2017.10.04

街が息を吹き返す夜

ここスペインも、すっかり秋めいてきました。
【表紙の写真】は、カタルーニャの独立問題です。連日、新聞の表紙はこの内容ですし、一緒に食事をとっている人とも毎朝この話題になりますーデモクラシーとは何か、国家とは何か、平和とは…と。歴史的な背景もあって、私がこの問題を理解しきるには時間がかかりそうですが、そうも言っていられないほど、とてもとても重大な、歴史的な時期にあることだけは確かです。

さて、少し話題を変えて…。私が住んでいるあたりの朝は(8時ころはまだ)、ひ~っそりと静かな旧市街。ところが、時間が経つほど、とくに夜、週末になると「どうした?!」というくらい活気ある街に変わっていきます。細い道が多いのですが、その道にも、ちょっとしたスペースにもバル(の出張所)が登場します。
この写真は、夜の8時ころ(ちなみに9月中旬)です。外がこんなにも明るいせいか、この時間帯でも地図を見ながら観光続行中の人も多く見かけますし、のんびりコーヒーでも、という人も。憩いの場であり、社交の場でもあります。

夜の過ごし方はいろいろあるようで、下の写真は、私の家の近くの映画館も大繁盛の様子。中に入るだけでもワイワイと賑やかです。これでも結構なしゃべり声でしたが、(この後に比べれば)まだ静かな方でした…。

こうした夜の時間にハシゴしながら(?!)食べるもの、スペインとくれば思い浮かぶものの一つかもしれない「タパス」。タパ(スペイン語で、蓋)+ス(複数)。その昔、ワインに埃などが入らないように、パンなどで蓋をしていたのが、今の小皿料理・タパスになったとか(スペイン人は結構きれい好きかも、と思うことがしばしばあります)。
(ガッツリ系タパス)
(品よくちょい系タパス)

写真では、香りも味も、そして大きさも伝わりにくいのですが、上のタパスは大きく、安い!
下のタパスが来たときは、注文を間違ったかと思いました(3種類のタパスを注文したら、この小さめの一皿に盛り込まれて出てきました)。いろいろと " 異なる " スタイルの存在を実感して知ることが、その「土地に住む」ということのようです。

何よりも、ここバレンシアは、気候と食が人をつくっていると実感する街です。少し前には、バレンシア州の市町村の料理、文化を含んだ商業プロモーションとして、街中14か所を拠点に音楽・バンドとともに夜中までイベントが行われました。このようなときには特に、いつの間にか隣の人と会話が生まれることもあり、人と人との繋がりを大切に、しかもいち早く(ときには濃く)繋がっていく街の印象です。それだけに、どこにその繋がりを壊すような地雷があるのか…ちょっとコワくもありますが。それを知らずにいる今は、とにかくやさしい街・人たちとともにいます。

ippo