2019.01.02

「民主主義の死に方」

あけましておめでとうございます。

穏やかな新年をお過ごしでしょうか。

今年も立命館大学スポーツ健康科学部をどうぞよろしくお願いします。

今日は新年にあたり、本を一冊ご紹介します。

「民主主義の死に方」

 (Apollo)20190102-01

この本では、民主主義が私たちが知らない間に合法的に侵害されて
いくプロセスを、多くの歴史的な事実を示し、今日の危険な兆候に警鐘を
鳴らしています。

私が大学生と接していて感じることは、みんな、無限の可能性を秘めた
素晴らしい若者たちですが、反面、世の中の出来事、社会の状況を驚くほど
知らない人が多いということです。

日本にも民主主義が蹂躙された時代がありました。
今日の民主主義はその後の人々の努力によって築かれてきました。
そして、民主主義は、人々の絶えざる努力によって維持発展するということを
忘れてはいけません。
そのためには、一人ひとりが社会のあり様に繊細で敏感であることが必要
です。

そして、もう一つ。
民主主義は多数決に従うことが強調されがちですが、実は大切なことは、
その多数決に至るプロセスにあります。
それは異なる意見を持つ人同士のディスカッションです。
それは、お互いを「尊重」する姿勢の表れです。

多数だから何をしてもいいというのは大きな間違いで、議論を尽くした後、
多数決の結果に従うとしても、その多数は、いつも自分たちを異なる考えを
持つ人々を思いやらなければいけません。

これはイデオロギーの問題ではなく、誰もが一致できることではないかと
私は考えています。

これからの日本を、世界を担っていく若者たちが、社会の主体者としての
自覚的な意識をもってくれることを強く望みます。

「民主主義の死に方」
ぜひ、ご一読ください。

民主主義は脆いものです。
油断していると、知らない間に民主主義が死んでしましますよ。

Apollo