてくれた健さんの冥福をお祈りします。

【忠】

 



2014.11.23

シンポジウム「成長期の体と頭を育てる食事」が開催されました。

寒くなったり暖かかったりと、
体には厳しい気候が続いておりますが、
皆様いかがお過ごしですか。

先日のブログでも触れましたが、11/16 に、キャンパスプラザ京都で、
第四回スポーツ健康科学セミナー: 成長期の体と頭を育てる食事 が
開催されました。

今回は、海老研究室の Aoi さんに
当日の様子をレポートしてもらいたいと思います。



「みなさん、こんにちわ。海老研究室の M2 の Aoi です。
今回のシンポジウムでは、海老先生は、
活動紹介、成長期のアスリートの食事について、
どのように食べていけばよいかなどを話されました。
例えば朝ごはんにもタンパク質を摂りましょうということで、
時間の無い朝簡単にできるレシピやカルビーさんが協賛ということもあり
フルグラにヨーグルトなど紹介されていました。

彦根東高校野球部監督の村中先生との対談では、
週2回の部活食の取り組み紹介、
進学校ならではの文武両道の大変さなどを話して頂き、
選手のサポートには様々な人の協力、
つながりが大切であるとおっしゃっていました。

大阪ガスの谷田さんには、おいしくお弁当を食べることができる
作り方の基本やコツ、注意点などを丁寧に教えていただきました。

最後には、アンケートを答えた人全員に
カルビーさんからフルグラ一袋をプレゼントとして提供していただきました。」

スポーツ健康科学部では、様々なイベントやシンポジウムを開催しております。
どんなイベントが開催予定かを、ぜひ学部HPをチェックしてください。

それでは、また。失礼いたします。
良い休日を


2014.11.22

博士後期課程入学試験…問われる研究者としての自律と自立

今日は、スポーツ健康科学研究科博士後期課程の入学試験日でした。学内外の大学院生や社会人の多数の方々が試験に臨みました。

博士後期課程に進学を希望する人たちは、自身の専門性をより極め、大学の教員や研究者を志す場合が多くなります。志願者は、博士前期課程、いわゆる修士課程の大学院生が多いのですが、場合によっては、大学教員で博士号を取得していない方が学位の取得をめざしたり、理学療法士や管理栄養士、また高等学校の教員の方々がさらなるキャリアアップを図るために、学位取得をめざされたりする場合もあります。

博士後期課程に進学する人たちは、研究することに動機づけられているため、既に研究テーマは明確に描かれている場合が多いのが特徴です。その上で、専門領域での研究を進めるために必要な基礎知識や方法論の知識、また手掛けようとする研究成果がどのように社会や実践の場に貢献しうるのかという視座を持ち備えているのかも問われます。加えて、後期課程の3年間で学位取得に至る要件を満たすことができるのかという研究遂行能力も求められます。つまり、博士後期課程の学生には、「一人の研究者としての自律と自立」が求められるといっても過言ではありません。











我々の研究科では、学生一人ひとりの専門性と個性が発揮できるように支援し、研究者に代表されるようなスペシャリストを社会に排出したいと考えていますが、同様に、培った専門性や能力をベースに、社会に新しい価値をもたらすような「未来を生み出す人」を常に育てたいと考えています。つまり、博士後期課程では、「教えを請う」というようなイメージではなく、進学をめざす人たちには、一人の研究者として「自律・自立」するという自覚と覚悟が問われているといっても過言ではありません。

自らの道を自ら切り拓く…
我々の研究科では、そのような気概を持った人たちの支援を惜しみません。


Jin


2014.11.21

ニュースポーツ

今学期は、スポーツ指導実習で「ニュースポーツ」を担当しています。たいていの受講生は、「ニュースポーツ???」という感じで履修登録をします。授業では、簡単なニュースポーツの定義をするのですが、やっぱり「???」という雰囲気が漂います。その感覚は的を外れてはいないのです。ニュースポーツの一般的な定義を見てみると、


【知恵蔵2014

ハングライダー、パラセーリング、グラススキー、スケートボード、ジェットスキーのような科学の発達による技術革新で作られる新素材や機械、加工技術の革新によって生まれた新しいスポーツ。また科学的な知見に基づいてより安全に、より健康的に既存のスポーツを変形したり、類似したルールを採用したりして、近年高齢者や子供も可能なレクリエーションとして紹介されるようになった新しいスポーツもある。変形して新たに生まれたスポーツには、羽根つきボールでバレーボールをするインディアカ、ボールを打ちやすい高さにティーアップし、野球の投手がいなくても楽しめる子供用に開発されたティーボール、ゴルフより簡便なグラウンドゴルフ、フランスのクロッケーが日本で改良されたゲートボール、実弾を使用しないデジタルスポーツ射撃などがある。


【大辞林第三版】

①新しく考案された,あるいは,新しく日本に紹介されたスポーツの総称。

②競技性を重視せず,誰でも参加できることを目的としたスポーツの総称。プレジャー-スポーツ。

 

具体的な種目を見てみますと、以下のようなものが挙げられます。

●バレーボール型:インディアカ/ソフトバレーボール/ビーチボール/セパタクロー                    

●ターゲット型:ユニカール/クロリティー/シャフルボード/ダーツ/ペタンク          

●テニス型:バウンドテニス/フレッシュテニス/ラージボール卓球/スカッシュ/タスポニー          

●ゴルフ型:グラウンドゴルフ/スルーインゴルフ/ターゲットバードゴルフ/ディスクゴルフ/パークゴルフ/マレットゴルフ

●ベースボール型:キックベースボール/ティーボール             

●その他のスポーツ:ゲートボール/チャレンジ・ザ・ゲーム/綱引き/ドッジボール/フットサル/雪合戦/ニホッケー/3on3 (ストリートバスケットボール)/カバティ


あれ?これもニュースポーツなの?という感想をお持ちになる方も多いのではないでしょうか。すでにかなり周知されていて、新しい(new)スポーツという気がしないものも多く含まれています。もっと時間が過ぎ、日本の中でさらに定着すれば、ニュースポーツという名称でなくなるかもしれませんね。


さて、授業では、大辞林の②の定義を主に使いながら進めています。担当の学生を決め、毎回の授業の最初20分程度を「誰でも」「楽しめる」活動を実践します。その後、全員でディスカッションの時間を持ち、「小学生だったら・・・」「高齢の方だったら・・・」というように、異なる対象者に関する注意・工夫点などを話し合います。ガチガチに緊張する2年生は、「カンぺいいですか?」とシナリオを用意しています。それでも、ガチガチは取れず、終わった瞬間に完全脱力しています。思うように展開できた受講生、できなかった受講生、それぞれの思いはあるでしょうが、なかなか上手にできているというのが担当者の感想です。対象者に適した「声の大きさ・トーン」「言葉遣い」「態度」「声かけの頻度・程度」は、簡単なようでとても難しいと思いますが、数を踏めば踏むほど上手になっていくことは間違いありません。2週間後からは、40分間の模擬授業実践となりますが、この20分間の実践から得たものをフルに活用してがんばってほしいと思います。