2016.09.05

Harukoさん 来校

リオデジャネイロでのオリンピックの余韻が残る中、パラリンピックがスタートしています。

先週、本学の卒業生、平井晴子さんが、研究室を訪ねて来てくれました。晴子さんは女子7人制ラグビーの日本代表のアスレティックトレーナーとして、リオデジャネイロでのオリンピックに参加されてこられました。


オリンピックでの7人制ラグビーの採用は初めてであり、もちろん、女子7人制がオリンピックに出るのも初めてです。もちろん、オリンピックに出るには予選を勝ち抜いた国だけが出場できます。日本ではまだまだ馴染みのないこの種目で、オリンピックに出るまでには、選手の裾野を広げること、育成することなど多くの課題があったと思います。また、ラグビーというコンタクトスポーツゆえのケガ、故障も多くみられたようです。

晴子さんが関わった当初は、前十字靱帯の損傷が1試合にいくつもみられるような状況でした。もちろん、アスレティックトレーナーとして、トレーニングの工夫などのケガ予防に取り組み、現在サポートしている代表メンバーにおいては、その発生率は極めて低くなっているとのこと。今後の課題は、高校生などジュニア層へのケガ予防のアプローチが必要と、眼をキラキラさせて語ってくれました。

代表チームの合宿・遠征は、なんと年間200日以上にも及んだとのこと。「オリンピックでアスリートをサポートする!」という目標で、力の限り取り組んできた、その目標を達成したので、「今は少しゆっくりして、次のステージを模索します」と明るく語ってくれました。

新婚間もない時期に、彼女の活動を許し支えたご主人はすごね!と褒めると、「はい」とにっこりされていたのが印象にのこります。男女共同参画、女性活躍、ダイバーシティなど色んな言葉で表現されますが、それぞれが自らのビジョンをもち、ミッションを遂行するには、認めあえる家族、社会の環境が必要と改めて感じます。

晴子さんは、立命館宇治高校から立命館大学へ進学し、アメフト部のトレーナーとして活躍していました。その後、ATCになるとの強い決心のもと、学資を稼ぐために製薬会社に勤務の後、サンディエゴ州立大学を卒業し、ATCを取得されました。目的意識がしっかりしていて、行動力があり、いつも前向きで、キラキラしている彼女をみていると、「未来を拓く人」ということばピッタリ当てはまります。今後の活動にも目が離せないですね。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
写真映っているポロシャツはオリンピック参加者に支給されたものです。「先生、記念にもらっていただけませんか?」と晴子さんに言われましたが、もちろん、「もらえません」。着なくてもタンスの奥に仕舞っておいて、とお願いしました。このやりとりの中で、
『師は弟子に仕え 弟子は師を愛す』(猪飼道夫先生) の言葉を思い浮かべました。2つの主語と述語が逆で、通常は考えられますが、猪飼先生はこのようにお考えだったようです。
話は変わりますが、先日の体育学会で、ある有名な先生にお会いしました。その先生と直接お話ししたことがなかったのですが、学会前に、その先生より小生へ研究に関わって人をご紹介いただきました。そのお礼を申し上げたところ、「石井先生(小生の恩師)のところで鍛えられた先生と聞いていたので安心してご紹介した」とお話しいただきました。まだまだ恩師の力を借りているところが大であると感じた一幕でした。ちなみに、小生の恩師の石井先生は、猪飼先生の弟子でした。
 師の教えを受け継ぎ、次の世代の弟子の力になれるように、なお精進すべし、という素直な気持ちにさせていただきました。やはり、人に会うと学ぶことが多いです。
【忠】